「僕には帰れるところがあるんだ、こんな嬉しいことは無い」
少年は帰るべき仲間がいることに涙する。
人類の革新を予感させる終わりから7年、時代は動き出す。
グリーンノア宙域、漂う岩石の影に息を潜める3機のMSがあった。
一年戦争の名機ドムを彷彿させるフォルム、カラーは黒、黒、赤のリック・ディアスである。
「大尉、そろそろ動き出しますか?」
「焦るなロベルト、まだ時間じゃ無い」
「しかしティターンズの拠点を前にして待機というのは、なかなかのプレッシャーです」
「映画でも見てリラックスしろよ」
「あまり気を抜きすぎるなよ、アポリー」
「分かってますよ」
男達が軽口をたたき合う中、グリーンノア1では事件が起きていた。
少年は衝動的すぎた。それが若者なのかも知れないがあまり感情的だった。だがその感情こそがNTの素質なのかも知れない。
ガンダムmkⅡの落下事故のどさくさから逃げ出した少年は橋のたもとで途方に暮れていた。
「こんなことしちゃって、俺どうするんだ?」
少年が行ったことは、贔屓目に見ても異常だった。
普通の人間なら耐える。だが少年は若さ故の衝動で軍に対する完全な敵対行動をとってしまった。ここまでやっては幾ら両親が軍関係者とはいえそれなりの処分は免れないだろう。下手をすれば刑務所に入れられる。
衝動が去り冷静になって初めて自分のしでかしたことを悔い始めるのは若者故か。
「なら一緒に来ないか?」
「えっ」
少年が驚いて見るとそこにはサングラスをしたアフロの青年がいた。
なんだこの感じ?
少年は初めて会う青年になぜか宇宙を感じた。
「あなたは?」
青年がサングラスを取ると、そこにはかつての英雄アムロ・レイの青年に成長した顔があった。
「アムロ・レイ。人類の革新を願う者さ」
「えっ、あなたは死んだはずでは」
公式では最終決戦後地球への帰還。その後ニュータイプについての啓蒙活動の中飛行機事故に遭って死亡したとある。
「偽物だと思うかい?」
少年は青年の目を見て宇宙を感じる。
「いえ。あなたはアムロ・レイです」
「ならば一緒に来るか?」
アムロの必然とも言える誘いに少年が考えたのは刹那。
「行きます。僕の名前はカミーユ・ビダン」
「いい名前だ」
「はいっ」
「行くぞ、そろそろ仲間が動き出す頃だ」
アムロが向かう先には一台の四駆エレカがあり二人は乗り込む。
「これで港に向かうんですか?」
「いや、大志はあるが懐は寂しいのが現状でね。君が作ってくれたチャンス利用させて貰うさ」
青年となったアムロは笑みを浮かべるのであった。