「……っっ!すごい煙……浅霧君…無事でいて…!」
私高咲侑は燃え上がるジョイポ⚫スを見ていた。辺りは爆発の音と火事の噂を嗅ぎ付けた人でいっぱいだった
…そんな事よりも私は同好会のメンバーを探していた。浅霧君と1年生3人を探していた
「かすみちゃーーん!!璃奈ちゃーーーん!!しずくちゃーーーん!」
私はそれぞれの名前を呼ぶが返事は返ってこないとにかく懸命に探す事にした。
しかし人が多すぎて探そうにも上手く探せない
「すみませんっ!通りますっ…!」
大きな人や子供まで沢山の人がいてなかなか見つけられない。浅霧君にも電話をかけたが2度目以降全て応答なし全くの行方不明だった
すると
私は見覚えのある赤いリボンの付けた子を見つけた。そうあれは間違いなくしずくちゃん…だが…なにか様子が変だ、浅霧君も横にいないし何より顔色が…
気になった私は話しかけることにしずくちゃんの方へ向かった
「しずくちゃんっ!!」
「………?……」
しずくちゃんは振り向いた物のやはりどこか憂鬱な顔をしていた。
「と、とにかく良かった…無事で…そして浅霧君は…?一緒にいるって聞いてたけど…」
「っっっ…?!」
浅霧君の名前を出した途端しずくちゃんの顔は一瞬だが険しくなったそしてみるみるうちに涙を流し始めた。
そしてこの時私には嫌な予感がした
「……皐月先輩は…皐月先輩はぁぁぁ……」
しずくちゃんは泣き崩れるようにその場に座り込んだ。もう分かってしまった浅霧君は…しずくちゃんを助けるために自己犠牲を払ったと…
……本当に馬鹿なんだから……。
「良いよ……喋らなくて……浅霧君…どうして…いつも…」
無事でいて欲しいと願っていたがどうやら叶わなかったみたいだった…。
神様はどうして浅霧君を見捨てたのか…どうして助けてくれなかったのか。私は凄く悔やんだ
歩夢に話したらどうなるのだろうか…。きっと私よりも悲しむだろう誰よりも浅霧君の事を気にかけていたし心配していた…それと同時に信頼もされていた。
「……言えるわけ…ないよ…」
この後私達はかすみちゃん達と合流し、浅霧君のことを全てしずくちゃんは話した。
自分のせいで浅霧君が犠牲になったと泣きながら2人にそう伝えた。
「えっ……嘘…だよね…?しず子……?」
かすみちゃんは信じられないようにしずくちゃんに問いかけた。しかししずくちゃんは横に首を振った
そして同時にこう言った。「今もきっと苦しんでる…」と
かすみちゃんは未だ信じられないようだが、1番近くにいてそして最期をみたしずくちゃんが言うのだから間違いは何一つないだろう
「なんで……なんで見捨てたの?!しず子!!いつからそんなに薄情者になったの?!なんで助けてあげなかったの?!」
「っっ……?!」
突然かすみちゃんは怒り出した。璃奈ちゃんはかすみちゃん落ち着いてと止めようとするがかすみちゃんは止まらなかった
「しず子は今もこうして動けてるよね?!助けられたよね?!なんで!なんで先輩を置いていったの?!」
「ごめん…私のせいで…ごめんなさい……」
しかしかすみちゃんの怒りがこれで収まるはずもなく罵倒はさらに続いた。
「かすみちゃん…しずくちゃんだって…「りな子は黙ってて!!」
「謝ったって…先輩は……先輩は…」
かすみちゃんはみるみるうちに涙を流し声を震わせていった。私でも大切な人が助けられなかったら多分他の人に当たるだろう…。でも今回は誰も悪くない。しずくちゃんだって…
「かすみちゃん…もうやめなよ……」
「なんでですか?!先輩は…先輩はもう居ないんですよ!!」
「1番辛いのは…!!しずくちゃんだよっっっ!!」
「っっ…?!」
私は無意識に大きな声を出していた。でもこうでもしなきゃ分かってくれない…。本当は私だって声を荒らげたくないでも仕方なかった
「すぐ側にいたのに…助けられなかったんだよっ…?!目の前にいたのに…助けられなくて…泣け叫んでもおかしくないのに…みんなに申し訳ないと思って泣いてないんだよっ!?」
「せ、先輩…私が悪いんです…」
しずくちゃんは慌てて止めようとするが、私はやめなかった。
「確かに…浅霧君は帰って来ないのかもしれない……でもまだ帰って来ないと決まったわけじゃないじゃん!諦めないで最後まで待とうよ…!」
「っ………」
かすみちゃんは暫く黙ったままだった。かすみちゃんなりに自分と戦っているのだろう…。でもだからってここでしずくちゃんを責めるのはまた違う事だと私は思う確かに当たりたくなるのは分かる…けどそんなの誰も望んではいない…。本当はかすみちゃんだってわかっているのだろう
「だから…希望を持とう…?」
そして鎮火した建物から人がやがて背負われてきた。
身長は170よりちょっと高いくらいだろうか、足には酷い火傷そして腕の隅々には切り傷の後と火傷が見えた、意識は無く動く気配がなかった
「中に人がいたぞ!!しかもこの制服…虹ヶ咲の子だ!!」
その虹ヶ咲と言う言葉で私は確信した、きっと運ばれてるのは浅霧君なのだろうって…。しずくちゃんは直ぐに浅霧君の元に駆け寄った
「先輩っ……皐月先輩っ……」
「君…この子の知り合いか?!まだ息が少しある!急いでこの中へ!」
私達はしずくちゃんの後を追い一緒に救急車へ乗った。
しずくちゃんは浅霧君の手を握りながらずっと涙を流していた
見つかって息もまだ少しあって少し安心したのだろう。
「足の火傷と出血の量が酷いな…顔の火傷は少しで済んでいる…。」
きっと意識が無くなりそうな中少しでも距離を置こうと無理して動いたのだろう…、
「浅霧君……本当に馬鹿なんだから……っ」
私はぽつりと浅霧君に向かってそう言った、それともうひとつ伝えようとした
「そして……しずくちゃんを守ってくれて……本当にありがとうっ……」
私は泣くのを堪えて浅霧君に感謝の気持ちを伝えた。足に致命的な火傷を置いながらもしずくちゃんを庇い最後まで守り抜きそしてほぼ無傷のまま助けた…本当に凄いよ…
___________
……。ここは……。
目を覚ますと知らない場所に俺は立っていた、さっきまでの光景とはまるで違う場所…。たしか遊んでる時に爆発が起きて…その火事で…。
「そうか…俺…死んだのか…?」
しずくを逃がしたあの後俺は少しでも火から距離を置こうと感覚のほぼない足を動かして逃げたんだっけ…?
………俺らしくないな…人助けって
何かがきっと俺に魔が差したのだろうか…。
いや違う
本当はわかっている
でも素直に認められない自分がここにいる。
「俺もあの学校…気に入ってたのかな…。」
悪夢の中学時代と小学校時代俺は共に復讐心に駆られていた。ただ親父を潰すためと心の奥底で、復讐心に燃えていた。しかし高校に入ってから少し変わりつつあった。1度転校して虹ヶ咲学園の普通科を選んで入って来た俺だったが、最初は特に変わらない日常だった。しかし2年になってからまた更に変わった。そうあいつらに出会ったからだ。
特に情もない学校生活が変わり始め、そしてクラスの人間達にも声を掛けられるようになった。
「俺って…意外と人間してたんだな…。」
そしてやがて同好会に誘われて見学へ、そこには様々な想いで入部をしたと思われる9人の人間と1人のマネージャー的存在がいた。スクールアイドル…俺にとっては最初はどうでもよかったが、練習を見ていくうちに俺は魅了されていたのかもしれない。
「そうか…あそこが唯一俺にとっての……居場所…だったのか」
上原…お前に出会った事で俺はの中できっと何かが変わり始めたんだ…。少なくとも俺はそう思っている…。お前があの時声をかけてくれなきゃ俺はずっと…1人だったのかもしれない…そして何故かお前は俺に不思議な感情を抱かせたんだ…温かい何かを感じたんだ…。
それがなんなのかやっとわかった気がする…もう死んでるから遅すぎるかも知れないが…。
「歩夢……あの時…1人だった俺に声を掛けてくれたのは……お前だったんだな………」
もう遅い事は分かっている。しかしやっと…やっと…分かったんだ…。
あの時座ってる俺に声をかけてくれて…嘘の名前を言って…。気にしないようにしてたが、俺のどこかでお前を気にかけていたのかもしれない…。たった1人の俺に声を掛けてくれて……
「……っっ……あり……がとう……」
俺は何故か涙を流していた。これがなんの涙なのか分からない。いや、本当は分かっていた。色々な感情がが籠っていた。「遅くなってごめん」「話してくれてありがとう」「心配させてごめん…」そして
「声をかけてくれて……ありがとう……」
そう言葉を出した瞬間目の前が突然光始めた。そして声が聞こえた…そう懐かしい声…俺が守ろうとしたが守れなかったあの人からの声…優しくて…大好きなあの声が…その姿が…
「皐月……沢山心配かけて……ごめんなさい……」
「母さんっ!!謝らないで…俺が俺が弱かったせいで…!!」
「ありがとう…皐月…貴方は本当に昔から心優しくて…守る物は最後まで守れる強さを持っている……」
「そんな…俺は弱い……父さんにも勝てなくて…母さんを…母さんを守れなくて……」
自分でもらしくない弱音を俺は沢山吐いた。母さんに伝えたかったこと謝りたかった事色々な気持ちでいっぱいだった。
「皐月は弱くなんかない…私は貴方のその優しい心に何度救われたことか……だからもう泣かないで…。貴方にはまだ守るべき人がいるでしょう…?」
「守るべき…人…」
母さんは優しい声でそう言った。その時俺は歩夢や同好会のみんなが頭の中に流れてきた。
そうだまだ終わりじゃない…。俺にはまだ…生きていなきゃ行けない理由がある…復讐なんてやめて自分のため…そして守るべき人のために強くならなきゃならないんだ。
「その顔なら…もう大丈夫そうね…良かった…あの子を…歩夢ちゃんを守ってあげてね…皐月…ずっと…ずっと見てるから…!」
「うん…任せて母さん…俺…絶対に守り抜くから…そして俺は自分のやりたい事を見つけるよ…!!」
俺はそう告げ母さんに背を向けた。そして強く願った。
目覚めろ…こんなとこでくたばる訳には行かない…。俺は…この学校が…同好会を…守るんだ…こんな所で死ぬ訳には…!!
「いかないっっっっ!!」
死ねない…まだ死んじゃ行けないんだ…俺が死んだら誰がアイツらを守るんだ…学校か?教師か?それとも一般人か…?違うだろ…俺が守らなきゃいけないんだ…最後までずっと俺が…!!
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ピー…ピー…
「っっ……?!動いた……歩夢…!!しずくちゃん!皆!!動き出したよ!!」
突然仮眠してたら私は驚いた…。ずっと停滞してた心電図が動き出したからだ。もしかしたらもう目が覚めないかもしれないと医者からは言われていてろくに寝れていなかったから少し安心した。
「ほ、ほんとだ…!!動いてるっ!!皐月君……生きてる!!」
歩夢は涙を流しながら喜んでいた。まるで再会を喜んだ子供のように…とても嬉しそうな顔をしていた。そしてしずくちゃんは声も出せないくらい驚いているみたいだ。
でも……本当に心配したんだよ……
「馬鹿なんだから………」
私は小声でそう言った。いつもはぶっきらぼうだけど本当は優しくて仲間想いでなんやかんやで私達のことを見てくれる…それが浅霧皐月って子なんだ…
すると
「っっっっ………ぁ…ゅ…む」
「っ?!喋った!!しずくちゃん!先生呼んできて!!」
「は、はい!」
微かにだが、浅霧君の声が聞こえた。はっきりとは聞き取れなかったが、誰かの名前を呼んでいるように私は聞こえた。そして更にだった
「目が……!!意識が……!!」
目を開いてこちらを見ている浅霧君の姿がそこにあった。ようやく目を覚まし、喋ってくれて余りの嬉しさに私は泣き出しそうになってしまった。
長かった…この数日間…本当に…長かった…でも浅霧君は目を覚ましてくれるって信じてた…途中諦めそうになったけど…絶対に目を覚ますって…あの浅霧君が簡単に死ぬわけないって…。
「歩…夢……」
「えっ…今歩夢って…」
「嘘…前まで上原だったのに…どうして…?」
何かが浅霧君に思い出させたのかもしれない…そう思ったが私の思い当たる節の中で浅霧君と歩夢が出会った記憶なんて1つもなかった。そしてそう考えていたら医者が到着した。
「良かった…浅霧君…目が覚めて……全く大したもんだよ。あんな出血の量と怪我…全く何もかも規格外なんだから君は…」
奇跡だと言うように担当医は感激していた。確かに浅霧君は何をやるにしても規格外だし普通ではない…。しかし今回は本当に奇跡だったようだ。
「……っ…本当に生きてるのか……俺は…」
「本当だよっ…本当に心配したんだからね…っ」
「あぁ。心配かけてく悪かったな…高咲…そして皆も…」
浅霧君は申し訳ないと言わんばかり軽く頭を下げた。担当医の先生は空気を読んでくれたみたいで後で検査をすると言い残して部屋から出ていった。…私的にはもう大丈夫だと…思うんだけどね…。
「それと…色々と思い出したことがある…悪いがこいつ以外一旦部屋から出て貰えないか?」
突然浅霧君はそう言い出しこいつと指さされた以外の皆は一旦浅霧君の部屋から退室をしたそしてそのこいつと言う人物に皆は驚きを隠せなかった。
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意識が覚めてそうそう俺は1人の女子と1対1で密室で話すという中々ハイレベルな事をしようとしていた。
その女子というのが
「……悪いな…歩夢…話しにくいかもしれんが…少し…俺の話に付き合ってくれないか…?」
「う、うん…平気だよっ全然…!!……でも…どうしたの…?」
そう…上原歩夢だ。そして当の歩夢は少し困惑していたが、特に嫌がる気配を感じず俺はそのまま話す事にした。
「じゃあ…本題に入るとするか…」
「うん…」
歩夢は何やら緊張した様子でこちらを見ていたが、何処か安心した様子も見えた。普通なら男女で1対1しかも密室でってなると抵抗感を覚えるがそんな様子は特に見受けられなかった。むしろ何でも聞くよと言った目をしていた。
「あの日…7年前…
俺はその後全てを歩夢に話した
すやー