deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

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第二話 始動

グリーンノア1内では混乱の極みであった。

 どこからともなくコロニー内に潜入したリックディアス隊とコロニー防衛のジムⅡとの激しい戦闘が行われていた。数に勝るジムⅡであったが性能では完全に置いていかれた。おかげでコロニー防衛隊の方が押され気味となり、軍の意識は戦闘以外に割く余裕は無くなっていた。

「よしいいぞ。意識は戦闘に向けられている。一気にいくぞ」

「基地に突入するんですか?」

 アムロとカミーユ二人が乗る四輪エレカはティターンズの基地に張り巡らされたフェンスに向かって加速していく。

「振り落とされるなよ」

 四輪エレカはそのままフェンスをぶち破って基地内に侵入すると思われたが、激突する手前でホバー形態に変形し加速と合わさり戦闘機の如くフェンスの上を飛び越えていく。

 そして向かうその先は擱座したガンダムmkⅡが眠る倉庫であった。

 

「あれはなんだ?」

 倉庫前で指揮を執っていたブライトは此方に向かってくる物体に気付いた。

「迎撃しますか?」

「間に合うものかっ。総員退避だっ」

 ブライトは強気のエマの手を引いて退避させると、その僅か後ろにホバーから車輪形態に変形を戻した四駆エレカがドラフトを嚙まして着陸してきた。

 そして運転席に座る青年を見てブライトは驚愕する。

「アムロ、アムロなのか」

「ん? ブライトか久しぶりだな」

 かつての戦友の再会。

「事故で死んだと聞いていたのに・・・。今までどうしていた」

「旧交を暖めるのは今度にしよう。ミライさんによろしく。

 カミーユ君、行くぞ」

「はいっ」

 戦友との再会にアムロは感動すること無き塩対応、あっさりと終わりを告げてしまう。

 今のアムロには再会に心温めている余裕はない。アムロとカミーユは四駆エレカを乗り捨てガンダムmkⅡに向かって駆けていく。

「待てっアムロ」

 ブライトもアムロを追って倉庫内に入っていくが、既にアムロはガンダムmkⅡのコクピットに乗り込んでいた。

「ブライト下がっていろ。

 僕に会いたかったらエゥーゴに来い。君ならいつでも歓迎する」

 スピーカーで警告されブライトが倉庫から退避する頃にはガンダムmkⅡは倉庫の天井を打ち破り起き上がった。

 それにブライトは時代の殻を打ち破る時を連想した。

「アムロお前は一体何をする気なんだ?」

「ブライトキャプテン、あれにアムロ・レイが乗っているんですか?」

 ブライトの呟きを聞きつけたエマが問い掛ける。

「いや、なんでもない。それよりもここから急いで退避しよう。MSの戦闘に巻き込まれたら生身なんてひとたまりも無いぞ」

 アムロは事故死したことになっている。その件以来連邦の暗部を闇を感じ取ったブライトは慌てて口を紡んで話題を逸らした。

 エマがNTよりならそれで何かを察して黙っていてくれるだろう。

 

「ふむ、プレーンな機体だな。

 ん!?」

 起動しアムロがモニターのチェックをしていると目の前にリックディアスに追い詰められたもう一機のガンダムmkⅡが着陸してきた。

「クワトロ手こずってるな。ふむ、手土産は多いいほうが喜ばれる。加勢してやるか。

 カミーユ君少し揺れるぞしっかり捕まっているんだ」

「はい」

 カミーユの返事を合図にガンダムmkⅡはもう一機のガンダムmkⅡに向かってダッシュをしていた。

「加速性能は悪くない」

「なっなんだ。なぜ俺を攻撃する」

 突如味方と思っていたガンダムmkⅡに突撃を駆けられた慌てるもう一機のガンダムmkⅡのパイロット カクリコンだがそこはティターンズに選ばれるエリート、お坊ちゃんのジェリドと違い咄嗟にカウンターのストレートを放つ。

「甘い」

「消えた!?」

 カクリコンは消えたと錯覚したがアムロ ガンダムmkⅡはカウンターのパンチに対して地を這うほどに身を屈めただけ、それはまるで人間の格闘家のようであった。

 アムロ ガンダムmkⅡはカクリコン ガンダムmkⅡに対して足払いとすると同時に起き上がりカクリコン ガンダムmkⅡの胸を抑えて倒すのであった。

「いいぞ。此奴のムーバブルフレームは一品だ。思い通りに動くぞ」

「ぐわああああああああああああああああああっ」

 アムロの歓喜とカクリコンの絶叫が重なる。

「パイロット一度だけ勧告する。コクピットから降りろ、でなければコクピットごと潰す」

 アムロからは本気の凄みを感じる。次にカクリコンが小賢しいことを言えば本気でコクピットごと潰すだろう、ガンダムmkⅡを無傷で手に入れたかったという気持ちだけで。

 そこにはもうナイーブな少年の面影はない。

 一体何があったのだろうか?

「まっまま待てっ降りる降りるから待ってくれ」

 冷酷なアムロの声に本気を感じ取りカクリコンはコクピットハッチを慌てて開けて降りていく。

「よし。カミーユ君MSの操縦は出来るね」

「はい」

「なら彼方に乗り移って付いてきてくれ。手土産は十分だ、ここから脱出する」

「分かりました」

 カミーユはもう一機のガンダムmkⅡに飛び乗っていく。

 

「アムロ。彼がそうなのか?」

 カミーユがコクピットに乗り込むのを見守っていたアムロに無線が入る。

「ああそうだ。彼こそこれからのNTを導いていく希望。だから護衛をしっかり頼むぞクワトロ大尉」

「ふっ任せて貰おう。君も彼もしっかり護衛するさ」

「僕もかい」

「君は今無手だろ。幾ら伝説の英雄でも武器無しでは心許ないだろう」

「そうだったな。頼むよ」

 

 こうして反地球連邦組織エゥーゴはガンダムmkⅡ 二機と新たなる希望のNT カミーユを仲間に迎えるのであった。

 時代は今動き出す。

 

 

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