deZire ガンダム   作:コトナガレ ガク

83 / 87
第83話 動き出した刻

 アムロとシロッコの一騎討ちから表向き宇宙には静けさが戻っていた。

 度重なる敗戦と切り札のナイトロ部隊を失ったことにより、流石の連邦も攻勢に出る体力は無く部隊の再建に注力していた。本来ならこの隙を突いて攻勢に出そうであった自由宇宙同盟もあれから不気味なほど沈黙を守っていた。

 これに対して連邦軍上層部には自由宇宙同盟こそ度重なる戦闘で兵力が尽きたに違いない、今こそ反転攻勢に出るべきだという意見もあったが、連邦の体質かやはり再建に注力すべきだという意見に流され攻勢に出ることはなかった。

 

 戦線が膠着して三ヶ月、ついに静寂は破られた。

 連邦より先に自由宇宙同盟が動いたのだ。

 この一報に連邦本部に緊急が走った。

 12機のゾディアックガンダムと12隻のエンジェルと名付けられたラビアンローズ並みの大きさの蕾状の艦エンジェル級を中核とした艦隊が地球に向けて進撃を開始。

 判明している中核を為すゾディアックガンダムのコードネームは以下の通り。

 サジタリアスガンダム/アムロ

 スコーピオンガンダム/シャア

 カプリコーン/カミーユ

 レオ/ジュドー

 ピスケス/ルー

 アリエス/シロッコ

 ジェミニ/ハマーン

 ヴァルゴ/フォウ

 タウラス/ロザミア

 アクエリアス/アスナ

 ライブラ/マウアー

 キャンサー/サラ

 

 ゾディアックガンダムにはシロッコとナナイが共同で開発したサイコフレームによってムーバブルフレームが構築されているらしい。サイコフレームの詳細は不明だがバイオセンサーとは比較にならない精神感応性を見せると推測されている。

 またゾディアックガンダム一機につき一隻随伴するエンジェル級は移動時には蕾状だが作戦時には蕾が花開きパラボナアンテナ状になり、ゾディアックガンダムから何かを受信し共振倍増して照射すると推測されている。

 以上が連邦が掴んだ新兵器の情報である。

 表面的な動きはなかったが連邦、自由宇宙同盟両者ともスパイや政治的駆け引きは水面下で激しく行われていたのである。

 また極秘情報だがアムロが自由宇宙同盟を隠れ蓑に秘密結社を組織しているらしい事も掴んでいた。ただ残念なことにその目的までは掴んでなかった。

 

 月から飛び立った自由宇宙同盟のゾディアック艦隊は連邦支配下のサイドではなく地球の赤道上を目指していることがその進路から推測された。

 この動きに対して地球連邦軍上層部は困惑した。

「あれの軍事的意図は何だ?」

「現状推測できません。

 なぜ赤道上を目指しているか理解出来ません。降下部隊もないようですし」

「地上のカラバはどうなっている?」

「現在動きはありません。

 キリマンジャロ、ニューギニア共に沈黙」

「連携も無しか。

 コロニーや隕石落としをするでもなし、示威行為にしては大規模過ぎるが、地上の占領を行うには小さすぎる」

「もしや赤道上から核ミサイルを撃つつもりか?」

「まさか、そんなことをすればスペースノイドの支持も失います」

「だが奴は人類は宇宙に上げるべきだと主張しているぞ」

「それでも地球を死の惑星にするような狂人ではないことは今までのプロファイルで分かっています。

 あれはギレンような強攻策が取れるほどの非情さはないです」

「ではあの軍事行動にどんな意味があるというのだ? あれだけの軍事行動に意味が無いということはない」

「惑わされるな。奴らが何を意図していようと我等が庭で好き勝手させるわけにはいかない」

「確かに、阻止してしまえば良いだけのこと。

 動ける部隊はあるか?」

「ルナ2に再建が終わっているティターンズの艦隊があります」

「あの失態続きの無能共か」

 かつてはエリートとして威張り散らしていたティターンズだが度重なる敗戦で連邦内での地位を失いつつあった。

「それだけに必死に働きますよ。一当てするには丁度良い部隊かと」

「そうだな。

 良しルナ2のバスクに命じて迎撃に向かわせろ」

「了解」

 こうしてついに動き出したゾディアック艦隊に対してティターンズ艦隊が迎撃に出ることになった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。