「これがティターンズがやったことだ」
アムロが連れて来たコロニー内には風が吹きすさび、町のそこらかしこにミイラが転がっていた。皆普段通りの服装をしていることから逃げる猶与すらなかったようである。
ティターンズはコロニー内に毒ガスを注入しコロニー内の住民を老若男女区別無く全て虐殺、赤児を抱えたままの母親のミイラすらあった。
「っここんことを」
「嘘だろっ」
「・・・」
ヒルダは腰を抜かしカミーユは怒りを燃やしフランクリンは無言。その衝撃の光景を見てビダン親子の反応はそれぞれであった。
「許せないっ」
エマは自身が所属する組織の悪行に怒りを露わにしていた。
アムロは信頼に足る人物か見極めるためにティターンズが行った虐殺の光景を見せたのだ。
「そこの彼女、君はどう思うかな?」
「ちっ、分かっていたのか」
建物の物陰から此方を伺っていた連邦の女性士官ライラが銃を抜き姿を表した。彼女はコロニーに潜入するアムロ達の跡を付けてきていたのだ。
「君だって正義に燃えて連邦の軍人になったはずだ。このティターンズの悪行を見て何とも思わないのか?」
「わっわたしは・・・」
「君に正義に燃える闘志があるならエゥーゴに参加しないか?」
「私がエゥーゴにだって」
「敵は強大だ、同士は1人でも欲しい。まして優秀なパイロットなら尚更だ」
「簡単に言ってくれるね」
「難しく考えることはない。ここにいるエマ中尉だって自分の良心に従ってエゥーゴに参加することを決めてくれた」
「ティターンズが許せないのは分かった。だがエゥーゴに参加するかは別の話だ。連邦軍人としてティターンズを正す道だってある。
正義の心は格好いいが、泥船に乗るつもりはないよ」
「なら力を示せばいいのかな?」
「やってみな。コロニーの外で待つ」
ライラはそのまま振り返り走り去っていった。
「なら僕達も帰ろう。カミーユ達のエスコートはクワトロ大尉頼む」
「分かったと言いたいところだが、アムロはもしかして一騎討ちをするつもりか」
クワトロは怒りを滲ませて言う。
「リーダー自らスカウトするのは弱小組織の定めだよ。
フランクリン大尉、あなたが作ったガンダムmkⅡの成果を見るがいい」
「技術者冥利だな」
「作った物が正しく使われればもっと冥利でしょ」
アムロ・ガンダムmkⅡがコロニーの外に出ると、一機のガルバルディβが待ち受けていた。
「正々堂々一騎討ちだ」
「いいね。今夜一杯やりたくなるいい女ぶりだ」
「それは嬉しいね。私を誘いたかったら勝ってみるんだね」
ライラはアムロを撃墜すればいいが、アムロはライラを生かしたまま無力化しなくてならない。手練れのライラ相手にはかなりのハンデ、下手すればアムロがやられる可能性もある。
「然うさせて貰う。開始の合図はどうする?」
「互いに背を向けてコロニーの外周を一周しよう、出会ったときが開始の合図だ」
「分かった」
ガンダムmkⅡとガルバルディβ、互いの信念を賭けた戦いが始まった。