「予備のMS隊を全て向かわせろ」
「たった一機に全機ですか」
オペレーターが驚いたように聞き返す。
「馬鹿者あれが一機だとなぜ思う。囮に決まっているだろ、正面は押しているんだ。今後方を攪乱されるわけにはいかない」
「流石歴戦の名将ジャマイカン提督」
傍に控えていた参謀が感心したように言う。
「了解です。
MS隊全機発艦して下さい。目標後方から接近してくる未確認MS」
ティターンズ・連邦艦隊からハイザック、バーザムの予備部隊が発艦されていく。
「数々の戦場を渡り歩き生き残ってきたティターンズ屈指の歴戦の名将。
彼が討たれれば連邦の将兵に与える影響は計り知れない。
そろそろ収穫させて貰おう」
向かってくる数十機のMSを見てアムロに恐れはない。
ZZガンダム。
かつてのRX-78の伝説を再来を目指して一機で千騎を相手することを目的としたガンダム。
それに今アムロが乗っている。
「まずは機動性だ」
向かってくる敵に向かってZZガンダムは減速するどころか加速した。
「凄いぞ」
この加速敵の予想以上で敵が迎撃陣形を整える前に間合いに入り込む。
「次は攻撃力」
あたふたと攻撃をしようとするハイザック部隊の中央目掛けてダブルビームライフルが火を噴く。
極太のビームがハイザック部隊をまとめて吹き飛ばしていく。
「なるほど、かつてのガンダムのように性能は一線を画す。
やはりガンダムに求められるのはこの圧倒力」
ダブルビームで開いた穴にZZガンダムは飛び込んだ。こうなると同士討ちを恐れて包囲をしていてもZZガンダムに一斉攻撃は出来なくなる。
「敵MS、MS部隊を突破してきます」
「馬鹿なMS隊は何をやっているんだっ。艦砲射撃だ、艦砲射撃で応戦しろ」
「味方に当たってしまいます」
「構わん。避けてくれる。それより敵MSを接近させるな、ここで我が艦が撃沈されたら総崩れになるぞ」
「了解です。艦砲射撃で応戦開始」
連邦・ティターンズ艦隊から艦砲射撃が来るが、そんなものに当たるアムロではない。可哀想に包囲していたハイザックやバーザムばかりが撃沈されていく。
「私が育てた名将の退場だ出来るだけ壮大に見送って上げよう」
グーーンと艦砲射撃を避けてジャマイカンの乗る旗艦の後方に回り込んだZZガンダムの額が光り輝き出す。
「なっなんだ。あの輝きは」
その台詞を最後に旗艦ごとジャマイカンは光に包まれた。
「クワトロ少佐、敵艦隊の後方で何か輝いてます」
「分かっている。全機ついて来いあの馬鹿を連れ戻す」
「私は」
「ハマーンはこの場を頼む。こんな事を頼めるのはお前だけだ」
「はい❤ 任せてくれ」
この後、目がハートになったハマーンが鬼神の如き強さでクワトロの抜けた穴を埋めるのであった。
「なるほど、ハイメガキャノンを撃った後は動かなくなるのか。これは要改善だな」
動かなくなったZZガンダムを警戒するように生き残ったMS部隊が囲み出す。
「こうなると動くのはこの口だけか。
父親をやると決めたんだ。ミネバを泣かせるわけにはいかないな」
アムロは意識を集中させるのであった。
『聞けっ。連邦の将兵よ。
君隊を率いた名将ジャマイカンはこのアムロが討ち取った。これ以上の戦闘は無意味である。大人しく降伏しろ。捕虜として最低限の扱いはこのアムロが保障する』
連邦・ティターンズ艦隊の将兵の頭にNT能力を全開にしたアムロの声が直接流れる。これだけでも将兵は恐慌状態に陥った。
『言っておくが月は既に陥落した。君達が帰るべき場所はもうない。それに君達も同じスペースノイド。本来は同志であるべきなのだ。君達が望むなら自由宇宙同盟軍に迎え入れてもいい。
だがどうしても重力に魂がひかれた者達に従うというなら、このアムロがこの場で処断する。
3分待つ。聡明な回答を待つ』
3分もあればZZも復帰するだろうとアムロはコクピット内で慌てることなく待つのであった。