提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜 作:ふかひれ
「さあ!明日はヴァレンタイン…デイだ…皆…提督を射抜くチョコを作ろうではないか!!」
「「「うおおおおおお!!」」」
昨日よりテンションの高い艦娘達…。
一つ違う所があるとすれば、アークロイヤルもその中に居るということか。
各自が思い思いのチョコを作る。
チョコを作らない者はサポートに回る。
「提督の血糖値がヤバいことになるからチョコ以外をプレゼントするよ」との事だ。
「え〜…では、青葉が皆さんの様子を見て行きたいと思います」
「珍しいですね。2人での作業なんて。」
対するは 重桜所属の赤城と大鳳。
「艦娘が多いですからね。指揮官様の胃の事を考えて…仕方なくよ…」
「何入れてるんです?」
「メンタルキューブよ?」
「何作るつもりですか!それはいけない」
未知の物質はNGらしい。
「さあ…ここで決めましょうか」
「ええ!望むところですわあ…先輩…」
2人はカッと目を見開いて言う。
「「どっちの、等身大チョコを作るか!!」」
「はい。次行きましょうか…」
青葉はスルースキルを身につけていた。
「ここは駆逐艦チームですね。頑張ってますね」
「あっ!青葉さんなのです!こんにちはなのです!」
「はい。こんにちは!出来具合はどう?」
「うー…なかなか難しいわね…」
ハート型のチョコを作っているらしいが…形は少し歪である。
包装にしても手作りなのだろう、慣れないながらも一生懸命に作った事が窺える。
「きっと、提督に皆さんの気持ちは伝わりますよ」
「だと良いんだけど…」
「お手紙書いて添えるのです!」
和気藹々と彼女達らしくやっているようで安心した。
「微笑ましいなあ…。次!行きましょうか!」
「うわぁ……」
長門、陸奥、大和、武蔵チームだ。
全員、腕を組んで唸っている。
「どうしたのですか?」
「む?青葉か…いやな……その………」
「上手くできすぎたのよ……」
そこにはきっとプロ顔負けであろうチョコが置かれていた。
色の鮮やかさ、装飾…どれをとっても凄いの一言に尽きる。
むしろ、キラキラして見えるのは気のせい?
「凄いじゃないですか!!これは凄いですよ!?」
「いや…何と言うかな…」
と、武蔵が歯切れ悪そうに言う。
「私達が作ったと信じてくれなさそうなレベルだから…悩んでるのよ」
大和が目線を外しながら言う。
「あぁ…」
妙に納得してしまう。
「…塩でも入れておこうかしら…いや…唐辛子…」
あの陸奥ですらそう言うレベルだ。
「そのままでいいじゃないですか…」
「提督…えへへ…待っててね…僕が1番美味しいチョコを作るからね。えへへ…あはははははは!」
「指揮官指揮官指揮官指揮官指揮官指揮官指揮官指揮官指揮官指揮官指揮官指揮官指揮官指揮官指揮官指揮官指揮官」
「ぽいぽいぽいぽいぽいぽいぽいぽいぽいぽいぽいぽい」
「落ち度のないチョコを…落ち度のないチョコを…」
「ここはスルーしましょうか…」
触らぬ神に何とやらですよ。
「味見ですか?喜んで!あっ!そのチョコもう使わないのですね?食べますよ?」
「赤城さんが…キラキラ状態に…」
「てか作れや」
「ちょっと!愛宕さん?自分にチョコ塗るのはNGですよ!」
「ダメかしら…」
衛生上…ね?
「お!明石さんと夕張さん!」
「おー青葉じゃん!これ見てー?」
そこには可愛らしいチョコがあった。
「あーっ!魚雷型のチョコですね?凄い可愛いですねー!」
「名付けて!ロシアンチョコレート!」
「おー!なかなかいいですね!一個は激辛なんですか?」
「「一個は本物です♡」」
「は?」
「え?」
「ほん…もの?」
「本物!」
「いやー!このサイズで作るのって難しかったよねー!」
「はいー!威力はそのままってのが特に難しかったですね」
「コレなら…スリルを愉しめつつ、一撃必殺!提督を落とせるわ!」
「スリルってレベルじゃないですよ!そりゃ!一撃でしょうよ!提督死にますよ!ダメです!」
「ダメかぁ…」
「逆に何でOKになると思ったのですか?」
「加賀先輩って意外とお菓子作り得意なんですね…可愛いチョコですよ」 ゲシッ
「瑞鶴…ありがとう…」 ゲシッ
「おやおや珍しいですね。あの2人が…微笑ましくお菓子作りとは」
実はこの時、青葉には見えないキッチンの足元では…両者による足の踏み合いが行われていた。
「でも、こんな可愛くて甘いもの作るなんて…意外と乙女なところあるんですね!………作ってる本人はカカオ100%より苦い人ですけどねええ?」
「……何も作れない貴方よりマシよ…。作れないから助けてええ!って泣きついてきたのは誰だったかしら?」
「ぐっ…翔鶴姉さえ…正気ならアンタに頼る事なんてなかったわよ!」
「なら、大人しくしてなさいな!!喧しい鶴なのね」
「何よ!」
「やるの?」
「上等じゃない」
「表に出なさい」
「…………いってらっしゃい…私は疲れたわ」
「おや?アークロイヤルさん…」
「あぁ青葉じゃない」
昨日とは違う、笑顔で答えるアークロイヤル。
「いい笑顔で作ってるんですね」
「ええ、お菓子作りとかやった事ないけど…金剛が手伝ってくれてるから」
「ヘーイ!アオバー!」
と、金剛が出てくる。
「珍しいですねー!姉妹で作らないのは」
「アー…榛名や比叡はライバルですからネー… 。てのと、同じイギリスの艦として一緒に頑張りたいからデース」
「なるほど…」
確かにアークロイヤルさんからすれば…同郷の艦娘はここにはいない。
ベルヌーイこと、響は「私は響です、はらしょー。」と言い張って聞かないし。金剛さんはイギリス生まれだから…まあ。
それでもアークロイヤルさんにとっては嬉しいだろうなあ。
だって、あんなに楽しそうだもの..。
一部の艦娘を除いて…皆笑顔でチョコを作る。
あの人を想って…それ想いをチョコに乗せて形を作る。
放送事故級のチョコもあるだろうが…
それぞれ気持ちのこもった物を作っている。
上手とか、下手とかでなく…あの人への感謝を一心に。
ーいつも、ありがとうー
ー大好きですー
ーずっと…側に居させてー
ー貴方の艦娘で良かったー
きっとあの人は喜んでくれるだろう。
私の作ったチョコを私のことを考えながら食べてくれるだろう。
お返しに悩んでくれるだろう。
その時は…あの人の頭の中は私だけになるのだから…私を喜ばせようと…。それ以上に幸せな事はない。
一つ心配なのは…
このたくさんの愛を
提督は金欠間違い無いでしょう…。
350…お気に入りありがとうございます!ありがとうございます!
少しでも、お楽しみ頂けたなら…幸いです!
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