deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

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第42話 集う力 その1

 ザーンの独立宣言。かつてのジオン独立宣言の悪夢に今だ魘される連邦としては直ぐさま討伐軍を編成して来ると思われたが、そうはならなかった。

 月を制圧したティターンズ艦隊はまずは軍政に力を注がざるえず、戦闘と違いこれは一朝一夕で成し遂げられるものでは無かった。

 またティターンズ艦隊の数を補うべく各コロニー駐留軍から艦隊を引き抜く必要があったが、ザーンの独立宣言の影響で引き抜く部隊の思想調査やコロニー内の反乱分子調査に手間取ったのが原因であった。

 この与えられた猶与にアムロ達は対照的に動いていた。

 

 自由宇宙同盟軍、旗艦ジュピトリス。

 連邦の奇襲に対して即応できるようにサイド1外縁部に鎮座するこの船は騒然としていた。

「哨戒に出たボリノーク・サマーンが我が艦に接近する艦を確認。

 総員第二種警戒態勢。α小隊はスクランブル」

 オペレーターであるノエルは艦長の命令を待つことなく指示を出していく。明らかにオペレーターの権限を越えているが艦長不在時の指揮権は彼女にあった。オペレータがと思うかも知れないが自由宇宙同盟軍は設立したばかりの慌ただしさで艦長であるアムロの不在は多く、圧倒的に人材が不足していた。有能な人間を遊ばせている余裕は全くなかったのだ。

「ボリノーク・サマーンよりレーザー通信、艦種確認。我が艦に接近中の艦はペガサス級一番艦ペガサスです。

 α小隊はマニュアルに従い臨検を行って下さい」

 危険でもどかしいが此方から攻撃を仕掛けるわけには行かなかった。現に今までも自由宇宙同盟に加わりたいとサラミスやムサイ、果てはパブリクと各種艦種がやってきてその中には志を同じくする同志もいれば連邦の破壊工作の場合もあった。

 アークマラサイ3機で編成されたα小隊はペガサスに警戒しつつ近付いていく。

 アークマラサイはマラサイの高騰原因であるガンダリウムの使用を辞めヒルダ大尉が新たに開発したチタン合金セラミック複合材を採用し強度的に問題なくほぼマラサイと同等の性能のままコストをかなり抑えられたMSである。主にザーンにあるブッホ・コンツェルンの秘密工場で生産されていた。アムロは早い段階でアナハイムに依存することの危険性から脱却を図っていたようである。

「ノエル、何があった?」

 会議に出ていたアムロがブリッジに戻ってきた。

「ペガサスが接近、α小隊が臨検しています。

 あっボリノーク・サマーンよりレーザー通信。接近したペガサスはアムロ直属部隊の艦だと言ってます。艦長はルー・ルカと名乗っているようです。

 合い言葉は「すごい!こんな私を愛しちゃう!」だそうです」

「間違いなくルーだな。そうか、ルーは無事だったか良かった。

 アークマラサイは彼女を優しくエスコートしてさしあげろ」

 ほっとした様子のアムロが命令する。

「α小隊、警戒しつつペサガスをジュピトリスに誘導して下さい」

「ジュピトリスはお客さんのお迎えの準備だ」

「了解です。

 ジュピトリスはペガサスの接舷準備。えっ手が足りない。待機しているパイロットを借り出しても準備して下さい」

 ノエルがテキパキとアムロの指示を仰ぐことなく指示を出していくが、アムロは却って頼もしそうに頷く。

「後の仕切りはノエルに一任する。私は出迎えに行かせて貰うよ」

 アムロはさっさと出来る女に丸投げして物見遊山だ。

「了解です」

「なら私も同行します」

 アムロが席を立つと正式に副官となったマウアーも付いていくのであった。

 

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