「月の帝王が私に何のようかな?
わざわざマーサを介さなくても招待してくれれば応じましたよ」
「そうですか、もっと早く言ってくれれば良かったのに。貴方を探し出すのは苦労しましたよ。妹さんがいなかったら招待状すら出せなかった」
「それはすいませんでしたな。これでも人見知りですので」
ビスト財団TOPとなれば命を狙う者は雲霞の如き。その居場所はトップシークレット、簡単に割り出せるものじゃない。
「まあこうして会えたので良しとしましょう」
「そうですね。
それでお互い忙しい身だ。腹の探り合いは無しでいきましょう」
「それでは、人類革新のために貴方が欲しい」
「へ?」
カーディアスは予想外の言葉を聞いたようで実業界で鍛えたポーカーフェイスが崩れ呆けた顔を一瞬見せた。
「ARe計画のためには12機のゾディアックガンダムとAH、そして12人のニュータイプ。12人のニュータイプを見出すのも大変ですが計画を実行するための肝心の技術開発が終わっていない。特にそれらの計画を実行するための要としてサイコフレームが難航していて、今はおもちゃのようなバイオセンサー程度。
正直これらの計画を進めつつ、自由宇宙同盟軍の総帥もしなくては成らない。なのにのんびりしている時間は無い。
流石に目の前に敵が迫ってきている中総帥業は疎かに出来ない。っとなると他の仕事を誰かに任せるしか無いでしょう。
カーディアス、あなたならこれらの計画を託せる」
「アムロ・レイ。貴方は何を目指している」
ポーカーフェイスを取り戻したカーディアスが重々しく尋ねる。
「えっ最初から嘘偽り隠しごと無く言っている通りです。
全人類の革新です」
「お前は全人類をNTにするなんて夢物語を目指してこんな戦争を起こしたと言うのか?」
カーディアスは激昂して席を立ち上がった。
「みんな最初はそう言う。
ですが説明をしたらシャアもフラナガンもブッホも分かってくれてニルヴァーナの同志になってくれましたよ」
「なら私にも説明してくれるのでしょうな」
「勿論。ですが聞いた以上は同志になって貰います。拒否権はありません」
「なら最初から私に拒否権はないと言うことだったんだな」
ここまで聞いて聞かずに帰れるような男では無い。
「大丈夫。貴方は納得します。そして計画のために命を懸けてくれます。
俺の目に狂いは無いつもりです」
「そうか。
だが意外だったなてっきりラプラスの箱を求めていると思っていたが」
「あんな大昔の石碑が何になります。多少連邦を動揺させる程度でしょう。まあ有利になるなら利用はしますけどね。
ですがあんなものより貴方の方が俺には必要です」
「随分と期待されたものだ。
ではARe計画とやらの内容を聞きましょう」
その日、ビスト財団は自由宇宙同盟軍への協力を表明、カーディアスはニルヴァーナの同志となるのであった。