deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

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第62話 プレゼント

「宇宙人が攻めてきたぞ~」

「アッシマー隊、上がれ~」

 ダカール基地は自由宇宙同盟軍の奇襲に混乱に陥っていた。

 つい先程まで苦戦しているようならキリマンジャロに応援に行くかも知れないと言われていたのに、いざ蓋を開ければ自分達が奇襲を受けたのだ。

 それでも軍人、訓練通りに迎撃プログラムを遂行していく。

 アッシマーが一機、また一機と準備が出来たものから上がっていく。迎撃は時間との勝負、編隊の準備が整ってから一斉に離陸とはいかない。1秒でも早く上に上がり、敵が大気圏投入から大気圏内戦闘態勢に移る前に叩くのだ。

 先陣を切るのは三機ほどのアッシマー。

「いいか、敵は首都直上から奇襲を掛けたつもりだろうが大気圏突入時こそもっとも無防備になる。我々は訓練通り機械的にバリュートを迎撃する」

「隊長それは」

「宇宙人に情けを掛けるな。ここで情けを掛ければ街が火に包まれることになるんだぞ」

 無抵抗の敵を一方的に殺戮することに忌避感を示した部下を隊長は一喝する。

「そうだぜ。降下ポイントをズラしておけば迎撃されることはなかったんだ。宇宙人共は奇策に頼って墓穴を掘ったんだよ」

「そうだ。地上部隊との連携のない降下作戦など無謀だと教えてやるんだ。二度と試みる奴が出ないようにな」

「はっ」

「隊長、見えました」

「よし。落下コースを計算して迎撃だ」

 落下予想ポイントにビームを打ち込むだけの簡単な仕事。

「宇宙人共、目にもの見せて・・・。隊長っこっこれは宇宙人共が開発したという地球侵略MS Zガンダム!!!」

「降下からシームレスに此方への戦闘機動に変わりまし、ぎゃっあああああああああああああああああああああああああ」

「キカザーーーーーーーーーーー」

 機首を此方に向けたZから放たれたビームにより、狩る側のつもりで無警戒で迎撃しようとしていたアッシマーの一機が爆散した。

「くそっ空戦だ。味方が上がってくるまでの時間を稼ぐぞ」

「はっ」

 残ったアッシマー二機はZガンダム部隊に勇敢にも向かって行く。ミサイル時代到来で廃れた空の格闘戦だがミノフスキー粒子時代において蘇る。そして空の格闘戦は上を取った方が圧倒的に有利になる。大気圏突入時の不利を有利に変えたのがZガンダム。そんなこと分かっているがダカールを守る戦士として逃げるわけには行かなかった。

 愛する地球を宇宙人から守る戦士の誇りを胸にZガンダム部隊に挑むのであった。

 

「敵の先陣の排除終了」

 ルー/Zが放ったビームがアッシマーを貫く。

「よし。このまま降下して敵の後続のアッシマーを叩くぞ。降下部隊の安全を確保するのが俺達の役目だ」

「まっかせてくれよカミーユさん」

「調子に乗るなよジュドー。ルー、フォローしてやれよ」

「まっかせなさいな」

「よし、全機降下」

 Zガンダム部隊は降下部隊迎撃のため逐次上がってくるアッシマーの掃討のため降下していくのであった。

 

「バリュート、パージ」

 バリュートが切り離されパラシュートを纏ったガルバルディβ改が表れ一旦減速する。その周りでも次々とアークマラサイがバリュートをパージしていく。地球降下部隊が的になる危険が時間なのだが、各機危なげなく悠々と陣形を整えていく。

「この時点で攻撃がないってことはカミーユ達はいい仕事をしたってことだね」

「アッシマーは厄介でしたからね」

 バリュートから切り離した直後のMSは堅い速い強いアッシマーにとってカモ以外の何者でも無い。ライラもこの時点で数機は撃墜されることを覚悟していた。それが被弾ゼロで作戦行動に移れるなんてライラにとって嬉しい誤算だった。

「よし、まずはダカール基地に熱いプレゼントだ」

 アークマラサイの足や肩にマウントされたミサイルポッドから対地ミサイルが一斉に放たれダカール基地に襲い掛かる。

 雨霰と降り注ぐミサイルの迎撃にダカール基地の防空設備は総動員となった。

「良し今のうちだ。各機散開。指定ポイントの制圧を行え。

 いいか野郎共、小娘に笑われたくなかったらドジるんじゃないよ」

「「「了解」」」

 ルーは可愛くパイロットの間でも人気があるが、若さ故の恐れの無さで無様を晒せば、遠慮無く蔑むのは容易に想像出来る。ある意味ライラに叱責されるより男心を剔る。各パイロット達に気合いがこもった。

 ミサイルの雨でダカール基地の防空能力を一時的に麻痺させている間にアークマラサイ部隊はダカールの要所にキビキビと降下していくのであった。

 

 ドーーーーーーーーーーーーン

 近くで爆弾でも炸裂したのか議事堂が地震があったかのように揺れた。

「外はどうなっているんだ?」

「避難した方がいいじゃ無いか」

「そっそうだな」

 議場にいる議員達は不安に駆られ外に避難しようとしたが、行動に移す前に議場の入口が外から開かれ武装した陸戦隊が乱入してきた。

「なっ何だお前達はっ」

「ここは神聖な議場だぞ、暴力を持ち込むな」

 議員達は一斉に乱入してきた兵士を非難し、その兵士達の真ん中が割れ1人の男が舞台俳優のように悠々と出てくる。

「無粋は許して欲しい地球連邦議員の皆さん」

「あっアムロ・レイ」

 自由宇宙同盟の総大将が自ら乗り込んできたことに議員達は言葉を失う。

「なっ何しに来た。我々は暴力には屈しないぞ」

 骨のある議員の1人がアムロに吼える。

「それは素晴らしいが、そう言う貴方達はこの地球から宙を支配できると勘違いしている。

 今日はそんなお互いの不幸を呼ぶ勘違いを正そうと思ってきました」

「なっなんだと」

「僕から貴方達に宇宙旅行をプレゼントしましょう」

「なっなに!?」

「議員の皆さんを案内しろ」

 陸戦隊は連邦議員を手早く拘束し連行していくのであった。

 

 

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