deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

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第28話 窮地

 百式・ガンダムmkⅡを搭載した輸送シャトルはマスドライバーにより宇宙に打ち上がった。シャトルは順調に成層圏を抜け宇宙に到達。ここでエゥーゴより迎えの艦とランデブーする予定であった。

 成層圏を抜けセンサーが復活する前にアムロが動いた。

「総員戦闘配置。クワトロとカミーユは直ぐにMSに搭乗しろ」

 操縦席にいたアムロが後ろの客室にいるクワトロとカミーユに指令を出す。

「どういうことですかアムロさんって、ミノフスキー粒子が戦闘濃度で散布されて居るぞ」

「あそこを見ろ」

 事態が呑み込めず慌てるシャトルのパイロットにアムロが宇宙の一点を指差し、閃光が輝く。

「何だあの閃光は」

「爆発の閃光だな。前方で戦闘が始まっている」

 アムロはNT能力で戦場に満ちる殺気を察し動いたのだ。

 これが人間が宇宙に上がることで開花した能力、ミノフスキー粒子下ではレーダーを超える能力である。

「この戦闘が我々と無関係と思うか?」

「迎えの艦」

「そういう事だ」

「なら逃げるべきでは? この船では戦力にならないぞ」

 アムロ同様コクピットにいたマウアーがアムロに進言する。アムロはリーダーであり失う訳にはいかない人材である以上、参謀として真っ当な意見である。

「味方を見捨てれば人は付いてこなくなる。それに逃げたところで逃げ切れるものじゃない。だったら戦力がある内に戦うべきだ」

「了解しました」

 マウアーはアムロの感情論で無い合理的な判断に納得した。

「クワトロ、情報が漏れたようだ前方で戦闘が始まっている。援護してやってくれ」

『了解だ。クワトロ出る』

『カミーユ、続きます』

 シャトルのカーゴハッチが開き百式とガンダムmkⅡがまずは一旦ゆっくりとシャトルから離れる。その後でバーニアを吹かし加速していく。カタパルトがない以上しょうがないが推進剤を消耗することになる。

 このシャトルでは補給が出来ない以上、事実上一回限りの出撃になる。

「よし。此方も警戒しつつ前に行くぞ」

「了解。レーザー砲暖めておきます」

「いい気配りだ。頼りにしているぞ」

 アムロはさり気なく先程のフォローをマウアーに入れておくのであった。

 

 百式が閃光のあった地点に近付くと、炎上するサラミスと必死に抵抗するジムⅡ一機。そして止めを刺そうとするガブスレイ二機が確認出来た。

 情報漏洩もそうだが、アムロの出迎えにサラミス一隻だというのか。

 クワトロは内心憤りながらも冷静に指示を出す。

「カミーユ、援護するぞ」

「はい」

 百式とガンダムmkⅡがガブスレイに襲い掛かる。だが敵は新型の上に手練れのようでジムⅡを見切り、素早く獲物を百式の方に切り替えて襲い掛かってくる。

「本命が来たぞジェリド」

「ああカクリコン。こっちに回されたときには外されたかと思ったが、シロッコは嘘をつかなかったようだな」

「このガブスレイなら向こうのMSより性能は上だ。パワーで一気に押すぞ」

「任せろ」

 自信溢れるジェリド達、そしてその自信通りに早くも百式とガンダムmkⅡは劣勢に追い込まれた。百式はティターンズの戦線を支えるハイザック相手なら十分に高性能だが採算度外視としか思えない一品物に近い最新鋭機相手では息切れが始まっている。

「私を舐めないで頂こう」

 クワトロは百式のウリである高い運動性を活かしてガブスレイの攻撃をいなすことで拮抗に持ち込む。

 

「酷いな」

 アムロは一目見てサラミスが轟沈間近であることで察した。そしてNTの素養がある者が居ることを祈りつつテレパシーを送る。

(生存者は脱出しろ、その船は沈む)

「シャトルをもっとサラミスに寄せろ。生存者を救出するんだ」

 アムロは現実でも指示を出す。

「了解。ジムⅡより、もう戦闘は出来ないが生存者の救出に注力すると通信」

「そうか」

「アムロあれで出撃は許可出来ませんよ」

 何処か残念そうなアムロにマウアーが釘を刺しておく。実際にジムⅡは推進剤は無くなる寸前、ビームライフルの残弾も残ってなかった。あと一分援軍が遅かったら撃沈されていただろう。

「クワトロ大尉に期待するしか無いな」

 

 だが戦況は互角に持っていくのがやっとという感じで追い払えそうも無い。そして技量に劣るカミーユはクワトロほど老練な戦いが出来ずガンダムmkⅡは追い込まれていく。

「あれは何だ? 敵の援軍じゃないか」

 ガラス越しに外を双眼鏡で監視していた者が近付いてくる光点を見付けた。ミノフスキー粒子下では古来の海戦のような監視がされている。

 味方は劣勢、敵には増援。アムロにはMSの一機とて無い。

 絶体絶命に追い込まれたアムロに秘策はあるか?

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