deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

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第31話 逃走

 シャトル内の部屋でアムロ達は助け出したサラミスの艦長から状況の説明を受けている。

「ティターンズのジャマイカンは月がエゥーゴのメインスポンサーであると見抜いてエゥーゴを兵糧攻めにするべくフォンブラウン市制圧作戦「アポロ作戦」を実行するつもりのようです」

 正確にはアナハイム。

 資金だけで無くエゥーゴ主力MSマラサイ供給に始まり次期フラッグシップMS Zガンダム、ZZガンダムの開発も請け負っている。現状アナハイムが潰されることはエゥーゴの即弱体化に繋がる。

 だがそんなことは公然の秘密の今更で、ただ宇宙産業を支え政界にも資金援助しているアナハイムに正面から喧嘩を売る馬鹿がいなかっただけのことである。

 どうやらジャマイカンはアムロの目論見以上に愚かだったのか、それを操るジャミトフが一枚上手だったのか。

「アレキサンドリアを旗艦としてデラーズの反乱以来の規模の艦隊を集結させつつあります。それと新造艦のドゴス・ギアに木星帰りの男を艦長として参戦させているとの情報もあります」

「シロッコがドゴス・ギアで参加しているというのは確かか?」

 アムロがサラミスの艦長に質問する。

「はい、かなり確度の高い情報です。シロッコはジャミトフに気に入られたようです」

「そうか」

 アムロはシロッコが裏切らなかったのが残念なのか手強い敵がいると思ったのか黙り込んでしまう。

「今のエゥーゴには荷が重いな。それでエゥーゴの迎撃態勢は?」

 クワトロがアムロに代わって質問する。

「アーガマ及び新造艦ラーディッシュを中心にサラミスで艦隊を組んで月衛生軌道上で迎え撃つ予定です」

「久方ぶりの大決戦だな」

「はい。状況は緊迫しておりサラミス一隻を此方に回すのが精一杯の状況なのです」

「そうか」

 確かにそんな状況下では今やエゥーゴの要のアーガマとブライトを戦線から引き抜いて回せる余裕はないだろうとクワトロはアムロの出迎えにアーガマが来なかった理由に納得した。

(そうなると何処で情報がリークしたのかが問題か)

 エゥーゴは寄り合い所帯に近く、連邦以上に一枚岩ではない。アムロのことを快く思っていない派閥も当然ある。

 調べてみる必要があるかとクワトロは思うのであった。

「ブライト中佐に大任を任されたというのにこんな事になってしまい申し訳ありませんでした」

 サラミスの艦長は腹でも切る勢いでその場に土下座して謝る。

 もしサラミスが健在なら、一隻とはいえティターンズ艦隊の後方を脅かす嫌がらせでエゥーゴを十分に援護することも出来た。だが撃沈されてしまい、もはやアムロやクワトロ、カミーユというエース級パイロットを完全に遊ばすことになっていまう。エゥーゴにとっては痛恨の痛手、サラミスの艦長も自分の失態の重さを感じているのだろう。

「気にするな。それよりもこれからどうするかだ。

 遠回りをして月に向かうか、どこかの近くのコロニーに逃げ込むか。

 どうするアムロ?」

 クワトロは考え込んでいるアムロに尋ねる。 

「もう間に合うような月へのルートはティターンズに封鎖されているだろう。MSの護衛もないこんな輸送シャトルじゃ突破なんか出来るわけがない。サイド1に向かおう」

 せめてMSが健在なら強行突破の目もあるが、現状ガンダムmkⅡ 中破。百式も推進剤の残りが心許ないこんな状況で俺がいれば戦えると思うほどアムロは慢心していない。

 月での戦いはブライトに任せるしかない。アムロは月での戦いの後を見据えて動く。

「当てはあるのか?」

「サイド1はエゥーゴよりだ。協力者も多い」

 そう言いつつもアムロはサイド1まで行くこともないだろうと思っている。

 この宙域を支配しているのはティターンズ、下手に通信を放てばティターンズに発見される。レーダーに察知されないようミノフスキー粒子の濃い宙域を進んでいくことになるだろう。普通なら援軍を期待出来る状況下ではない。

 だがそんな状況だからこそ助けが来てくれるとアムロは確信していた。

「我々はサイド1ザーンに向かう」

「了解です」

 リーダーの力強い決定にクルー達はキビキビと動き出すのであった。

 

 

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