「くっく、アムロ。NT最強といわれるお前を倒して私が真の天才だと証明してみせる」
突き詰めればこれである。シロッコはどうしても己の力を見せ付けなければ気が済まない男。仮にガンダムファイトが開催されなくてもなんだかんだでアムロとの一騎討ちを望んだであろう。ガンダムファイトはそういった手間を省いただけとも言える。
「そういうところが子供なんだよ。シロッコ」
「貴様こそ増長しすぎでは無いか。そんなMSで私のジオ・オーベロンと対等に戦えると思っているのか」
「ふっシロッコ、目が曇ったか」
韋駄天ガンダムとジオ・オーベロンはサラミスから発艦すると決められた所定の場所に着く。そこはラッキーパンチで決着が付かないように配慮された双方ビームライフルが届かないほど離れた位置であった。
両者が配置に着いたところでサラミスから開始の合図を告げる信号弾が上がり、ここに第一回ガンダムファイトの幕が切って落とされた。
「さあ、第一回ガンダムファイト開始だーーーーーーーーーーーー」
ジオ・オーベロンは王者のような風格で所定の位置から動くこと無くビームライフルを構え、まずはアムロの出方を伺う。
対称的に韋駄天ガンダムは小細工はいらないとスラスター全開でジオ・オーベロンに向かって行く。
デブリを利用したりしない。何も無い空間を一直線に向かって行く。
「奇襲のつもりかアムロ」
シロッコは焦らず正確にアムロを捉えビームライフルを三連射。
NTのシロッコが未来位置を割り出し放った三連射、下手に避ければ自らビームに当たりに行くことになる。だが韋駄天ガンダムは更に加速しつつ、跳ね回るように軌道を変えてシロッコの予測を超えていく。
「なっなんだと!? 普通のMSの機動性じゃ無い。
だが修正は終わった」
シロッコは舐めていた韋駄天ガンダムの機動性の上方修正を行い、正確に狙った一発を避けた韋駄天ガンダムが取りうる回避パターンを無数に予測し、そこから尤も可能性が高い位置10ポイントに斉射。
普通のパイロットで避けきれる者は居ない必殺の10連コンボ。
「韋駄天の名は伊達じゃ無いんだよ」
更に更に加速を増していく、それはまるで無限に加速が出来るかの如く、惑星間航行すら可能かと思わせるほど。
白き流星と化した韋駄天ガンダムはシロッコを予測を超え弾幕を回潜り、ジオ・オーベロンの懐に潜り込み、一閃がジオ・オーベロンを切り裂くのであった。
「なっなんと。開始数秒で決着かーーーーーーーーーーーーー。
流石は我等がアムロ総帥だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
「やっぱりあのMSエプシィガンダム。アナハイムは完成させていたのか?」
ノエルは絶頂しリミアは静かに呟くのであった。