deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

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第58話 キリマンジャロ降下作戦承認

 グリプスを攻略したブライト率いるエゥーゴ艦隊は自由宇宙同盟に合流後自由宇宙同盟軍に編制される形で解散となった。

 自由宇宙同盟軍とエゥーゴの軍の再編成が行われている中、今後の方針を決めるためジュピトリス内会議室で幹部会議が行われることになった。

「ジオンの亡霊が迫ってきている」

 アムロは幹部が勢揃いする会議の席上で極秘情報を伝える。

「木星圏に逃げたジオン残党が地球圏に侵攻を仕掛けてくるということですか?」

 コウが質問してくる。

 それまで全く実戦経験がなく名が知られていないことになっていた彼だったが、彼はザーン会戦で第一軍艦隊を守りきり名を挙げていた。

「目的は現状不明だが、今地球圏は荒れている。我々と地球連邦、自らの存在感を示すには絶好のチャンスだ」

「ジオンが連邦と組むっていうのか?」

「それはないだろ。ジオンにとって地球連邦は不倶戴天の敵だぞ」

 コンスタンティンが皮肉交じりに言えば、常識人のレイヤーが否定する。

「精々俺たちに高く身を売る程度でしょう。同盟を組む条件でサイド3の譲渡くらいは要求してくるかもな」

 ケネスが現実的な予想を言う。

 彼等の認識は間違っていない。地球圏に残ったジオン残党軍は打倒地球連邦を掲げ何年もの間必死の抵抗活動を続けている。地球連邦と組むというのはそんな彼等を裏切るにも等しい。

「これも極秘情報だが、ハマーンはそういう事が出来る女らしい」

 アムロの発言に一瞬会議室が静まり返る。

「その情報はどこから?」

「アクシズにいたことがある元ジオン軍の高官からだ」

 この言葉に会議室の誰もがある男の顔を浮かべたが、その男は顔色一つ変えることは無かった。

「では具体的に対応はどうされるのですか?

 ハマーンという女狐が連邦と我等を天秤に掛けるというなら、此方も何か対価を用意しておかないと」

「そんな女と組むことなんかない、身が汚れる。

 まとめて叩き潰せばいい」

 フアンの言葉にコウが過剰に反応して過激なことを言う。何が彼の逆鱗に触れたのか?

「それができれば理想ですが、正直言いますと先の戦闘で自由宇宙同盟の戦力は大きく低下しています。ジュピトリスのトライデントで睨みを効かせているのと、コロニーの反乱を恐れて地球連邦も直ぐに大軍を編成できないので時間を稼げてますが、アクシズが向こうに付くとなると事態が一気に動く、下手をすれば一気に追い込まれる可能性もあります」

 フアンがコウを宥めるように現実的なことを言う。

「だからといって女狐なんかと組んだら、せっかくの理想が汚される」

 コウは納得がいってないようだ。

「それはどうかな。仮に向こうに付いたとしても我等の存在が無くなれば次は自分達だと分かっているだろう。地球連邦を倒す力を付けるまでは馴れ合いになるとみるが」

 クワトロがまるでハマーンのことをよく知るように自身の予想を言う。

「ますます汚い女狐じゃないか」

「なるほど。なかなかに狡知ですな」

 コウは机を叩いて怒りを顕にするが、他の幹部はクワトロの予想に納得がいったようである。

「コウ、君のその潔癖さは好ましいよ。だからこそくすぶっている君をスカウトした」

「アムロさん」

「だが悲しいことに理想を押し通せるほど我らもまだ強くない。そこは我慢してくれ」

「はい、アムロさんがそう言うなら」

「みんなも思うところが色々あるのは分かる。

 それでだ、我等の力が健在なことを示すためにキリマンジャロ攻略作戦を実行しようと思う」

「なるほど、我等の力を示して交渉を有利に進めようってのか」

「カラバ主体の地上軍はニューギニア基地を落として勢いもあるし、再編も終わっている。

 可能だと思います」

 コンスタンティンとフアンが前向きの意見を言う。

「反対は無いようだな」

「総帥、確認したいことがあります」

「なんだい」

 ここでジュピトリスを守りきり存在感を増したワルキューレ隊隊長クリスが口を開いた。

「総帥は作戦に参加しませんよね」

「・・・」

「まさかZに乗って真っ先に敵陣に降下するなんて言いませんよね」

「上が先頭に立たないと誰も付いてこない」

「総帥が真っ先に撃墜されたお笑い軍隊として後世に名が残ります。

 マウアー。

 ちゃんとそのバカを作戦中は拘束しておきなさいよ」

「はい」

「えっ」

 最近アムロよりクリスの命令を優先するようになったマウアーであった。

「降下作戦の艦隊司令はブライト提督。降下部隊の隊長はクワトロ少佐でよろしいでしょうか?」

「了解した」

「分かった。やってみせよう」

「いやクワトロ少佐にはアクシズの対応に当たってもらい、作戦の陣頭指揮は総帥である俺が・・・」

「そういう仕事こそ総帥の仕事なのでは?」

「アムロ、たまには部下を信じろ」

「アムロさん任せてください。期待に答えてみせます」

「俺は留守番か?」

「あんたがさっさと艦隊の再編成をしなさい」

 こうしてアムロをおいて会議は終わったのであった。

 

 

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