deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

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第51話 善戦

「ラムサス、ダンケル。左右から回り込め。此奴は狩り甲斐があるぞ」

 ヤザン/ギャプランがユウ/百式と正面から対峙している内に左右からギャプランが回り込もうとする。

 これがヤザンの戦闘狂でありながら軍人である手強さ。タイマンに拘るかと思えばチーム戦で攻撃を仕掛けてくる。

「オラオラ」

 ヤザンは攻撃を当てるよりユウの動きを制限するようにビームをユウの進む先に放っていく。腕が互角に近いだけにユウも無理にヤザンを仕留めに行けば撃墜されるので、ここは素直にヤザンの攻撃を躱すしかなく躱す内に鳥籠に閉じ込められたように動きが制限される。

「貰ったぞ」

 ヤザンがユウの動きを止め、ラムサスが狙い澄ました狙撃を仕掛けようと狙いを定める。その動きが止まった瞬間を狙って砲撃が加えられた。

「くっ」

 咄嗟に躱して直撃は避けたが左腕のバインダーが吹っ飛んだ。そこにマラサイが斬りかかってくる。

「ラムサス」

 ヤザンがフォローしようとするが今度はユウがヤザンの邪魔をする。

「大尉俺がフォローします」

 ヤザンがラムサスの援護に行けるようにユウに攻撃を仕掛けようとしたダンケルに再度砲撃が襲い掛かる。

「くっ」

 警戒していたからかダンケルは余裕を持って避けられたがヤザンから離れてしまう。

「どこだっ!?」

 捉えた砲撃の先を見ればそこにはマラサイキヤノンがいた。マラサイキヤノンから次々に砲撃がおこなわれダンケルはどんどん引き離されていく。その間に援軍が絶たれたラムサスをマラサイが確実に追い詰めていく。

 ヤザン隊を上回る連携であった。

「此方を上回る連携、誰だ」

「はっ、こちとら一年戦争からのチームだぜ、若造とは年季が違うんだよ」

 フィリップであった。フィリップもまた戦友のユウの呼び掛けに答え自由宇宙同盟軍に参加していたのだ。マラサイキヤノンはサマナである。

 地獄の一年戦争を生き延びたモルモット小隊再びある。

「ユウ。安心しな。他の奴らはちゃんとエスコートしてやったぜ」

 フィリップの言う通り、ユウがヤザンを抑えている間にフィリップ達の先導で主力のMS部隊は左軍MS部隊の戦線を突破し艦隊の懐に潜り込んでいた。

 その為艦隊の直近でMSによる乱戦が発生し艦隊は迂闊な艦砲射撃が出来なくなり機能不全、MS戦の流れ弾や合間に打たれる攻撃で次々に被弾していく。

「うおっまずい。だが此奴を放っておく訳にはいかない。ジェリドは何をしているか」

 ヤザンがここを離れればもっと厄介なユウが艦隊に取り付いてしまう。ヤザンはユウのマークを外すわけにはいかない。だがそれはユウも同じ。ユウもまたヤザンを艦隊の援護に行かせるわけにはいかないのである。

 だからこそここで第2のコマが重要になる。

 そのジェリドだが。

「ええい、なぜ抜けない」

 ジェリド/ガブスレイは艦砲やボールを掻い潜り自由宇宙同盟軍第一艦隊の懐に潜り込むまであと一歩というところでフルアーマーガンダムmkⅡに阻止されていた。

 最新鋭機のガブスレイのパワーで圧倒しようと攻撃を仕掛ける。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

 ガブスレイはビームライフルを連射するがフルアーマーガンダムmkⅡは見切って最小限度の動きで躱しつつ、間合いを止めていく。

「なぜ当たらない!?」

 ジェリドの焦りを見抜いたように牽制のバルカンがフルアーマーガンダムmkⅡから放たれる。

 ズババババババババババババババ、咄嗟にメインカメラは腕でガードしたがバルカンで装甲がベコボコに歪んでいく。

 そして間合いに入るやいなやビームサーベルで斬りかかる。これにはジェリドも反応して飛び上がって躱すと同時に脚部の部分変形をおこないクローがフルアーマーガンダムの肩に食い込む。

「捕らえたぞ」

 ジェリドがクローに力を込めればぽろっと装甲が剥がれ、ガブスレイは前につんのめってしまう。

 そしてその隙を見逃さずアーマーをパージしたガンダムmkⅡのオーバーヘッドシュートが炸裂しガブスレイは蹴り飛ばされた。

「くそーーーーーーーーーーーーーーーー」

 蹴り飛ばされるジェリドをガンダムmkⅡは追わない。艦隊を守護することに徹して残りのMS隊の牽制を始める。

 守護神ガンダムmkⅡの活躍により自由宇宙同盟軍第一軍は陣形を保持しままザーン討伐軍左軍に艦砲射撃を加えていく。

「後退だ、後退。MS隊は敵MS隊を抑えろ。その間に艦隊は後退して体勢を立て直す」

 ガディはこのままではジリ貧だと見切りを付け一時撤退を始める。

 

 ザーン討伐軍は左軍右軍共に寡兵の自由宇宙同盟軍に翻弄されている。だがこの状況下で高笑いをする男がいた。

「ぐはっはっは、よくやったぞ。これで後軍は邪魔されることなくサイドに進軍できる」

 バスクであった。

 見ようによっては寡兵でザーン討伐軍右軍左軍を足止めして検討していると言えるが、本来なら各個撃破を狙ったが失敗し逆に足止めを喰らっているとも言える。

 ザーン討伐軍の後軍はフリー、目の前にはザーンへの進軍ルートがぽっかりと空いている。後軍だけでも十分ザーンを蹂躙できる戦力はありバスクでなくても笑いが止まらないだろう。

 後軍は中央進軍ルートを悠々と進むのであった。

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