「ぐおっやるじゃないか」
手練れのヤザンであったが命燃やすナイトロ部隊は一筋縄ではいかなかった。
「お前達は一対一では挑むな、これは死兵だ。まともに相手をするだけ馬鹿を見るぞ」
ヤザンが野獣の本能でナイトロの本質を見抜き部下達に指示を出す。
(カミカゼ部隊なんぞ適当にいなしてやりたいが、守る者があるときはそうもいかないか) ヤザンは部下にはまともに相手をしないように命じつつも自分はナイトロ部隊の行く手を塞ぐように動く。
まともに相手をしたくないが後ろにいる者を守るのが任務である以上ヤザンに他の選択肢は無く、任務を放棄したら自分はただの人殺しに落ちてしまう。
ヤザンにとってそれが最後の一線、結果ナイトロ部隊の猛攻を一人で受け持つような結果になる。
「うおおおっこれは死ぬか」
ヤザンでもナイトロ部隊の攻撃は捌ききれない。
「野獣の通り名の割には部下には優しいのだな」
アムロがヤザンに通信してきた。
「これはこれは総帥様では無いですか。さっさと逃げてくれれば自分も楽なんですがね」
「私が逃げたらあの部隊は手当たり次第暴れるだろう。余計な被害は出したくない。
それよりいい作戦がある」
「そんなものがあるならさっさとして欲しいものですな」
(戦闘狂との噂だが、任務には忠実か。そうで無ければシロッコが重用しないか)
アムロは僅かな会話でヤザンを見定めた。
「君を信じよう。
今から私が敵部隊の前に出る。君は部隊を率いて敵の背後を付け。
大丈夫敵の狙いは私だ。絶対にこの餌には食いつく」
「あんた正気か?」
「正気で全人類の革新なんかやってられるか」
「はっあんたシロッコ以上に面白い。乗ってやるよ。
精々敵を引きつけて下さいよ」
「任せろ」
アムロ/ガンダムmkⅢがナイトロ部隊の前に堂々と表れた。
罠と思ってもターゲットが目の前に表れた以上ナイトロ部隊に迷いは無い。ナイトロ部隊全機は一斉にガンダムmkⅢに向かって行く。
「頼むぞガンダムmkⅢ。トップクラスのその運動性能を俺に見せてみろ」
ナイトロ部隊は羊に襲い掛かる狼の群れの如く襲い掛かるが、獲物がただの大人しい羊じゃ無いことをナイトロ部隊は思い知るのであった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお、人類のために」
死兵と成ってガンダムmkⅢに襲い掛かる。
防御を捨て
私欲を捨て
命を投げ打った一撃。
ひらり。
ガンダムmkⅢは闘牛士の如く攻撃を躱した。
「子供達のためにーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ひょい。
ガブスレイの特攻攻撃を躱す。まともに相手をしない。
「バケモノが。
全機単独で攻撃するな連携を取れ」
ガブスレイが上下左右から攻撃を仕掛ける。
「所詮強いだけの死兵。連携が甘い」
ガンダムmkⅢはガブスレイの連係攻撃の拙いところを見抜いて包囲をあっさりと抜ける。
「これがNT。我々人類は淘汰されるしかないと言うのか」
アムロに攻撃を仕掛けて躱される度に発生する隙を突かれて背後からハンムラビの攻撃で一機また一機と撃墜されていく。
「そうさ地球の重力に引かれ古い業に囚われた人類は俺が全て駆逐する」
アムロが動揺を付いてナイトロ部隊の隊長機を撃破した。
これで流れが一気に変わった。
程なく増援も来たこともあってナイトロ部隊は全滅した。
これで地球連邦はアムロを討ち果たす千載一遇最後のチャンスを逃したことになり、この後時代は一気に加速するのであった。