「例の件はどうなった?」
「マークしておいたティターンズのスパイに情報をリークしておきました。このルートからならあくまでティターンズが自力でキャッチしたものと思われ、怪しまれることは無いはずです」
「彼奴はやり過ぎた。
大人しくティターンズを牽制する番犬をやっていればいいものを、地球連邦自体に喧嘩を売るような猛犬は処分しないとな」
「我々と地球連邦は持ちつ持たれつ、適度な緊張を持った状態が一番ということですか」
「その通りだ。そういった意味ではティターンズの暴走はいい刺激になっている。おかげでスペースノイド側にも自衛の意識が高まった。
エゥーゴとティターンズで適度にじゃれ合ってくれていればいいのだよ」
「おっしゃる通りです。
ですが、このタイミングで排除して大丈夫なのでしょうか?」
「このタイミングしか無い。ここでまた活躍されたら、ますますカリスマ化し、愚民共の熱狂が抑えられなくなる。
地球連邦に正面から戦争を挑むなんぞ、ジオンの二の舞になるだけだとなぜ他の者は分からない。折角ここまで積み上げたものが全て失うことになる」
「しかしティターンズに月を占領されては、結局同じ事なのでは?」
「だからこそエゥーゴにはティターンズに対抗出来るように最大限援助している。指揮官も一年戦争の英雄のブライトという実力も実績もある人物を据えた、問題は無い」
「ブライトの指揮能力は疑いようは無いですが、それでもエゥーゴのカリスマ的パイロット3人を欠いて士気を保てるでしょうか?」
「その懸念は確かにある。だが結局のところフォンブラウンが落ちないに越したことはないが落ちたとしても問題は無いのだよ」
「それはどういう意味ですか」
「フォンブラウン市がティターンズの手に落ちたとしても、それは一時的なことに過ぎないということだ。
共存共栄と言っただろ、それは向こうも願っていること。借りを作ることになるが、地球連邦政府に働きかければいい。
ジャミトフも所詮は連邦の犬、主人には逆らえまい」
「ですがあの破落戸どもが大人しく従うでしょうか」
「多少はごねるだろうが、結局は金だよ。
金は剣より強し。
古来より人類を支配してきたのは金、経済だ。誰も金には逆らえない」
「・・・」
「汚いと思うか?
だがな私のやり方が結局スペースノイドにとって一番の利益になる。
暴力なんぞに頼らなくても地球から徐々に経済力を奪っていき、いずれはここが地球圏の中心となる。
急激な変革など経済に混乱を招くだけだ」
「深謀遠慮恐れ入りました」
「ふんっ。では我々の軍の戦いを観戦するとさせて貰うとしよう」