提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
ステンドグラスを背景に見えるその純白は…余りにも綺麗で、眩しくて、愛おしかった。
「そこのお兄さん!」
「あ!ナンパじゃないです!お2人は…ご結婚なさってますか?」
「あー…」
お互いに指輪もしている。
ケッコンカッコカリもしている。
俺らの中では夫婦なのだろうけど…世間で見るとなあ…。
「夫婦デース!」
「結婚式はあげましたか?」
「まだデース!でも幸せデース!」
「あげたくないですか?」
「そりゃ…そうですケド…」
「今!キャンペーンをしてまして!ドレスを着て教会でお写真を撮るプランがあるんです!どうですか!?良かったらお話だけでも!!」
「あう…だ、ダーリン?」
「旦那様も…!是非!いい思い出になりますよ!」
金剛も戸惑っているが…
少し期待に満ちた目をしている…。
「いいですよ 行こうか!金剛」
「え?いいんデース?」
「ああ 君のドレス姿…見てみたいな」
「ありがとうございます!ではこちらへ!!」
「えーと…アンケートの記入をお願いします」
と、言われて記入する。
金剛は生年月日等でどう書けば良いの?と悩んでいた。
「アノー…私、艦娘なのですガ…」
「え!?そうなんですか!?…初めて見ました。」
と驚く店員さん。
「…いつも私達の安全を守ってくれてありがとうございます」
と、深々と頭を下げた。
「そんな!逆にありがとうございマース」
「2人の結婚はいつなんですか?」
「お互いの良いところは?」
「…お子様は?ご予定は?」と、随分と聞かれた。
結構照れるよね!こー言う話題って!
「奥様は可愛い人ですね」
「奥様…だなんて…」
「今回のプランは衣装を着ていただいて、向かいの教会でお写真を撮るプランです」
「さて…ではお2人には衣装を選んでもらいますね」
指輪も撮影で使うので外してくださいと言われたので、外して渡した。
そして、2人ともが別々の部屋に案内された。
「うわー…タキシードがいっぱいですね」
「はい!神崎様のサイズですと…大体がお選び頂けますね」
「悩むなあ……」
少し悩んだ結果、赤いネクタイと金の刺繍の入ったものを選んだ。
「Oh〜 ビューテフォーなドレスがたくさんネー!!」
「ありがとうございます!お好みのドレス等あれば申し付け下さい」
「あ」
一つのドレスに一目惚れした。
純白のソレは、まるで御伽噺に出てくるような…。
昨日見たような…。
自分が想像する花嫁衣装と同じな…ドレス。
思わずそのドレスの前で固まってしまう。
「お決まりのようですね?」
コレが…教会のチャペル…かあ…。
野郎の準備は早いもので…今は教会の中で金剛を待っています。
何だか緊張するなァ…。
「もう少しですよ」とスタッフさんが言ってくれた。
少しして、スタッフさんがこっちにぐっと親指を立てて向けた。
ギィ…と扉が開く。
外の光と、ドレスの白が眩しかった。
段々と目が慣れると…そこには真っ白なドレスに身を包んだ金剛が立っていた。
一歩ずつ、一歩ずつこちらへと歩んで来る。
照れて、はにかみながら少しずつ…。
「ダーリン…あの「似合ってる…綺麗だ…」
金剛は似合いますか?と訊こうとしたのだろう。
でも俺の方が先に言ってしまった。思わず声が出てしまった。
「え!?あう…あの…ありがとうデース」
「ダーリンの衣装もカッコ良いデース」
「写真の前に…お2人には…」
と神父らしき人が現れる。
状況が飲み込めないでいる中
「新郎は…健やかなる時も……」とお決まりのセリフを言い始める神父さん。
「え?!あのっ」
「誓いマスカ?」
「…ち、誓います」
「新婦は…」と金剛にも同じく投げかける。
「誓いマスカ?」
「誓い…マス」
「デハー、コノ指輪をー交換シテクダサーイ」
と、先程預けた指輪が磨かれた状態で渡される。
俺は金剛の左手の薬指に…
金剛は俺の左手の薬指に…
「では…誓いノキスヲ…」
金剛のベールをあげる。
笑顔で…泣く金剛が居た。
「金剛…?」
「ダーリン…私は…幸せデース。幸せ過ぎて…泣いちゃいマス」
「きっと幸せにするから…」
「ハイ!私も…あなたを守りマース」
と唇を重ねた。
写真撮影を終えて
スタッフさんにお礼を言う。
「そんなプランだったのですか!?」
「アレはサービスですよ!」と、スタッフさんが言った。
「街でお2人を見た瞬間から…何か…こうなる気がして…。それに、良いもの見れました!こちらこそありがとうございました!写真届くの…楽しみにしててくださいね?」
だそうだ。
ドキドキするのが止まらない。
さっきよりも口数が減ったけど…2人の距離は、さっきよりもずっと近い。
鎮守府への帰路も少しずつ、ゆっくりと帰った。
「結婚式…しちゃいましたネー」
「そうだなあ…」
「幸せにしてくださいネ?」
「もちろんさ」
この3日間は、本当に幸せでス。
こんなに幸せで良いのでしょうカ?
憧れに憧れて、夢に見たドレスも着れて…ダーリンと結婚式まで。
私は今日を絶対に忘れないデース。この先も、ずっとダーリンのそばに居まス。
何があっても…離れないヨー!
もう一度左手の薬指を確かめる。
…ちゃんとある。夢じゃない。
この胸の高鳴りも、幸せな気持ちも…本物だ。
「ダーリン!愛してマース」
「「ただいまーー!」」
「「「「「お帰りなさい!」」」」」
なんか幸せそうな帰宅ですなー?
何やってきたのー?
と、質問攻めに遭う。
「秘密デース」と言った時だった。
「青葉は見ました!結婚式してましたね」
と、非番だった青葉が爆弾を投下しやがった…。
「は?」
一気に氷河期くらいの体感温度になる鎮守府
「どう言うこと?」
と青葉を詰問する艦娘達。
「そのまんまですよー!教会でー指輪交換してーキスしてー…きゃあ!羨ましいですー!!」
「どう言うことかしら?金剛」
表情がまるで悪役の艦娘達。
「いや、アレは…サービスデース…」
「サービスで結婚式が挙げられるわけないでしょ!」
「……逃げマース!!!」
「こらっ!待ちなさい!!」
と、チェイスが始まった。
ちなみに写真が届いた時の事は…語るのはやめておこう…。
早いもので…もう83話?
いつも閲覧ありがとうございます!
とりあえず100話を目指して頑張ります!