バスクの使者としてきたエマ、そのエマから受け取った親書を前にブレックスは憤慨した。
「中尉はこの手紙の内容を知っているのかね」
あのブレックスをして激怒させる親書の内容は下劣極まりなかった。
カミーユの両親を人質にガンダムmkⅡを返せという脅迫だった。その場に居合わせたブレックス、ヘンケン、クワトロが怒り、エマは自らが所属する組織に疑念を抱く。その怒りは瞬く間に艦内に広まりカミーユの知るところとなった。
止めとばかりに、見せ付けるようにカミーユの母親を乗せたカプセルが漂ってくる。
仕方の無いことかも知れないが、少年はまたしても衝動のままに誰に相談することもなくガンダムmkⅡ 3号機で母を助けるため出撃してしまうのであった。
母を助けたい思いのままにカプセルに向かうカミーユ、あまりに実直すぎた。母を罵りながらも母を助けたいと伸ばした手、それを見ていたハイザック ジェリドがジャマイカンの命令を疑うこと無くそのままに遂行する。
「爆弾と共に消えて無くなれ」
ジェリドがザクマシンガン改の引き金を引く。
あまりに無防備にその身を晒しているカミーユ ガンダムmkⅡは棒立ちに近く、避けることも防ぐことも無くザクマシンガン改の砲弾が迫る。
「迂闊すぎるぞカミーユ、戦場では装甲越しに殺気を感じろ」
ハイザックの砲弾がガンダムmkⅡ諸共カプセルを砕こうとした瞬間、シールドを装備したジムⅡが割って入った。
「アムロさん」
「カミーユ、早くお母さんをアーガマに連れて行くんだ。
ここは僕に任せろ」
「っででもアムロさん、その機体で」
カミーユが見るジムⅡは、殆どの砲弾をシールドが防いだとはいえ防ぎきれなかった砲弾の一部はジムⅡの体で防いでいた。
「たかが装甲が少し削られただけだっ」
それ以上の問答を断ち切るようにジムⅡはハイザックに突撃していく。
「そんな旧式でハイザックに挑むつもりかっ」
ハイザックのザクマシンガン改が火を噴く。
「お前は何を撃とうとしたのか分かっているのかっ」
「なに!!?」
くるっと砲弾を避けると同時にジムⅡはシールドを投擲していた。
あわやコクピットを串刺しにする寸前咄嗟に左手でガード、命は助かったがハイザックの左腕は引き千切られた。
「くそっ。ぐわあああああああああああああああああああああああああああ」
助かったと思った一瞬の隙を突いて間合いを詰めたジムⅡの前蹴りがハイザックの頭部をサッカーボールにした。
「命だけは助けてやる。上司にカプセルの中身を聞いてこい。それでなお立ち塞がるなら容赦はしない」
「ぐわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ジェリドのハイザックはくるくる回りながら吹き飛んでいくのであった。
直ぐさま他のハイザックがジムⅡに襲い掛かろうとしたが、その瞬間から爆散していく。
「アムロ、君は自分がリーダーだと自覚しているのか」
「君には言われたくないが、ここは大人しくお小言に従うよ。後は頼む」
駆けつけてくれたクワトロ・リックディアスにアムロは素直に礼を言う。
「その為の私だ」
クワトロはアムロを守るように前に出、大人しくアーガマに帰還するジムⅡの横をエマ ガンダムmkⅡが通り過ぎていく。
「ブレックスさんは、無事解放したか。それでいい。ここでやり返したら、エゥーゴの大義が揺らぐ」
こうして母と子は無事再会することが出来たのであった。このこと自体は戦争の中大したことでは無いのかも知れない。
だが宇宙を哀しみで満たさないために戦うアムロにとっては意味のあることであった。