実力至上主義の学校でも計算していたい!   作:ひよこのたまご

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第3話

学校3日目。俺は坂柳さんとチェスをするために、ケヤキモールに来ていた。時間は指定してなかったけどもういるだろうか?

 

あ、いた。

 

「こんにちは坂柳さん。早いね」

「いえ時間は決めてませんでしたからご心配なく。では早速やりましょう」

「うんそれはいいんだけど、隣の人はいいの?」

 

坂柳さんの隣には不機嫌そうな女の子が付き添っていた。A組の人かな。

 

「この方は神室真澄さんです。一緒にいるだけですから、お気になさらず。」

「そ、そう。じゃやろうか」

「ええ」

 

僕はいいんだけど暇じゃないんだろうか?まあいいか。

じゃんけんの結果、先攻は坂柳さんとなった。将棋やオセロにはあまり有利不利はないが、チェスに関しては、先行の方が有利になると言われている。まあ気にせずにやろう。坂柳さん強いのかな?

 

 

 

 

 

 

 

...強っ

坂柳さんびっくりするくらい強い。これ普通にこのままだと負ける。まずい、女子にカッコ悪い所は見せたくない。しかし油断していたので、既に状況は不利だ。ここから逆転する一手は何だ?考えろ考えろ考えろ。

 

 

 

 

 

 

(負けた...)

負けてしまった。結構追い上げたと思うんだが、坂柳さんは全く隙がなかった。本気でやったし、すごい悔しい。ふと周りを見てみると日が沈みかけていた。もうそろそろ帰らないとな。

 

「志村君強いですね。私も油断していたら負けていました」

「いやいや坂柳さんこそ。結構チェス得意なんだけど、及ばなかったよ。久しぶりにどっぷり集中できた。ありがとう」

「いえこちらこそ。またしたいので、連絡先を交換しませんか?」

「え、マジ?もちろんいいよ」

 

連絡先が増えるって嬉しいな。新感覚。

なんと神室さんとも交換できた。やったあ。

 

「じゃそろそろ日が暮れるし、俺は帰るよ。また今度」

「ええまた今度、よろしくお願いしますね」

 

さて、我が家に帰りますかね。俺はケヤキモールを出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、満足できたわけ?」

「ええとても満足出来ました。まさかあれ程の実力者があの方以外にもいるなんて僥倖です。この学校生活は面白くなりそうですね」

「あ、そう」

 

坂柳有栖は笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

入学してから1週間が過ぎた。

その間目立ったことは何も無かったが、クラスの男子のグループチャットに参加することはできた。良かった...

今日は水泳の授業があるらしい。さすが国管轄の高校だ。春でもできるんだろうな。

教室に入ると数人の男子が女子のおっぱいの大きさで盛り上がっている。よく教室で出来るな。しかも結構な大声で。俺にその勇気はない。

だが内容は下品だが、ああいう会話には憧れる。バストサイズの概算でもしてみようか...それはただの変態だな。

 

「哀れね」

 

左を見ると堀北さんがいつの間にか登校してきていた。

 

「2人して会話に入りたいという欲が透けて出てるわよ。そんなに会話したいなら話しかけて来たら?」

 

二人?ああ綾小路君か。

堀北、それが出来たらどんなに楽か。

 

「綾小路君、話しかけてくる?」

「いや無理だな」

「だよね...」

「おーい綾小路、志村」

 

お、誰かに呼ばれた。確か名前は...池君だっけ?

 

「な、なんだよ」

 

綾小路君が口篭りながら答えた。

 

「実は今俺たち、女子の胸の大きさで賭けようってことになってんだけどさ」

 

マジかこいつら。どんだけ頭の中おっぱいなんだ?どうやらオッズ表もあるらしい。

正直おっぱいの大きさには微塵も興味無い...

なんてことはなく、ちゃんと興味ありありなので参加した。

ちなみに綾小路君も参加してた。君もちゃんと男子高校生なんだな...

オッズ表を見てみると佐倉、長谷部当たりが1番人気だった。うーんしかしみんなが賭けている人に賭けるのも面白くないな...

 

誰にしようか悩んだ挙句、結局櫛田に賭けた。だって櫛田と堀北しか知らないんだもの!

 

そんなとても下品な朝が過ぎ、男子陣にとってお待ちかねの水泳の授業が始まった。全員どことなく息が荒い。お前ら気持ちはわかるがもうちょい自重しろよ。普通に引かれるぞ。

 

そうこうしていると、女子がやってきたみたいだ。ん、でもなんか少なくないか?と思ったのは間違いではないみたいで、どうやら見学者が多いみたいだ。男子陣が露骨に残念にしている。だからもうちょっと自重しろって。今どっかからキモっって聞こえたぞ。

 

「綾小路君は泳ぐのは得意?」

 

近くにいた綾小路君に声をかけてみる。やっぱり俺の目に狂いはなかったみたいだ。筋肉の付き方が一般人のものではない。

 

「まあ普通だな。人並みに泳げる」

「そうなの?」

「ああ。なんでそう思ったんだ?」

「いや気の所為みたいだ。気にしないでくれ」

 

泳げることを隠したい理由でもあるのだろうか?ま、人には事情というものがあるからな。突っ込むのはやめておいた。

 

「志村君は泳ぎは得意なの?」

 

櫛田から話しかけられた。これまた幸運なことだ。

 

「得意でも不得意でもないね。櫛田さんは得意?」

「私は中学の時、水泳が苦手だったんだ。でも一生懸命練習して泳げるようになったの」

「頑張ったんだな。誰にでもできることじゃないぞ」

「そう?ありがとう志村君」

 

しかし男子を脳殺するような笑顔だな。落ち着かないことこの上ない。

 

「よーしお前ら集合しろー」

 

集合がかけられた。どうやら授業が始まるようだな。

 

「早速だが、準備体操をしたら実力が見たい。泳いでもらうぞ」

 

もう泳ぐのか。早いな。

各々準備体操を済ませ、50M泳ぐように指示される。久しぶりにプールに入るな。去年の夏以来か?水温はちょうど良さそうだ。

 

 

「とりあえずほとんどの者が泳げるようだな。よし、では早速だがこれから競争をする。男女別50M自由形だ」

 

ほんとにいきなりだな。足つらないように気をつけよ。

 

「一位になった生徒には、俺から特別ボーナス、5000ポイントを支給しよう。一番遅かった奴には、逆に補習を受けさせるから覚悟しろよ」

 

え、マジかよ。これは足がどうとか言ってる場合じゃないな。ちゃんと泳ごう。

 

まず女子が先に泳ぐみたいだ。男子全員が女子に釘付けだ。もう隠す気ないなこいつら。俺も見てるけど。

 

結果は一方的で、小野寺という水泳部の女子がぶっちぎりでゴールした。26秒か早いな。ちなみに堀北は28秒、櫛田は31秒だった。

しかし堀北もなかなか速い。水泳部がいなかったら一位だったな。

 

 

男子の番になった。悪目立ちしないように頑張ろう。ちなみに俺がどれくらい泳げるかというと、ほんとに普通だ。人並みに泳げるって感じだな。ビリになって、補習になることはないだろう。

 

一組目はあの不良っぽい須藤君が一位だった。25秒切ってるよ速っ。あういうの、のうき...やめとこ怒られそう。

綾小路君はほんとに普通のタイムでゴールしている。さては力抜いたな。

 

俺は二組目なので次だ。ビリになりませんように。

隣のコースを見てみると、平田だった。もう既に女子の方から歓声が上がっている。なんかムカつくな。負けたくない。

先生の笛がなり、一斉に飛び出す。

さすがに平田速い。俺は結局平田には追いつけず、そのままゴールした。

負けたがまあ悪くない。俺はスピード型じゃないし。

タイムは29秒だった。平田は26秒で3秒差だな。補習は免れたので良しとしよう。

 

「志村君あなた、水泳やっていたの?」

 

堀北が話しかけてきた。珍しいこともあるもんだ。

 

「いややってないよ。どうして?」

「泳いでる間全くスピードが変わらなかった。それに、50M泳いだのに全く息が切れてないから。手を抜いていたの?」

「いやいや全然。スタミナだけ他の人よりあるだけだよ」

「そう。ならいいけど」

 

堀北は不服そうだったが、そのままどこかに行ってしまった。

俺も綾小路君のこと言えないかもしれない。

 

結局男子一位は自由人高円寺君だった。23秒ってやばすぎだろ。




志村のスタミナがすごい理由はちゃんとあります。
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