ブラック・ブレット―楽園の守護者―   作:ひかげ探偵

3 / 11
原作全巻買いました(*´ω`*)


第三話 遭遇

俺の名は『里見蓮太郎』、『天童警備会社』に所属するプロモーターだ。

と言っても最近は仕事も何も無く、ガストレアと戦うよりも日々の糧を得るために主婦と戦うことの方が多い程だ。

そんな俺は鏡に映る気だるげな自分の顔を見ていた。

昨日はガストレアウイルスに感染したと思われる被害者『岡島純明』を探していたが一向に見つからず夜遅くまで探索をしていた。

今なおこの市街地のどこかに潜伏していると思われるがその行方は掴めていない。

ボサボサの頭を掻きながら少しでも眼を覚ますためカップに入っているインスタントコーヒーを口に含む。

ホッとする温かさと香ばしい香りが口と鼻を満たす。

そんな落ち着いた雰囲気に浸っていると―――元気な少女の声がそれをぶち壊した。

 

 

「蓮太郎ッ!どっちの服が似合うと思う!?」

 

唐突にパンツ一枚の10歳前後の少女が二着の服を持ち俺の前に現れたので、思わず口に含んだコーヒを噴き出す。

 

「うわっ!!」

 

噴き出たコーヒーは少女に掛かりそうになったがそれを少女が神がかった動きで回避する。

 

「れ、蓮太郎!いきなり何をする!!」

 

「わ、悪い。じゃなくて!まず服を着ろよっ」

 

「話を逸らすな、蓮太郎ッ」

 

眼を吊り上げながら半裸で俺に詰め寄る少女の名は『藍原延珠』、俺と同じく天童警備会社に所属し俺のプロモーターを務めている。

 

「つか、どっちも同じ服じゃねぇか!」

 

「違うぞ。よく見ろ、中のチェックの柄が違う」

 

「んなもん分からんわッ!!」

 

「はぁ、まったく……相変わらずデリカシーが無いな、蓮太郎は。だからモテないんだぞ」

 

「ぐっ」

 

否定しがたい延珠の言葉に思わず言葉に詰まる。

 

「だぁーっ!!んなことより学校行くぞ。さっさと準備しろ」

 

未だ見つからない感染源ガストレアに岡島純明、昨日出会った燕尾服の仮面の怪人『蛭子影胤』。

いくつもの不安要素はあるが俺達はまだ学校に通う年齢、学校には行かなければならない。

 

「分かった!」

 

延珠はそれを聞き嬉しそうな顔をして部屋にランドセルを取りに行った。

 

 

 

 

俺達の拠点であるアパートを出て長年愛用し続けている自転車を出しておく。

一分も経たぬ間に延珠が走ってきて後部座席、などあるわけもないので荷台に座りこんだ。

 

「よしっ、出発進行だ!!」

 

「へいへい」

 

俺の腰にしがみつき元気にそう叫ぶ声に背中を押され俺は自転車を漕ぎだした。

民警をやっているということもあり体力も筋力もある俺が漕ぐ自転車はかなりのスピードを出し道路を進んでいく。

 

「いいぞ、もっと早くだ蓮太郎!!」

 

「いや、これ以上はやばいだろ」

 

既に時速30キロ程出ており顔に受ける風が痛い。

市街地をこれ以上のスピードで走れば警察に厄介になりそうだ。

 

「っ!―――止まるのだ、蓮太郎!」

 

延珠の先ほどまでとは異なった真剣な声音に即座に急ブレーキをかける。

 

「どうした、延珠!?」

 

「あそこだ。見ろ、蓮太郎」

 

延珠の指が真っ直ぐに建物の隙間の路地裏を指さす。

暗くてはっきりとは見えないが二つの赤い光点がぼんやりと闇の中に浮かんでいた。

 

「……あれは?」

 

「おそらくガストレアだろう」

 

それを聞いて延珠の方を向くとその双眸が赤く輝いていた、どうやら能力を発動させたのだろう。

常人には難しいだろうが延珠の眼ならば暗闇に潜むガストレアをも確かにとらえられる。

 

「モデル・スパイダーだな。単因子かそうでないかは分からぬ」

 

早速銃を出してガストレアとの戦闘に備える。

しかしこちらから撃ったとしても俺の銃ではガストレアを傷つける結果にしかならず得策ではない。

だから、延珠の先制の一撃で終わらせる。

 

「いけるか?」

 

「妾をだれだと思っている。任せておけ」

 

能力が発動したことにより瞳が赤く染まる。

身体能力の向上した延珠は隙間にいるガストレアに向かい跳躍、強力なキックを叩き込む。

しかしそれがガストレアの身体に抉りこみ破壊することなく、逆に延珠の身体が弾き飛ばされた。

 

「なっ――に? 妾の蹴りが利かない」

 

ゆっくりと姿を見せたガストレア、その姿を見るにやはりモデル・スパイダー。

しかしその体表は亀の甲羅のようなもので覆われていた。

 

複合因子(ダブル・ファクター)か!」

 

ガストレアは蜘蛛と亀、その両方の性質を有していた。

甲羅はガストレアの眼と口以外を完全に覆っている。

 

ならばと蜘蛛の頭部に狙いを定め発砲するがすぐにこちらの動きに反応しその硬質な体に当たり弾かれる。

狙いを俺に定めたのか突進してくる。

なんとか跳んでかわしたが俺達のいたアスファルトが木端微塵に砕け散った。

 

「なんて速さと力だっ!」

 

「大丈夫か蓮太郎!?」

 

「心配いらねぇ」

 

延珠に無事を伝えながらも思考をやめることはしない。

先程食らわせた延珠の攻撃が今出せるこちらの最大攻撃、つまり今の俺達にはあいつにダメージを与える手段がない。

そして相手は延珠には劣るがかなりの速さで移動する。

 

「くそっ、状況は最悪。このままじゃじり貧だぞ」

 

状況を打開するためには他にあいつを殺しきる力を持った民警が必要だ。

救援を求めるため携帯を取り出す。

 

「蓮太郎ッ、危ない!」

 

再度、こちらへの突進を仕掛けようしたガストレアが勢いよくこちらに突っ込んできていた。

俺を庇おうと延珠がその間に割り込んだ。

 

 

―――やられる!!

 

 

そう思った次の瞬間、ガストレアの体を黒い鎖が絡め取った。

それは凄まじい筋力を持つガストレアを切れる気配もなく完全につなぎとめていた。

 

ひゅう――と一筋の風切音、そしてガストレアの体が爆散した。

 

思わず口を開けて呆然とする。

音からおそらく一撃と思われた、延珠のキックを無傷で耐えたガストレアを一撃で葬ったのだ。

 

見ればガストレアの肉片の散らばる場所、その中心に一人、槍のようなものを持った少年が立っていた。

背は160センチに届かぬ程と小柄で黒い外套がその体をスッポリと覆っている。

他の色の混じらない黒髪に綺麗な青い瞳をしており歳は俺よりも幼いだろう。

 

あんな子供があのガストレアを?

そんな事を考えてる中、隣の延珠が声をあげた。

 

「お主何者だ。名を名乗れ!」

 

不遜な口調、しかし少年は無言でただこちらに視線を向けるだけだ。

一体どうする気だ?

思わず俺達の間に緊張が走る。

 

「どうやら先に交戦していた民警のようですね」

 

ふと声が少年の後ろから聞こえた。

現れたのは延珠と同じ位の銀髪の少女、大きめの白いセーターに短パン、黒のブーツを履いている。

そして何より眼を引いたのはその赤い瞳。

あの少女も延珠と同じ呪われた少女達、少年のイニシエーター?

だということはあいつらも民警なのか。

 

少女の双眸が黙って考えを巡らせていた俺を捉えた、そしてその顔が嫌悪に染まる。

 

「なんですか、お前は? 気持ち悪い、こちらを見ないでください」

 

セーターの裾を引っ張り短パンに包まれた足を隠そうとする。

 

「蓮太郎、お主まさかっ!!」

 

裏切られた、と言わんばかりの表情で延珠が吠える。

 

「なっ、馬鹿っ!違ぇよ!!」

 

「まあ、お前が性犯罪者かどうかはどうでもいいのですが」

 

「よくねぇ!!」

 

さっきのシリアスはどこへ行ったんだよ!?

いつの間にか張りつめていた筈の雰囲気が弛緩していた。

 

ふと少女の視線が俺達の乗っていた自転車で止まる。

視線が俺と自転車、そして延珠をしばらく行き来する。

そして、こちらを見る目に憐憫の色が含まれ一つ溜め息をはいた。

 

「……このガストレアは貴方達に譲るとしましょう」

 

「待て待て待てッ!何だ、今の間は」

 

「そうだぞ。お金がなくとも妾は蓮太郎がいればそれだけで幸せだ」

 

「……女を養えない男……ですか。なるほどゴミですね。マスターと比べる価値もない」

 

「黙ってろ、延珠!!」

 

「旗色が悪くなれば恫喝して口封じ……外道」

 

「違ぇよ!!」

 

「怒鳴れば従うとでも思ってるんですか、最低です」

 

駄目だ、この女に言葉で勝てる気がしねぇ。

反論するのが躊躇われ黙っていると少女が言葉を続けた。

 

「今回は私達がいてよかったですね。今後は自分達の卑小さを自覚して戦場を闊歩する真似は控えるように、邪魔なので」

 

何だと!そう言おうと思ったが口ごもる。

確かに俺達は今回連絡を入れることなくガストレアに挑み勝手にピンチになっていただけだ。

こいつらが来なければどうなっていたか分からない。

 

「私達の任務はガストレアの討伐であって、お守りではありません」

 

「おいっ、お前っ――――」

 

さすがに言い過ぎだ、そう続けてから拳骨でもしてやろうかと一歩踏み出した。

その瞬間、俺の体を恐ろしい程の圧力(プレッシャー)が襲い、それに圧されて思わず膝をつく。

そしてこれの発生源、少女の隣に立つ少年を見た。

 

未だに無表情で一言も発してはいないが、この殺気を受け俺の本能などと呼べるものが俺に告げている。

 

 

―――――あの銀髪の少女を傷つけたら殺される

 

 

膝が震えだし体が硬直する。

 

「お主ッ!蓮太郎を苛めるな!!」

 

しかし延珠がそう叫んだ瞬間、殺気は即座に霧散し俺は糸が切れた人形のように崩れ落ちた。

 

「大丈夫か、蓮太郎?」

 

延珠が駆け寄ってきて心配そうに荒い息を吐く俺の背に手を添える。

 

「やはり弱いですね。……もう会わないことを祈ってますよ、少女に守られる格好悪い人さん」

 

それだけ言い残し二人は去っていった。

何も出来ずそれを受けしばらくは動けないまま座り込んでいたが呼吸も落ち着いた俺はようやく動き始めた。

 

「……もう、大丈夫だ。悪かったな延珠」

 

「気にするな。蓮太郎を支えるのはフィアンセたる妾の役目だ!」

 

いつもと変わらぬその様子に思わず笑いそうになる。

しかし、と俺は頭を切り替えた。

 

「延珠、あいつらをどう思う」

 

「強いな。妾達などよりも遥かに」

 

「ああ、槍を使うプロモーターと鎖を使うイニシエーターだったな。俺達より上の序列なのは間違いない」

 

とはいえ、今考えても何も分からないので後で木更さんに聞いてみるしかない。

それより今は―――。

 

「やべぇっ!このままじゃ遅刻するぞ延珠!!」

 

「なんだとっ!?」

 

時刻は既に8時半を回りはっきり言ってアウトだ。

倒れている自転車を乱暴に立て、後ろに延珠が飛び乗った。

そして全力でペダルを漕ぎだす。

 

「もっと、もっと速くだ。蓮太郎!!」

 

「ま・か・せ・ろっ!!」

 

民警パワーをフル活用して俺達は学校へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■鉄災斗■

 

 

 

今日は朝赤髪ツインテール美少女に会いました、まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

延珠たんがキタ―――――――――――ッ!!!!!!

やべっ、めちゃんこかわええっ!!!

ツインテに萌える。

古臭い口調に萌える。

驚いてポカンと開いた口に萌える。

 

とにかくめちゃ萌えッ!!!!!!!!

 

 

 

延珠たんと言えばあれですよ、俺の会いたかった原作キャラ候補の一人ですよ。

 

延珠たん。

 

 

夏世たん。

 

 

小比奈たん。

 

 

あとはまあ、木更。

 

 

菫。

 

 

蓮太郎…………はいいか、どうでも。

 

 

巨乳が悪いとは言わんよ……だが、オール・ハイル・ロリコーニアッ!!!

 

 

 

などと考えていたらいつの間にかギンたん達で話が進み(ちょっぴり疎外感)何やらギンたんに近づこうと蓮太郎が一歩踏み出していた。

 

 

フゴッ(*`д´*)

 

 

その瞬間、俺の心に宿る炎が激しく燃え上がり体からオーラが発せられた。

それに硬直する蓮太郎。

 

いけねぇ……いけねぇぜ旦那ぁ。

いくらギンたんが可愛くてもウチはそういうサービスやってねぇんだよ。

 

 

 

YESロリータ NOタッチ!!

 

 

 

これだけは守ってもらわんとな……。

しかし、ふっふっふ、どうやら紳士としてお前にはお仕置きが必要みたいだな。

 

自然と槍を持つ手に力が籠る。

 

「お主ッ!蓮太郎を苛めるな!!」

 

 

消火完了!!

 

 

一瞬で燃え盛る炎が鎮火された。

 

や、やばい……延珠たんに嫌われたか……?

いや、まだ……まだセーフだろ。

よしっ……俺が出せる全力の謝罪オーラをぶつける!!

 

(●^ω^)ゞスマソッ!!

 

 

延珠たんはプイッとして顔を背けた。

俺は灰になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッと我に帰るとギンたんと二人で歩いていた。

延珠たん、延珠たんどこー?

 

キョロキョロしていると前を歩くギンたんの足取りが軽いことに気づいた。

よく見れば口角がいつもより1度程上がっている。

 

え、キモい?

ふふふ、愛ゆえに。

 

おそらくギンたんは同族である延珠たんに会えて嬉しかったんだろう。

そして彼女がしっかりと生活できているのか心配になった。

頻繁に毒とか吐いてしまうけど、本当は優しい娘なんだよ、ギンたんは。

 

などと慈愛の目でギンたんを見つめていると本人がこちらを振り返った。

 

「むぅ……なんですかマスター。その眼は?」

 

きょとんと首を傾げるギンたん。

うほっ、良い美少女!!

 

とりあえず頭を撫でておくと気持ち良さそうに眼を細めた。

 

「しかしマスター、あの二人組どう思いましたか」

 

延珠たん可愛かった。

 

「確かに……イニシエーターの方は見所がありましたね(強さ的な意味で)」

 

あのおみ足をぺろぺろしたいてござる。

 

「あの蹴り……おそらくモデル・ラビットでしょう」

 

中々見所のあるロリだった。

 

「油断ならない、ですか……ならばあの男の方は?」

 

どうでもいい。

 

「脅威にはならない、と?」

 

うん、男だしね、大丈夫っしょ。

 

「ですね、マスターと比べる価値もない。ゴミ野郎でした」

 

ギンたんの毒舌ウマウマ。

ただ――……。

 

「マスター?」

 

何でもないよ、ギンたん。

 

 

 

杞憂だと思い見逃したが俺の感覚は確かに訴えていた。

 

あの男、里見蓮太郎が()()()()()()ことを。

 

 

 

 

 

 

 




重大な事実が発覚!

アニメ第三話で蓮太郎が夏世を押し倒しているシーンを発見、蓮太郎=ロリコン説が有力になってきました。


次回もお楽しみに(*^^*)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。