ツツジの花は何れ咲く   作:カラスの餌

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みーんみんみんじじじじ


15話 スクールアイドルフェスティバル前夜3

 

 

大好き………そう言って歩夢は意識を手放した………。

 

「っ…………」

 

「あ、浅霧君…」

 

 

高咲は、心配そうに俺の名前を呼んだ。しかし俺は返事をしなかった。

今俺の中にある感情は「怒り」だ。

また守れなかった…、大切な人をまた傷付けられてしまった。そしてそれを防げなかった自分への怒り…

 

 

「っ…………また、俺は過ちを繰り返すのか……っ」

 

 

あの時みたいな過ちをまた起こすのか…俺は…俺は…大バカ野郎だ…

 

 

俺は歯を食いしばり、手のひらに自分の爪が食い込むほど強く握った。

血が出ているが、痛みは感じなかった。

それよりも、歩夢を守れなかった怒りの方が圧倒的に大きかった。

 

 

「浅霧君……浅霧君は悪くないよ……だって助けに行こうとしたじゃん…」

 

 

高咲はそう言って俺を励まそうとするが、俺は言葉を返さなかった。いや正確には返せなかった。

ただただ自分の弱さを悔やむ事しか出来なかった。

 

「俺は……誰も守れないのか……?」

 

 

また、あの時みたいに失ってしまうのか…?俺は無力なのか…?

 

 

そういった途端

 

 

「っ馬鹿っ!!」

 

その怒鳴り声と同時に俺の頬に、痺れるような痛みが走った。

理解すんのに少し時間がかかったが、誰に引っぱたかれのたのかは直ぐに理解した。

 

 

「どうしていつも、自分のせいにするの?!それに、そんな所でへこたれて歩夢が喜ぶと思ってるの?!」

 

 

怒っていた。高咲は本気で俺に怒っていた。今までで見た中で多分1番怒っている顔だった。

そして、涙混じりだが、高咲はさらに続けてこう言った。

 

 

「浅霧君は弱くなんかないっ…!私の知ってる浅霧皐月は…こんな所でグズグズしてないっ…!確かに、いつも人を小馬鹿にしたような事を言うし、ムカつくところもいっぱいあるけど…」

 

 

高咲の顔は既に涙でいっぱいだった、それでもと言わんばかりに必死に俺に訴えかけてきた

 

 

「それでも……っ!同好会の誰かが困ってたら、絶対に助けに来る優しさを持ってる!そして…誰よりも歩夢や、同好会の皆のことを思ってる…仲間を守る強さを持ってる!」

 

 

 

……仲間を守る…強…さ……

 

 

「高咲……」

.

 

「だから…前を向いて…?皐月…」

 

 

「っ!」

 

 

一瞬だが、高咲の姿が、死んだ母さんの姿に見えた。あの暖かさを感じた。

 

 

…そうだ、俺は…こんな所でグズグズしてられない…

 

 

俺は顔を上げ目を瞑り深く深呼吸をし気持ちを落ち着かせた。

 

 

「高咲……ありがとう…確かにこんなところで止まる訳には行かんな…俺、皆を守ってみせるよ…!」

 

 

「浅霧…くんっ……うんっ…!…思いっきりやってきて…!」

 

もう迷いなんてない。俺のやる事はただ1つ。今ある壁を乗り越え、また皆と楽しい生活を送る事だ。

 

そのために俺は、あのクズ野郎共を倒す…

 

 

「行ってくる…高咲…皆に、歩夢に…後で部活でって伝えといてくれ…」

 

 

「うんっ…!」

 

 

「じゃあ…行ってくる!」

 

 

俺は、すぐに走って奴らの元へ向かった。高咲は後ろから頑張れ!と言わんばかりに手を振っていた。

勿論、俺があんな奴らに負けるわけはない…。絶対にまた、あの平穏な日常に戻ってみせる。

 

 

そして…悔いのないスクールアイドルフェスティバルを迎えて見せる

 

 

 

 

ただ、ここで俺は一つ…決めたことがある。俺からは絶対に手を出さないという事だ。

 

勿論俺だって、ゴリゴリの喧嘩ばっかしてる野蛮人ではない。最初は勿論話から入り相手が受け入れずかつ、手を出してきたらそこまでだ。こちらも、それ相応の事を実行する

 

それに俺は武術経験者だ。流石に、俺から手を出したら一方的な結末になりかねない。

 

ニジガクの空手部はどうやら全国レベルみたいだが、あの程度なら俺でも勝てる。自分で言うのもなんだが、それぐらい武術やその他の運動面に関しては実績と実力が俺にはある。

 

なんなら俺は中国拳法も扱えるし、八極拳も可能だ。正直これ以上言ってもキリがないからこの辺にしておくか。

 

ちなみに歩夢は俺が武術をやっていた事は知らないし教えてない

 

 

動悸が、かなりアレだしな…。まぁ時が来たら教えるつもりではある。

 

 

と、そうこう言ってたら、グラウンドの相手が占領してる所まで来ていた。

俺は先に手を出さないと言い聞かせながら、相手に近寄った。

 

 

「武器になるものは持っていない…俺一人だ」

 

 

「あぁ…?てめぇ、今度は何しに来た?」

 

 

露骨に喧嘩腰に来たため反動で一発入れそうになったが、俺は抑えた。

 

 

「俺から…いや俺達からの要求が一つある。」

 

 

「はぁ?要求だァ?なんだいってみろよ」

 

 

「今すぐここから、退け。それだけだ」

 

俺は最後の賭けに出た。奴らが賢ればこのままお互いこれ以上犠牲者を出さずに済む。

 

 

しかし、俺の賭けも無惨な結果に変わった。

 

 

「今更退けるわけねぇだろがぁ!!」

 

 

「そうか………」

 

 

「えっ……?」

 

 

俺は、蹴りの構えをし相手が飛びかかってくるタイミングで頭にハイキックをお見舞した。

 

 

「そいつは残念だ……大人しく退散すればいいものを…」

 

 

頭にハイキックをモロにくらったチンピラは静かに崩れ落ちた。

残りの奴らもそれを見て一瞬で戦意を失くし、青ざめた顔でこちらを見ていた。

 

「こいつみたいになるか、今すぐ消えるか選べ」

 

俺は目一杯の殺意を込めて、一言そう言った。

 

 

 




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