「くたばりなっ」
パープル百式は加速を乗せたビームサーベルの斬撃を放つがヤザン/ハンブラビも負けじとビームサーベルで受け止める。
「あたしの一撃を受け止めるなんざ、いい気迫じゃないか」
「お前こそいい踏み込みだ」
パープル百式は弾かれた勢いのままにさっと離脱。追撃にハンブラビはビームライフルを放つがパープル百式はビュンビュンとバッタの如く宇宙を跳ね回り躱していく。
「ちょこまかと」
ハンブラビが追いかけようとしたタイミングでパープル百式はハンブラビに向かって跳ね返り、カウンターのビーム斉射。
「おおっ」
辛うじて躱したハンブラビが反撃をしようと思ったときにはもういない。
「速い。どこだ!?」
「ヒットアンドアウェーは海賊殺法の基本さね」
後方に回り込んでいたパープル百式が止めとばかりにハンブラビの背後にビーム連射。
「俺を甘く見るな」
ハンブラビはさっと変形しぎゅるんと回転離脱。今度はハンブラビがパープル百式の背後に回り込み、クローの一撃。
「そっちこそ海賊を甘く見るんじゃないよ」
百式はムーバブルフーレムの真骨頂。プロの空手家のように滑らかな動きで無駄のない動きで後ろ回し蹴りを放つ。
クローと蹴りが激突し、両雄一旦離れていく。
「いいぞ。お前も狩り甲斐がある獲物だ。
いくぞ海賊」
「はっ、デートしたきゃ身なりを整えてから来な山賊。
あたしゃ面食いなんだよ」
勝負仕切り直しと行こうとしたハンブラビを明後日の方向から強力なメガ粒子砲が襲い掛かる。
「うおっ。どこからだ?」
NTでもないのに野生の勘で死角からの一撃をヤザンは躱した。そして捕らえたその先からジオング改が迫ってくる。
「アムロは私が守る。
行くよロザミア」
「うんお兄ちゃんを守るよ」
治療で離脱したはずのフォウとロザミアの強化人間コンビだ。
記憶を戻し精神を安定化させる治療のためNT能力は落ちているはずなのにアムロの危機を感じ取りシーマに無理を言って出撃してきたのだ。
「二人は治療中のはずだぞ。
なぜ連れてきたシーマ」
周りの雑魚狩りをしていたアムロが二人を察知してシーマに詰問する。
「五月蠅い男だね。
彼女達は守られるだけの子供じゃない、立派な女さ。惚れた男の為なら命だって懸けるさね。
止められないよ」
「しかし」
「それに二人で分担してるんだ。負荷は半減、攻撃力は倍増ってね」
あながちシーマが言うこともでたらめじゃない。操縦はフォウに任せ攻撃のみに専念するロザミアが操る両手が四方八方からメガ粒子砲を果敢連続にヤザンに浴びせかける。凄まじい精度のビーム攻撃の密度だが、ヤザンは避ける。辛うじてだが避ける。本当にNTじゃないのか?
「ぐおおおお、これじゃ海賊狩りを楽しむどころではないな。此奴に抜かれたら艦隊全滅まであるぞ。
仕方ない遊びはここまでか。
ラムサス、ダンケル、まだ動けるな」
「「はっ」」
二人とも撃墜はされてない中破した機体をテクニックで稼働させ、並みの一般兵より速い起動を見せる。
「艦隊の撤退を援護するぞ」
「「了解です」」
ハンブラビ3機は一転して積極的な攻撃は控えビームライフルによる牽制射撃に徹しだした。
元より戦術規模のジャマイカンの失態を覆せるとは思ってない。これ以上の戦力消耗を避けるために遊軍の撤退支援こそ本来の任務なのだ。
「どうする若大将。あの野獣生かしておくと厄介だぞ」
「此方も追撃するだけの余力は無い。
月を取ったんだ、これ無理して欲を出す必要は無い」
「そうだな。お目付役がいないのをいいことにこんな無理栗な作戦を実行したんだ、これ以上の無理はしない方がいいさね」
「棘がないか?」
「あたしはあんたの無茶を諦めているけど、他の子はどうかね。
あたしはフォローしないよ」
「冷たいな~、まあどうせ怒られるならもっと無茶をしても同じか。
パンドラの箱の手掛かりを掴んだぞ」
「そうか。ならあたしの出番だな。
奪うのは海賊の仕事さ」
「物騒だな。まずは交渉だよ」
こうして月での戦いは終息に向かって行くのであった。
この戦いに勝利したことにより、サイド3-月-サイド1と勢力圏は結ばれ、アムロはついに月という衛星すらの掌握した男になった。
地球 vs 月 戦いは更に激化していくことが予想される中アムロは次の一手に動き出すのであった。