提督の鎮守府生活 〜最果てと呼ばれた西波島鎮守府での日々〜   作:ふかひれ

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94話 提督 時雨ト1日夫婦 ②

さあ…。

出発の時間だね。

 

相変わらずの修羅場…ではなく、いつもと違う感じがする。

 

「提督!甘い誘惑には負けないのよ!」

 

「夜には帰るのよ!」

「朝帰りはダメだからね?」

 

 

 

「…僕はそんなに信用ない?」

「普段の行動の結果じゃないか?」

「愛故に…なのに…」

 

 

 

 

「皆ー!行ってくるねー!!!」

 

「「「「いってらっしゃい!!」」」」

 

そこは変わらんのよね…。

 

 

 

 

 

 

 

救は驚愕した。

 

行きたいところがあるー。

と、言われたからついて来た。

 

 

 

 

 

が…そこがーーーー。

 

[恋人限定!恋人の為のカフェ]

 

なる所だったからー。

 

 

いやーー!ここは無いだろう…と自分に言い聞かせていたが、ドンドンとその場所に俺の腕引っ張り近付く時雨。

 

 

周りは…

バカップル

カップル、カップル、バカップル…。

見てるだけで口の中が甘くなりそうなのが列を成している。

 

 

「アレ?提督ゥゥ?何で抵抗してるのかなぁ?」グイグイ

 

「………」

 

「もしかして…恥ずかしいのかなぁ?」

 

「別のとこにしよーず」ギギギ

 

 

「いや?」

 

「ああ言った雰囲気は苦手なんだよ…」

 

「うぅ…救さん…約束したのにいい」

「酷いよおお…ぐすん…ぐすっ」

 

「はっ!?」

え?何?何で泣いてんの?

救さんて?何?え?

 

「そんなに私とデートするのが嫌なの!?うええん」

 

「え…?何あのカップル…」ヒソヒソ

「酷い彼氏だなあ」ヒソヒソ

 

「え…ちょ…ええ?時雨?」

 

「えへへ」 ボソッ

 

 

この野郎おおおおおおお!

やりやがった!周りを味方につけようとしてやがる!!

 

「お願いだよおー!行きたいんだよおおお」

 

「だぁぁ!!分かった!わかったから!!」

 

「本当?…ぐすん」

 

「よーし行こう!並ぼう!」

 

「……うん!」ニタァ

 

 

 

針の筵の状態で並ぶ事約10分…。

ぶっちゃけ2時間くらいに感じた。

 

 

 

「イラッシャイマセー」

 

「ねぇ〜何食べるー?」

 

「俺こんな所来た事ないから時雨のオススメを貰うよ」

 

「ん!分かった。まかせて!」

 

店員を呼び、これとこれと、と注文する時雨。

さっきまでの演技が嘘のように明るい…まじ時雨恐ろしい子!

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーで?

 

 

まず、来た飲み物がね…

 

 

何コレ?

 

 

『ラブラブ♡いちごオーレでございます』

『甘酸っぱい…恋の味をラブラブな2人に楽しんでもらう飲み物です!

もちろん…ストローはこちらですぅ』

 

 

あー…アレな。

2人で使うストローね?

 

 

「わー!救さんー!すごいねー!コレ!早速いただこうよぉ」

 

「……お先にどうぞ…」

 

「2人で…飲も?」

 

「いや、これは…さすがに…」

 

マンガとかドラマでしか見た事のないヤツ…。

恥ずかしすぎるよ…。

 

「…え?一緒に飲んでくれないの?」ウルウル

 

時雨の目がウルウルしている…。

泣くのか!?泣く気か!?!?

この流れはまずいッ!!

「よし!飲もう!2人でラブラブ飲もう!」

 

 

ダレカ…コロシテクレ…

 

無論…その後のご飯も、デザートもそんな感じ…。

 

お腹いっぱい…胸もいっぱい……。

とにかく恥ずかしかった…。

 

「美味しかったね?提督!」

 

「ウン、ソウダネ」

 

「えへへ…ありがとうね?一度でいいから、ああいう事したかったんだ」

 

 

あぁ、そうか…時雨も女の子だもんな。

そういうことに憧れていたのか……。

恥ずかしがってごめんな…。

 

 

「まあ!提督の恥ずかしがる顔が見られて…あーんまでできたから尚のこと幸せなんだ」

 

 

はい!前言撤回!!

ごめんなんて微塵も思わないッ!!

 

 

 

 

 

 

 

「もー!機嫌直してよー!アハハ」

 

「怒ってないもん!悔しいだけなんだもん!」

 

「提督…可愛いね」

 

「うっせー!」

 

 

なんて笑いながら2人で歩く。

 

あーあ

時間が過ぎるのって何でこんなに早いんだろう?

もっとゆっくりして行ってくれてもいいのに。

 

寂しいなぁ…。

 

 

 

 

 

「ねえ…提督?」

 

「ん?」

 

「これあげる」

 

時雨がくれたのは懐中時計だった。

 

「僕からの…プレゼント」

 

「いいのか!?ありがとう…!大切にするよ」

 

こんな嬉しそうな顔してくれるんだ…。

コツコツ貯めた甲斐があったよ。

 

「ねえ…お願いがあるの」

時雨は弱々しく言う。

「居なくならないで…。提督が居ないと…僕…いや、僕だけじゃなくて皆が…。もう死なないで…。居なくならないで」

 

「時雨…」

 

「もうね、提督の温もりなしじゃあ生きていけないんだ…」

「僕だけじゃない…皆…そうなんだ、提督の為に死ねるなら…提督を守る為なら命だって惜しくないんだ。」

 

「だから」

時雨がその先を言う前に口が開かれる。

 

「ダメだ」

 

「え?」

 

「俺は…お前らの内誰1人が欠けようと…嫌だ」

「俺の中ではお前達はもう俺の一部なんだ。そんなこと考えたくもない!だから…生きてくれ…俺だってお前達無しでは生きていけないくらい暖かさを貰ってるんだ」

 

「提督…」

 

嬉しいなあ…。

そうやって言ってくれるなんて…。

 

「だから、出来る限り最大限の作戦を立てるから…現場では思う通りにいかない場面もあるだろうが…とにかく、生きて帰ってくれ」

 

 

「しょうがないなあ…わかったよ」

 

本当にどうしようもない時は…きっと体が勝手に動くだろう。

でも…そうならない為に、頑張るね。

 

 

 

時計をあげる意味ー。

"あなたと時を共にしたい"

 

戦場で命果てるまで…叶うならば一生を共にしたい。

 

 

「…ずっと共に居ような」

 

もう…。

欲しい返事くれるんだから…。

 

 

 

「愛してるよ!提督!」

キス…をする。

 

好きーー。

この気持ちはずっと変わらないだろう。

例え…この身が無くなろうと、この想いはあなたを守り続ける。

 

 

 

「えへへ。帰ろうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時雨になにかされなかった!?」

「貞操は無事かっぽいー??!」

 

「皆…酷くない?」

 

「日頃の行いっぽい」

 

「むむむ」

どうやら私はそう言う扱いらしい…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある日

 

 

 

 

「もう直ぐお昼か…」

と、時間を確認する救。

使っているのは…あの懐中時計だ。

 

 

「むふふーー!ありがとうね?提督」

 

「ん?」

 

「その時計使ってくれて…」

 

「気に入ってるんだぞ?」

 

「えへへ…」

 

 

そんなやり取りがあったとか。

 

 

 

 




時雨は策士なとことポンコツなところがあるといいな…!


最初に投稿した数話を訂正しています!
と、言っても内容は変わっていません(๑╹ω╹๑ )



少しでもお楽しみ頂けたら幸いです!
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