deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

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第10話 地球へ

 ティターンズから行方を眩ませたアーガマはある宙域に留まっていた。

「レーダーに感なし。確認に出たジムⅡが目視にて確認。

 コムサイです。定刻通りランデブーポイントに到達」

 アーガマの前方より、ステルスが施され増設ブースターが装着されたコムサイがジムⅡに誘導されて接近してくる。

「僕は行きます。ヘンケン艦長後は頼みます」

「了解した。気を付けてな」

「アムロ君、私は今でも反対だ。君はエゥーゴの支柱なんだぞ」

 ブレックスがアムロに小言を言う。

「これは僕の理想のためにもやらなくてはならないことなんです。それに僕のような若輩者にはあなたの様な人が後ろにいるから安心して無茶が出来るんですよ」

「煽てても小言は言うぞ」

「ありがたくお受けしますよ」

「もう言ってもしょうがあるまい、くれぐれも気を付けてくれたまえよ」

 ブレックスは溜息交じり言う。

「了解です」

 アムロはブリッジから格納庫に向かうのであった。

 

「エゥーゴ本部より今回の作戦においてアムロ大尉のサポートの任を命じられました。

 ルー・ルカです。よろしくお願いします」

 アーガマの格納庫ではサイドテールをした紫色の髪の少女ルー・ルカがパイロットスーツに身を固め折り目正しく敬礼をするのであった。

 アムロは年端もいかない少女を暫し値踏みする、何かを感じ取ったのか満足げな笑顔で言う。

「そう堅くならなくていいよ。

 僕はアムロ・レイ。一応大尉ということになっているがアムロと呼んでくれ。定刻通りの到着にさっきのランデブーも見事だった。でいい腕をしている、期待させて貰うよ」

「はい。腕には自信があります」

「その自信も好ましいよ」

 アムロはルー・ルカの肩を叩く、中年がやればセクハラだがアムロがやると爽やかな親愛になる。

「時間が勿体ない。早速行動に移そう」

「待て、アムロ」

「なんだいクワトロ」

 格納庫に慌てて来たクワトロがアムロを呼び止める。

「まさか今回の作戦のサポートはその少女1人とか言うつもりか?」

「私じゃ不服って言うの?」

 ルー・ルカがクワトロ相手に不満そうに言う。全くもって大物だ。

「僕は君みたいなチャーミングな娘で嬉しいよ」

「あらやだ、アムロさんったら正直なんだから」

 ルー・ルカはアムロの肩を叩いて喜んでいる。

 チョロいとアムロは微笑む。

「現地でカラバの陸戦隊と合流する」

「途中はどうする。コムサイには何を積んでいる?」

 クワトロは苦虫を潰したような顔でアムロに聞く。もし途中でティターンズに見つかれば、ルー・ルカとアムロの2人で対応することになる。クワトロの心配は当然だった。

「プロトタイプ・リック・ディアス改だ。

 アナハイムの倉庫で眠っていたのをレストアして陸戦用に改修をして貰っている。これなら最悪地上に乗り捨てることになっても惜しくはない」

 世間で言うところの正しき試作機で量産機に比べ無駄な機構が多い上にムーバブルフレームも拙くモノコックに近い。

「そういう問題じゃない。

 そんな欠陥機を降ろして私のリック・ディアスを積め。そして私も護衛として付いていく」

「それは断る」

 有無を言わせぬ気迫だったクワトロにアムロはハッキリと拒絶する。

「女の子と二人きりになりたいとは言うまいな」

「言わないよ」

 クワトロに睨まれてアムロは肩を竦めながら言う。そして肩を叩く自然さでアムロはクワトロの耳元に顔を近づける。

「月のお偉いさん方が無茶をしようとしている。なんとか抑えて欲しい」

「それこそリーダーである君の仕事だろ」

「そうなんだが、この作戦は僕にとって譲れないんだ」

「それは理解出来る。だからこそ私を護衛に連れて行くか時期をずらせないのか?」

「カイからの情報で今実行しないと間に合わなくなる」

「しかしだな」

「大丈夫、俺が君以外の奴に後れを取ったりしないよ」

「煽てるな」

「それに腹芸は君の方が得意だろ。頼む」

「・・・分かった。なんとか努力はするが抑えきれるか保証できんぞ」

「ついでにカミーユも鍛えてやってくれ」

「何でも私に投げるな」

「君だから甘えさせて貰うのさ。君なら最悪の事態は避けてくれると期待しているよ」

「帰ってきたら一発殴らせろ」

「一杯奢るよ。

 さあ話は付いた、行くぞルー」

「はい」

 アムロとルーはアーガマに横付けしているコムサイに向かって行くのであった。

 

「カウント、ダウン。

 3,2,1、ゼロ」

「ブースター点火」

 コムサイのブースターに火が付きコムサイは地球まで届くほどに一気に加速する。

「ぐっ」

「きっつーーーーーーーーーーーー」

 数秒後加速が収まるとブースーターが切り離された。

「地球に近付けばティターンズの縄張りだ。エンジンの使用は極力抑えるぞ」

「了解です」

 コムサイは青き地球に向かっていくのであった。

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