「みんな良く集まってくれた、リーダーとしてまずは感謝する」
アウドムラの格納庫に集まった大勢の兵士達を前にし壇上に立ったアムロは頭を下げた。
「NTを危険視した連邦に暗殺され掛け、地下に落ち延び数年。腐敗する連邦を闇から見ているだけだった。
一年戦争に勝利した連邦はその傲りから腐りきり、その先兵としてティターンズを生み出し力による弾圧を始めた。
人類の革新は潰され世界は一部の特権階級に牛耳られスペースノイドは食い物にされ地球は蝕まれ続けるものと絶望したときもあった。
だが俺の演説を聴き怒りの闘志を燃え上がらせた同志がこれだけ集まってくれた。
同志を前にして俺は希望を取り戻した。
まだ世界は救える。
連邦は確かに巨大な敵で打倒は容易ではないだろう。
だが正義の怒りを滾らせた同志がこれだけ集まってくれたんだ、決して夢物語じゃ無い。
巨大な敵を討つぞ。
人類の革新を」
「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ」」」」
アムロは拳を振り上げると集まった兵士達は拳を振り上げアウドムラを震わす雄叫びを上げた。
「連邦に我等が怒りを示す為、ニューギニア基地攻略作戦を開始する。
同志諸君の奮闘を期待する、解散」
ニューギニア基地はNT研究所及び兵器工廠、何より宇宙へ出るマスドライバーを持つ重要拠点だ。
ここを落とすことで今までのように所在地不明のゲリラ的軍から拠点を持つ軍へと変貌し規模はまだ及ばないとはいえ連邦と互する軍として独り立ちを始めるのである。
それが分かっているのか、解散となりそれぞれの持ち場に戻っていく兵士のどの顔も生き生きと未来を信じたいい顔をしていた。
そんな中アムロに話し掛ける少女がいた。
「アムロさん、演説感動しました。私戦いは嫌いだけど、守る為に戦わなければ成らないときがあると思ってます」
金髪の少女の瞳はアムロへの憧れで輝いていた。
「そうかありがとう。未来を守る為に共に戦おう。
え~とっ」
「私はベルトーチカ・イルマです。あなたを支えて見せます」
「僕が怠けたら遠慮無く尻を叩いてくれ」
「はい」
ベルトーチカは笑顔で返事をすると持ち場に戻っていき、入れ替わるようにクワトロが来る。
「アムロ、私はスードリに戻るが今回は総大将に徹してくれぐれも前線には出るなよ。
前線の指揮は私が執る」
「分かってるよ。お小言はもう沢山だよ」
「本当か?」
「本当だとも、今回は新たなる同志の力も見定めたいしな」
グラサンのしたからグッとアムロの目を覗き込むクワトロにアムロは平然とした態度で言うが、それでもクワトロは信じられないのかずっと傍に黙って控えてマウアーにクワトロは話し掛ける。
「えっとマウアー少尉だったかな」
「はい」
マウアーは軍人らしくハキハキと返事する。
「君は副官だったな。くれぐれもアムロを前線に出させるなよ。大将は後方で座っていればいい」
「椅子を磨くのに専念するほど俺はまだ年を取ってないぜ」
「こんな馬鹿なこと言う奴は殴る許可を与えるから、絶対に止めろよ」
「はい、アムロを守る為に私はいるものと理解している」
「そうか」
マウアーの気迫にちょっとたじろぎクワトロも信じたのか、スードリに戻っていく。
「マウアー、僕はそんなに信用無いかな?」
「少なくても僕呼びの時は信用出来ませんね。先程も鼻の下を伸ばしていたようですし」
マウアーは忠実な副官にあるまじき態度でアムロを軽く睨む。
「そういうなよ。ONOFFを使い分けてこそ大人だ」
「でしたら作戦は始まってますのでONにして貰えると助かります」
「はいはい」
ガルーダ級アルドムラ、スードリ及び元地球連邦軍海軍所属空母デナリはニューギニア基地防空圏に迫るのであった。