deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

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第29話 ラムアタック

「はっはっはっ、カミーユいい様だな。あの時殴られたカリを返してやるぜ」

 ジェリドの高笑いが止まらない。煮え湯を飲まされ続けたカミーユに溜まりに溜まった鬱憤を叩きつけるかのように、スラスターを破壊され動きが鈍くなったガンダムmkⅡに止めを刺そうとガブスレイがフェンダーライフルを構えたときだった。

「ジェリド後ろだ」

「何!?」

 カクリコンの警告にジェリドが後ろを見るといつの間に轟沈間近のサラミスが迫ってきていた。ジェリドは目の前のカミーユに夢中になりすぎて周囲の警戒が疎かになっていたようだ。プロに成り切れないジェリドの悪い癖である。

 射撃体勢に入って動きを止めてしまっていたが、それでもMS。ここからでも戦艦の突撃など余裕で躱せる。

「くそが」

 ジェリドは直ぐさま退避しようとするが、逃げようとする先にサラミスの火線が走る。

「なんだと?」

 ならばと違う方向に行こうとすれば待ち構えていたようにその先に火線が走る。

「馬鹿な!?」

 逃げようにも逃げる先を読むようにサラミスの主砲が放たれガブスレイは動けない。

 動けば自ら主砲の火線に突っ込むことになる。

 動けない。

 動けない。

 実際には逃げる先は無限にあり冷静になれば逃げられるのだが、2回ほど逃げ先を読まれたことでパニックを起こしジェリドは完全に足を止めてしまった。

 ゴンッ。

 動けないまま留まっていたジェリド・ガブスレイはサラミスに跳ね飛ばされた。

「うわわうわああああああああああああああああああああああああああああ」

「ジェリド~」

 跳ね飛ばされたジェリドをカクリコンが助ける為に追いかけていく。残りの推進剤を考えればガブスレイ二機は完全に戦場から脱落したと言っていい。

 

「よし、厄介な敵は追い払えた。

 このまま自動操艦。2分後に融合炉を暴走させて自沈させる」

「了解。コース良し、セット完了です」

 破壊された第一ブリッジで無く無事だった第二ブリッジにアムロとマウアーがいた。

 クワトロ達の劣勢を見て生存者の救出は部下に任せ、アムロとマウアー2人は破壊された装甲の裂け目からサラミスの第二ブリッジに侵入し艦を動かしたのだ。この時代自動化が進み操艦だけなら1人でも十分出来る。いつ誘爆するか分からないのでアムロは1人で操艦するつもりだったが、マウアーが譲らず付いて来たのだ。

 結果的にはおかげでアムロは砲撃に集中することが出来てジェリドの動きを読んだ砲撃で釘付けにしてサラミスでMSを跳ねるなんて離れ業を達成することが出来た。

「よし脱出するぞ」

「はい」

 アムロとマウアーは来た道を戻りサラミス装甲の裂け目から2人抱き合って外に飛び出す。

「そのなんだ。付いてきてくれてありがとう、嬉しかった」

「言っただろ。私がアムロを支えると」

 このまま救出されなければ宇宙を彷徨うミイラになるというのに2人は恋人のように甘い言葉を抱擁を交わしている。

「このまま2人で宇宙旅行も悪くないな」

「馬鹿なことを言ってるな」

「無粋だな。もう一分待てないのか」

 アムロはそのNT能力で自分達を見付けて近寄ってきたクワトロに言う。

「黙れ」

 クワトロ・百式がアムロ達を掌に収める。

「カミーユは?」

「ちゃんとシャトルに連れて行ったから安心しろ」

「そうか」

 そう言いつつアムロはサラミスが向かった先を見る。

 サラミスはプログラム通り援護に来たハイザック隊に突撃していく。そして迎撃するハイザック隊の目の前で融合炉は暴走して爆発するのであった。

 これでどの程度のダメージを与えたか分からないがジェリド達が後退したこともありハイザック隊はあっさりと後退していく。

 

「これで少しは時間が稼げるな」

「ああ」

 時間は稼げた。だがガンダムmkⅡは中破、頼みの百式も推進剤の残りが殆ど無い状態である。再度同じ規模の追撃を受けたら今度この全滅するだろう。

 アムロ達の危機は続く。

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