deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

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第45話 ザーン戦役

 迫り来るティターンズ主導によるザーン討伐軍。それを迎え撃つ自由宇宙同盟軍第一陣はレパント級ミサイルフリゲート及びパブリクの艦隊であった。

 彼等は潜水艦のように静まり返って漆黒の宇宙に潜んでいた。

「ザク強行偵察型改よりレーザー通信。テキセマル、チョクエイキナシ」

 灯りは消され闇に包まれていたブリッジにオペレーターの声が響く。

「来たか。

 このスペースコロニーの命運を握る戦いの火蓋を切るのはMSじゃない、俺達雷撃戦隊だ。歴史に名を残すぞ野郎共」

「「「おっーーーー」」」

 数合わせに揃えられたかと思われたレパント級艦隊だが戦意は旺盛であり獰猛であった。レーザー通信を受けた各レパンド級のエンジンに一斉に火が灯り、群狼の如く突撃を開始するのであった。

 

「ジャマイカン中佐、敵レパント級多数此方に突撃してきます」

 前方に広がる漆黒の宇宙に突然多数の噴射口が輝き、ザーン討伐軍前軍の旗艦を務めるハリオのブリッジ内は慌ただしくなった。

 オペレーターは恐怖に駆られて報告する。

「なぜここまで近付かれるまで気付かなかった」

「完全にエンジンを切って潜んでいたようです」

 エンジンを切り艦内の灯り及びレーダーを切って前世紀の潜水艦のように潜む船をミノフスキーの影響下レーダー無しで見つけ出すのは困難であった。

 レパント級艦隊がこんな待ち伏せが出来たのも、ザーン討伐軍が数にものを言わせて工夫もなく進軍してきたので進路を読むのが至極簡単だったからである。これはティターンズとしては舐めていると言うより威風堂々と進軍した上で圧倒的勝利を掴むことで二度と歯向かわないようにスペースノイドの心をへし折る思惑が在ったからである。

「ちっこの無能が。敵MSは?」

 それでも索敵すら出していなかったのはジャマイカンの怠慢ではないのだろうか?

 この怠慢この増長、それでこそアムロが生かした意味がある。

「敵MSは確認されません」

「レパント級にMS搭載能力は無かったな」

「MS発進させますか?」

「準備だけでいい。待機させておけ。ここからでは敵本体には遠い。大方MS隊の推進剤を切らす為の捨て駒だろう、哀れだな。

 時代後れの雷撃艦隊など砲撃だけで片が付く。

 全艦に通達砲撃準備、有効射程に入り次第一斉射を行う」

 サラミス艦隊とレパント級艦隊が旧時代のように砲撃戦を行えば射程の差でジャマイカンの思惑通りサラミス艦隊が圧勝するだろう。

 

「もう直ぐ敵射程圏内に入ります。

 タイミング5,4,3」

「ミサイル斉射」

「斉射」

 ザーン討伐軍に迫っていたレパント級艦隊は敵艦隊の有効射程に入る直前に主力兵器のミサイルを一斉射した。

「よーーし、我が艦は180°ターン。ここから離脱する」

 威勢の良いことを言っていた割には間合い外からミサイルを一斉射して速攻で離脱を始めた。

 見ようによってはチキンそのものの行動。

 

「ジャマイカン中佐、ミサイル来ます」

「ふんっ。臆病者が。やはりMSを早めに出させるのが狙いだったか。

 メガ粒子砲一斉射ミサイルなど全て打ち落とせ」

 前軍艦隊からメガ粒子砲が一斉射され迫り来るミサイルのほぼ全てを打ち落とした。

 そして前方が黄金のベールに遮られた。

「ビーム攪乱膜です。実弾無し。敵ミサイルはビーム攪乱膜を散布する為だったようです」

「ふん愚かな。これでは向こうからも此方を攻撃できなくなるでは無いか。寧ろ進軍する我々としては有り難いじゃないか」

「pっパブリクです。レパント級に隠れていたパブリクが突撃してきます」

 ジャマイカンの余裕を打ち砕くようにオペレーターが叫ぶ。

「狼狽えるなっ。ミサイルで対応。パブリクの機動性ならミサイルで十分対応出来る。引きつけてから各個に応戦」

 ビーム攪乱膜に守られてパブリク突撃艇はザーン討伐軍前軍に迫る。そしてビーム攪乱膜を抜けるか抜けないかの内にパブリクはミサイルをザーンと討伐軍前軍に一斉射を行った。

「大型ミサイル多数接近」

「はんっそんな遠間から撃ったミサイルなど恐れるな。落ち着いて打ち落とせ」

 ザーン討伐軍前軍の各艦が各個に応戦、迫り来るミサイルは全て打ち落とされた。

 そして宇宙が白煙に包まれた。

「チャフ及び煙幕。視界七割減、レーダーも効きません」

 目視戦闘の宇宙世紀の戦いにおいて視界を遮られることは戦闘不能を意味していた。

「だからどうした。条件は敵も同じだ。あちらもこちらが見えない」

 ジャマイカンにはまだ余裕があった。

「なっなんだ。通信途絶、光学モニター異常。

 ミノフスキー粒子が異常なまでに濃度が上がっています」

 艦橋に設置されていた大型スクリーンにノイズが走り出す。

「うっうううう狼狽えるな。前軍全速前進この宙域を抜け出せ」

 

 パブリクに続いていたGファイター高濃度ミノフスキー粒子散布型が煙幕に隠れザーン討伐軍前軍に切り込んだのだ。

 Gファイター高濃度ミノフスキー粒子散布型はGファイターの中部にMSでなく高濃度ミノフスキー粒子散布ブロックを挟んだタイプである。これにより通常の散布より早く高濃度にミノフスキー粒子をばらまける。

 そしてここまで高濃度になると光学系にすら影響を及ぼす。GファイターはMSと違いキャノピーなので何とかなっている。

 煙幕で肉眼を封じられ、チャフと高濃度ミノフスキーでレーダーは完全に死に、更には光学モニターを封じられた。

 これによりザーン討伐軍前軍は目も耳も封じられ暗闇に手探りで進むが如し。

 このタイミングであの男が動き出す。

「ユニコーン部隊、敵に突撃を開始する。

 くれぐれも敵に同情するな。叩けるだけ敵を叩け。

 これからの三分で命運が決する」

 アムロ率いるユニコーン部隊。

 アムロ/ガンダムmkⅢ

 ジュドー/デンドロニウム改

 カミーユ/メッサーラ

 ロザミア/ジオング三号機改

 ルー/Zガンダム

 マウアー/パラスアテネ

 いずれも一騎当千ニュータイプ。

 それが今盲目となったザーン討伐軍前軍に牙を剥く。

 

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