deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

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第52話 ワルキューレ隊

「くっくっく、シロッコ、わたしのためのお膳立てご苦労だったな」

 形的にはシロッコが囮となってやっかいなユニコーン部隊を引き受け、ここは任せて先に行けと言う王道展開。

 バスク率いるザーン討伐軍後軍は戦闘無く悠々と進むかと思われたが意外なところで前進が鈍る。

 壊滅した前軍である。

「ええい邪魔だっ。邪魔にならないように脇に避けろと伝えろ」

「了解です」

 バスクは壊滅し救難信号を出している前軍に対して救助するどころか邪魔だと言い切る。

 味方を一切心見ない後軍であったが、大破した艦などは凶悪なデブリと化し後軍の足はどうしても鈍りバスクの苛立ちは募っていく。

「前方に敵発見。ジュピトリスです」

「何?」

 足が鈍った後軍だが味方の教訓から奇襲を警戒し索敵は怠らなかったようで、前方に待ち構えるジュピトリスを見つけたのであった。

「ジュピトリスの周りに護衛艦数隻確認」

「どこに配置されているかと思えばそこにいたか」

 バスクは前方にぽつんといるジュピトリスに罠を疑う。だがすぐにこれだけ緻密な作戦を決行するには統括する指揮官の存在が不可欠であり、戦場を見渡すにはそこのポジションしかないと推察する。

 そういえばシロッコのやつが取り戻したがっていたな。バスクはライバルであるシロッコに恩を売るいい機会だと思う。

「MS隊及び陸戦隊発進させジュピトリスを奪還しろ。それとまた奇襲が予想されるMS隊に直衛させろ」

 バスクはそれでも油断はしない。敵を侮ることなく直衛機を出して警戒させる。

 

「ザーン討伐軍、後軍来ます」

 ノエルの報告にフアンが動く。

「来たか。

 各個撃破は叶わなかったか」

 アムロ達が右軍を足止めし、全力の第一軍が左軍を壊滅させ直様後軍の左を突くという最も都合のいいプランAは叶わなかった。

 現状アムロ達は足止めには成功しているがそれだけ、レイヤー率いる第一軍もカディ率いる左軍の粘り強い抵抗にあい膠着状態。いや寧ろ数もMSの質も劣る自由宇宙同盟軍はよくやっていると言える。前軍がうまく行き過ぎたのだ。ひとえにジャマイカンのおかげと言っていい。

 フアンはとうとう自分も命を張るときだと覚悟を決めた。

「プランC発動。

 大丈夫だ未だ想定内。フレデリカ艦長に連絡、今よりジュピトリスはトライデントの発射シークエンスに入る」

 それでもプランBくらいにはならなかったかな~と残念に思うフアン。

「了解」

「今からの三分間で宇宙世紀のこれからの歴史が決まる。

 絶対にジュピトリスに敵を近づけるな」

 

 女だからお飾りの配置かと思ったけど、結果的には一番の激戦区になったわね。これもあなたの予想通りかしらアムロ。

 フレデリカは暫し思いに耽ったあと顔を引き締め発令する。

「ジュピトリスを中心に輪形陣展開」

「了解」

 ジュピトリスの護衛に付いていたペガサス及びサラミスがもはや息を潜める必要はないと活動的にジュピトリスを守るように陣形を整えていく。

「ワルキュレー隊発進」

「了解。

 クリス、百式発進します」

 ペガサスのハッチが開き、シルバーに塗装された百式が発進。

「ケーラ、続きます」

「カレン、行くぜ」

「アスナ、行きます」

「エル、行くわ」

 隊長のクリスに続き、シルバーに塗装された百式が次々にペガサスから発艦していく。

「いい、これは防衛戦だ。ジュピトリスをなんとしても守れ」

「「「了解」」」

 彼女達はその名の通り戦士をヴァルハラに誘う死神となるかヴァルハラに集う戦士を鼓舞する勝利の女神となるか。

 サラミスからも護衛のMS部隊が発艦していく。

 ジムキャノン、ガンキャノンⅡ、量産型ガンキャノンと防衛を意識したMSが多い。そんな中、黄金に輝くエルメス、ザクレロなどが確認される。

 必死の防衛陣を展開する遊撃部隊に乙女に喰らいつく餓狼の如き後軍MS部隊が襲いかかる。

 

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