deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

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第20話 間に合った

 刻が見える

 ロザミアは宇宙から地球を見下ろしてた。その見下ろす地球にコロニーが落下していく。

 空に住む人と地に住む人との間で起こった戦争の狂気

「ああ、ああ空が墜ちる墜ちてしまう」

 コロニーはオーストラリアに落下し多くの人々が上げる絶叫がロザミアの頭に響いてくる。

「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 ロザミアは絶叫を上げるが、それだけでは終わらなかった。

 過去の囚われ妄執の大義を振りかざし、北米に落下していくコロニー。

 妄執に囚われた者達を利用し己の欲望のままに落とされるコロニー。

 過去と決別するために、落とされる小惑星。

「なんなのこれ?

 こんなこんな辛い時が見えるなんて、・・・」

 己の存在意義を揺るがす暴挙の刻、ロザミアには耐えがたい苦痛であった。

「私は私はこんな事をさせない為に剣を取ったというのに無駄だったというの?」

「違う」

「でもこの時の流れは残酷すぎる」

「まだ間に合う変えられる」

「変えられる」

「そうだ。こんなものを見るためじゃない、変える為にこの力が授けられたんだ」

「変えられるの私に?」

 ロザミアが捨てられた子猫のように縋る目でアムロを見る。

「出来る。だから僕に力を貸してくれ」

「貸すわ」

「ありがとう、ロザミア・バタム。君は今から僕の同志だ」

「あなたのことを何て呼べばいいの」

「ん~君が一番安心する呼び方でいいよ」

 悪い癖かアムロは歯が光るイケメンスマイルで答えるのであった。

 

 デルタガンダムの前をギャプランが通過していく。そして宙返りをしたギャプランがデルタガンダムの背後を取った。

「いいぞ。ロザミア撃つんだ」

 だがギャプランは撃つこと無くデルタガンダムと番の鳥のように並ぶ。

 先程のアムロのサイコアタックによる精神感応により2人は分かり合えたようであった。かつてのララァとの悲しい感応とは違い2人は分かり合い、間に合った。

「お兄ちゃん、何をすればいい?」

「まずは悪い人達を追っ払う」

「分かった」

 ギャプランはSFSに乗ったハイザックやアクトザクに攻撃を始めた。強化人間の乗ったTMAギャプランの機動力にSFSに乗ったハイザックやアクトザクは対応出来なかった。先程の逆の展開である。

「馬鹿な気が狂ったのかロザミア。これだから強化人間など信用出来ないんだ」

「それが人の心を弄くった者の言い草か」

「なに!?」

 いきなりの裏切りに動揺したブラウ少佐の隙を突いてデルタガンダムの機首がアッシマーの喉元に突き刺さった。

「うがあああああああああああああああああああああああ」

「これが報いと知れっ」

 デルタガンダムはアッシマーの首を切り飛ばした。流石Z系変形の機首のシールドの堅さは逸品、これぞ本来の使い方と言うばかりだ。

 バランスを失いくるくる回転しながら落下するアッシマーを部下のSFSに乗ったハイザックが受け止めた。

「少佐大丈夫ですか」

「駄目がアッシマーはもう動かん」

「少佐、少佐どうすれば」

「退却だ」

 ブラウ少佐達は退却を始めた。

「良し今のうちだ。スードリーとアウドムラに部隊を撤収させて脱出するぞ」

 

 離脱し暫く護衛をしていたギャプランとデルタガンダムがアウドムラの格納庫に着艦した。

「アムロ!!!」

「おっと小言は後だ」

 デルタガンダムのコクピットから降りたアムロに眉毛を逆立てたクワトロが早速詰め寄る。背も高く美形のクワトロが怒ると凄みがあって怖いのだがアムロは慣れているのか軽くいなす。

「僕はこれから地上で仕事をする為に降りてきたんだ」

「あの放送か?」

「そうだ。ジャブローで目が覚めた、もっと積極的に動く」

「分かった陽動も兼ねて地上で暴れてやろう」

「頼む。来るべき日に備えて本格的に地上に根が欲しい」

「私にカラバを乗っ取れというのか」

「君が総大将になるならハヤトも喜んで担ぎ上げてくれるさ」

 側に来ていたハヤトも頷く。

「・・・」

「分かっているそういう約束だ。ならハヤトを手伝ってやってくれ」

「了解だ」

 クワトロの表に立たない気持ちも分かるアムロは強制はしない。

 

「お兄ちゃん私は?」

「妹?」

 アムロに甘えるロザミアにカミーユは訝しげな顔をする。

「ロザミアは弟のカミーユの面倒を見てくれ」

「弟?」

 カミーユは益々不可解になる。

「お父さんの言うこともよく聞くんだぞ」

 アムロはハヤトの肩を叩きながら言う。

「おい、同年代だぞ。なんでお前はお兄ちゃんで俺はお父さんなんだよ」

 ハヤトが抗議する。

「貫禄の差だ。やはり独身とは違う」

「カミーユ、ロザミアに優しくしてやってくれ」

 アムロはカミーユに囁く。

「そんなこと俺がしないといけないんですか」

「彼女は強化人間だ。頼む」

「分かりました」

 カミーユは頷くのであった。

 

 その後、多少の打ち合わせをするとアムロはギャプランで出掛けていくのであった。

 

 

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