ツツジの花は何れ咲く   作:カラスの餌

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ヤンデレ回


10話

 

 

あれ…俺なんでここで寝てんだよ…それに綺麗に両手が縛られている…足だけは動かせる状態か…。

 

……そう言えば、俺はしずくに攻撃されて気絶してたのか…。不覚にも1本取られたな…。

 

「あ、目が覚めました?先輩?」

 

「お陰様でぐっすりと寝れたよ。で、これはなんの真似だ?」

 

「怖いですよ先輩?そんな目で見ないでください♪」

 

「どうするかはお前の勝手だ。だが、やり方を少々間違えてるんじゃないか?」

 

「……先輩を私のモノにするには…これが一番ですからね…」

 

しずくは笑っていたが、目の中に光が宿ってなく黒い何かに呑まれている感じがした。

 

正直な話だが、こうなった原因は俺には分からない。何故こうなったのかも知らない。

 

ただ分かるのは今のこいつは非常に危険だということだ。下手に刺激すれば最悪な事が起きかねない。

 

「どうしたんですか…先輩…?まだ痛みますか…?」

 

「っ…寄るなっ…化け物が!」

 

しずくは俺に触れようとしたが俺は動ける足でしずくの事を蹴り飛ばした。

 

「っっ……やりましたね……?先輩……」

 

「悪いが俺に攻撃を仕掛けた人間は、例え同好会のメンバーであっても敵だ。簡単に触れさせはさせないぞ」

 

とは言ったものの両手縛られてる状態じゃかなり分が悪い…。対するアイツは自由に手足を動かせる…。こいつはかなり厳しいな…

 

「私は……先輩の事を思ってるのに……それなのに拒絶するんですね…」

 

「生憎だな。俺はお前のことが嫌いでな」

 

さぁ…どう出るか…。もし刃物とか使ってきたら多分俺は相手を半殺しにするだろう…。

 

それぐらい俺は今身の危険を肌で感じている。正直な所今のアイツに俺には勝ち目がない。

 

「私…怖いんですよ…いつか同好会の誰かに先輩が取られるんじゃないかって…」

 

「何を言ってるかは全く理解できないな」

 

「あら……頭の回転は早いのにこう言うのはダメなんですか…?」

 

「残念ながら俺はそう言うのに全く興味が、無くてな。」

 

そうですか…。と言いしずくの動きが止まった。

 

そして

 

「なら私だけしか、見られないようにしてあげる」

 

「っっ?!?!」

 

普通の人では感じとれない禍々しい何かをしずくから感じとった俺は直ぐに臨戦体制に入った。

 

こいつはやばい…下手すれば…

 

「ちょっと…痛いけど我慢してくださいね…?」

 

「っ?!(来る!)」

 

次の瞬間しずくは、ありえない速度で一気に俺の間合いに入り1発蹴りを入れようとしてきた。

 

しかしこの1発はフェイク。しずくは俺に蹴りの方に視線を行かせた。

そして次の瞬間顔面に思い一撃のビンタをくらった。

 

「っっくそっ(なんだ?!この力っ?!)」

 

普通じゃ考えられないほどの力と勢いでぶっ叩かれて俺は体制を崩してしまった

 

パンチだったら確実に俺はぶっ倒れていた。それほど今のしずくの力は強かった。

 

ゆらゆらとしずくは体制を崩した俺に近寄ってきた。

 

「先輩……足…大丈夫ですか…?」

 

しずくは俺の足を見てそう言ってきた。歩けたり走れたりできるようになったものの俺の足の怪我は完治はしていなかった。

 

そしてしずくは俺の足に手を当てて

 

「ここに強い衝撃を与えたら…どうなると思いますか…?」

 

そう言った次の瞬間だったしずくは携帯してた先程俺を気絶させたスタンガンを火傷の所に一撃を与えた。

 

「っっ?!?!ぐぁぁぁぁぁあっ!!?!!」

 

俺はあまりの激痛に声にならない叫び声を上げた。幸気絶させられた時よりも弱かったため意識は飛ぶ事はなかったが、ありえない激痛が俺の足に走った

 

「ふふ、どうですか…痛いですか…?」

 

「っっっ………」

 

「無視…するんだ……」

 

「………何が…お前を…変えた……」

 

「何が変えた……ですか……そうですね…。」

 

しずくはうーんと考えていたが暫くしてその答えが返ってきた。

 

「先輩の…存在が私を変えたんですよ」

 

「それはどういう意味だ…。」

 

俺には全く理解できなかった。俺の存在がしずくを変えた意味など全然わからなかった。

 

「先輩は…無自覚にも優しいです…ですからその自然と出る優しさで先輩を好きになる同好会のメンバーも少なくはありません…」

 

「不本意な話だな。」

 

「現に…かすみさんは先輩とくっつくために…色々頑張ってましたからね…それに…かすみさんと先輩がくっつくなんて許されませんか……」

 

しずくはそう言うと縄を取り出して痺れて一時的に感覚のない俺の足を縛り付けた。

 

「さぁ先輩っ…私とずっとここで2人きりで幸せに暮らしましょう…誰も邪魔しないこの部屋で…2人きりで…」

 

「っっ…何を言ってもダメなんだな……」

 

「先輩は…何も考えなくて…良いんですよ…?」

 

するとしずくは俺の顔に手をそっと置いて固定したそして俺の口に自分の口を重ねてきた。

 

「私の…初めて…上げますね?」

 

「よ、よせっ……んぐっっ」

 

咄嗟のことで俺は気が動転した。生まれて初めてキスなんてしたのと状況が状況だったからだ。

 

しずくの唇の柔らかい感触が直接俺の口に伝わってきて、俺は一瞬意識を手放しそうになった。

 

「んっ…先輩…もしかして初めてキス…しました?だったら先輩の初めて、貰っちゃいましたね私。」

 

「そうだな…だがそれと引替えに…俺はお前の初めてを貰ってしまった…後々後悔するかもな…」

 

「後悔なんてしませんよ?私は先輩…いえ皐月の事をこよなく愛していますから…。」

 

「急に名前で呼んだな…」

 

「ふふっ。いいじゃないですかキスもしたんですし…それにここでずっと暮らす中なんですから…ね…?」

 

もはや今の俺ではしずくを止めることなんて不可能だった。

こいつの感情は完全に爆発して違うところにいっている

 

そしてこの家もこいつの親を見る感じだと、しばらく帰っては来ないだろう。つまり俺に残された選択肢はこいつと暮らすだけだ。

 

「皐月…愛してますよ…」

 

「………」

 

しずくは俺の事を抱いてきたが、俺は何も感じなかった。もうここは何も考えるべきではないと思ったからだ。

 

 

そしてこれからの始まる生活に俺は何を思うのか…

 

 

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