deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

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第81話 暗い闇

「ふんっ茶番は終わったか」

 元サイド5の宙域は戦後半ば放棄された状態でコロニーの残骸が無数に漂っている。そのデブリを全て検査するなど不可能で、その無数の残骸に風船で偽装したMS部隊が息を潜めていた。

 ホーカーはガンダムファイトの情報を入手するやいなやバスクの庇護の下設立したナイトロ部隊をデブリに紛れさせていたのだ。

「今なら奴らは疲弊している。我等の敵ではない全機発進」

 ナイトロ部隊隊長ジャームス大尉の号令の下、デブリに隠れていたガブスレイ部隊が一斉にデブリに擬態していた風船を割って姿を表した。

「短期決戦だ。

 帰りは考えるな。人類の命運この一戦に有り。

 全機ナイトロ起動」

「「「「起動、蒼き清浄なる世界のために」」」」

 ガブスレイ部隊から青き炎が沸き上がる。

 ホーカーに選ばれ洗脳されたパイロット達は躊躇うこと無くナイトロを起動させアムロに向かって突撃していくのであった。

 

「ブライト提督敵です。デブリに紛れて接近してきた模様」

「このタイミングを狙っていたな。だが数はそんなに多くは無い、近くのMS隊を急行させて阻止させろ。アムロには護衛と代えのMSを至急持っていけ。あんな決闘用のMSではアムロでも危ないぞ」

「了解です」

「アーガマはこの場で待機。いいかあれが敵の陽動である可能性が高い。引き続き全方位に警戒を怠るな」

 歴戦の戦士であるブライトだけに少数でのカミカゼアタックが本命で無いと判断し、それは至極まっとうな判断であった。故に全軍で当たらせるような具は犯さなかったが、その堅実さが仇になる。

 

 直ちに近場にいたアークマラサイ部隊が急行する。

「はっ速い」

 阻止に動いたアークマラサイ部隊の攻撃を難なく躱し、逆に確実なカウンターでアークマラサイを撃破していく。

「おのれっ」

 部隊長である百式がナイトロ部隊に追い付き斬りかかるが、その一撃をガブスレイは余裕で受け止め返す刀で百式を切り裂く。

「たったいちょううううううううううううううううううううう」

 隊長機を一瞬で失いアークマラサイ部隊は動揺し統制が乱れる。その隙にナイトロ部隊は立ち塞がったアークマラサイ隊の防衛ラインを一気に抜けてしまう。

「雑魚には構うな。我等の狙いはNTのみ。NTを滅ぼさなければ我等はいずれ滅ぼされる。我等が子供達のために我等は礎となる」

「そんなことはない」

 いち早くただの特攻部隊で無いと見抜いた、ブルー百式/ユウ、ガンダムmkⅡ/コウ、ガルバルディβ/ライラがナイトロ部隊の前に立ち塞がる。

 流石自由宇宙同盟軍の精鋭だけあって弾幕を躱して接近してきたナイトロと互角に切り結ぶ。

「お前達はそれだけの腕を持っていてなぜバケモノの犬に成り下がる」

「お前こそなぜアムロさんの人類の革新の邪魔をする」

 アムロに心酔するコウが反論する。

「NTが人類の革新なものかっ。

 人の心が覗ける。そんなバケモノを人間だと認められるかっ。

 人類は所詮薄汚いのだよ。心が読まれる恐怖に耐えられる人間などいない。

 そしてその恐怖は人類全体に疑心暗鬼を蔓延させ人類は滅びる。生き残るのはバケモノのNTだけだ」

「人はそこまで愚かじゃ無い」

「はっ女に裏切られたお前が言えた義理かっ」

 心が剔られる一瞬の隙にコウをすり抜ける。

「残念だが今ここでお前と議論する気はない。三機残って足止めしろ」

 ユウ達エース相手に足止めとしてたったの三機残して残りのナイトロ部隊は更にアムロの喉元へ迫っていくのであった。

 

「やはり来たか。人類の革新を恐れる奴らめ」

 かつて自分を暗殺しようとした因縁の組織「ブルーコスモス」の刺客にアムロも闘志を燃やす。

 韋駄天ガンダムのエネルギー残量は十分だが、機体のフレームが悲鳴を上げている。流石のアムロでもナイトロ部隊相手では危ないかも知れない。だがやるしかない。アムロがシロッコを後ろに庇いナイトロ部隊に挑もうとしたときだった。

「アムロここは私にお任せを。

 こんな事もあろうかと策は用意しておきました。

 ヤザン」

 

「はいはい。やっと出番かよ。

 お前達の戦いを見て暴れたくてうずうずしてたぜ」

 同じくでデブリに潜んでいたハンブラビ部隊がナイトロ部隊の横っ腹に強襲する。

 シロッコが決闘に勝利後、必ずバスクなどがちょっかいを出してくると読んでいて用意しておいたのである。

「さあ、アムロ。ここは私に任せて今のうちに退避して下さい」

「悪いがそれは聞けないな」

「私が信用できませんか」

「お前を失うわけにはいかないからだよ。シロッコお前こそ人類革新計画の要。

 ここは俺が抑えるからお前はアーガマまで先に退避しろ」

「そこまで私を必要としてくれているのですか?」

 シロッコが涙ぐむ。

「ハイハイハイ、男同士でいちゃつくのはそこまでです。

 美少女パイロットルー・ルカ参上」

 ルーはZに乗りガンダムmkⅢを牽引してきたのであった。

「ナイスだ。ルーはシロッコを護衛してアーガマまで下がれ」

「えっちょっと私貴方を助けに来たんですけど」

「総帥命令だ」

 逃げようにも誰かがここでナイトロ部隊の足止めをしないといけないのである。シロッコにさせるわけにはいかず、ルーではナイトロを相手できても一機、部隊相手では力不足とアムロは判断した。何より女を死なす気はないアムロ。

「そんなこと言っても後でブライトさんとかブライトさんとかに怒られる。ついでにマウアーさんにも」

「穴埋めはしてやる」

「ホントですよ~約束ですよ。チェックしていた高級レストランとかあるんですけど」

「早く行け」

 ここぞとばかりに甘えるルーを一喝する。

「アムロ私は・・・」

「大丈夫だ。お前ほどの天才に勝った俺が他の者に負けるわけ無いだろ」

「そうですね。了解しました。

 小娘、アーガマでは無く私の旗艦まで護衛しろ。私も待機させておいたメッサーラで出る」

「あーーもーー男共が勝手ばかり言う」

 ルーはそれでもシロッコを護衛して後ろに退避していくのであった。

「頼むぞルー。

 ではガンダムmkⅢ、アムロ出る」

 アムロはスラスター全開でナイトロ部隊に突撃していくのであった。

 

「総帥が敵部隊に突撃していきます」

「なんだとっ、総帥なのに突撃する馬鹿がいるかっ。ルーは何をやっているんだ。後で修正してやる。

 誰でもいいアムロの援護に速攻で行かせろっ」

「了解です」

「ふっふっふアムロめこの胃の痛み、倍返ししてやる」

 ブライトは胃薬を飲みながら暗く呟くのであった。

 

 

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