中等部→ジュニア・トゥインクルシリーズに出走
高等部→トゥインクルシリーズに出走
となっています。
ラインハルトの育てた会長とあたったら無理ゲーなので、分けさせて頂きました。
なお、日常回の予告はいつものナレーションだと重苦しすぎると感じたので、試しにあのウマ娘にやってもらいます。
彼女の出番はもしかすると、予告だけかもしれません。
その予告もいつものナレーターの方に取られてしまうかもしれませんが…。
編集箇所
高等部からとはいえ→一から
に変更しました。
「それでは、ヤンさん。お休みなさい。また明日」
マックイーンはそう言い残し、トレーナー室を後にした。すっかり夕焼けも終わり暗くなった夜のもと、軽い足取りで更衣室へ向かう。制服に着替え、食堂へ向かう段階になって、恥ずかしさがじわじわと迫り上がってきた。
(私、一時のテンションでなーにを言ってるんですの? あれでは、まるで、まるで! 嗚呼はしたない! 淑女たるもの! 優雅に気品あふれる姿を貫かなければ! そう、メジロのウマ娘として)
すれ違う他の生徒たちは皆、ほんのりと紅潮した彼女の横顔に魅入っていた。本格的な練習を再開し満足感を噛み締めているのだろう、と都合よく受け取ってくれていたが、本人はその実しょうもないことで思い悩んでいた。
食堂で夜のメニューをもらい、空いている席を探していると、
「マックイーンちゃん、こっちこっち! 」
奥からマヤノトップガンが声をかけてきた。彼女はテイオーの同室で、これまた得意な距離が似通っているので、顔見知りである。
「夕ご飯これからでしょ。私たちも今来たところなんだー」
そう言って、彼女はトレーを置き席についた。マックイーンもそれに続く。
「それにしても! また新人のトレーナーちゃんが来てくれるなんて、マヤ嬉しいなぁ。今回は落ち着いていて大人って感じ。前に来た超絶カッコいいトレーナーちゃんとはタイプ全然違うよね」
「は、はあ。マヤノは選べるとしたら、どちらのトレーナーさんの下で走りたいですか? 」
マヤノは指を顎に当てながら、少し間を置く。一瞬、目を見開くが、また唸りだす。
「なになに、面白そうな話してるじゃないですか。ネイチャさんも混ぜてよ」
「あ、ネイチャ。今ね、最近来た2人のトレーナーちゃんのどっちに指導してもらいたいかって話してたの! 」
「なるほど、悩みますなぁ。テイオーのトレーナーとマックイーンのトレーナーか」
片や一から現会長を育て上げてチームを組み、さらに最近加入したテイオーも順調に成長させている。片や担当しているウマ娘はマックイーンのみで、実績もなにもない。傍から見れば、ちょっと可哀想なほどの歴然たる差があった。
「マックイーンちゃんから見たらヤントレーナーはどうなの? 」
「どう、と言われましても…」
まだ彼が担当トレーナーになってから一週間と経っていない。学園の中では間違いなく接点がある方ではあったが、付き合いが深いわけではない。
先ほどのやりとりを思い出して、マックイーンは思わず顔を赤らめた。
「たしかに、すこし頼りなく映るかもしれませんが、ウマ娘の話に耳を傾け、真摯に向き合ってくださる方ですわ」
「たった一日やそこらで絆されちゃって、もしかしてアンタのトレーナー、タラシの才能あるんじゃない?」
刹那、マックイーンは椅子を蹴って立ち、机に身を乗り出した。紫水晶の双眸が発言者を射抜いている。
「そんなことはありません! 決して! ただ親切なだけですわ」
「ムキになっちゃって、可愛いんだから」
ネイチャの呆れ半分のからかいに返す言葉もなかった。だが、自分でも自分がよく分からない。
(今の私は何に対して怒りを覚えたのでしょう? 一日でゾッコンになるような軽い女と思われたからでしょうか? それとも…)
揺蕩う彼女の思考を摘み取ったのは新たな客人だった。
「ごめん、マヤノ。遅くなっちゃって」
ジャージ姿のままのテイオーが夜の定食を持ってマックイーンの向かいに座る。
茶碗を見ると、いつもより多めにご飯をよそっていた。食事制限を自分に課している影響か、まわりの食事量には人一倍敏感なマックイーンである。
「テイオー、あなたそんなに食べる方でしたか?」
「最近、お腹減っちゃってさー。食べないと持たないんだよね。閣下がスパルタだからかな」
そう言って手早くおかず、ご飯、お味噌汁、ご飯、おかずと食べ進んでいく。他3人はそれぞれ半分ほど食べているが、それに追いつきそうな勢いであった。
「テイオーは次の菊花賞を獲れば、クラシック三冠の偉業だもんね。 ジュニア・トゥインクルとはいえ、大したもんですよホント」
「そんなに持ち上げないでよー。その気になっちゃうじゃないか」
「ねえねえ! みんなで今度遊びに行かない? 最近レース続きで忙しそうだったもん。マックイーンちゃんの次のレースっていつだっけ? 」
「夏合宿前の七夕賞ですわ。まずはGⅢで慣らしてみようと思いまして」
「1ヶ月後かー。それなら、今週末にでも遊びに行こうよ」
「賛成! ボクもうクタクタだよ。どこに行く? 」
「私はどこでも構いませんわ。季節柄、雨が多いですから、屋内の方がよろしいかと思いますが」
「それならさ、私こういうのもらっちゃったんだよね」
そう言ってネイチャは制服のポケットから4枚のチケットを取り出した。
「あー! リニューアルオープンしたばっかの室内アスレチック場のやつじゃん!」
「ホントだ。でも、ネイチャどうやって手に入れたのコレ」
ネイチャは少し照れ笑いをしながら話し始めた。
今日、昼ごはんの買い出しに商店街に出かけたところ、親切な八百屋のおじちゃんから貰ったらしい。
「いいって言ってるのに、ほとんど毎回なにかくれるんだよね。こっちが申し訳なくなっちゃう」
「また買い物に行って差し上げればよろしいのでは? 向こうも良かれと思ってやってるのでしょうから」
「そだねー。また今度お裾分けするよ。一人で大根3つとか使いきれないからね」
「とにかく! 貰ったものは使わなきゃ損だよ、ネイチャ。ここに行こう!」
マヤノの提案に他の三者は異議なし、と口を揃えた。
ピース!ピース!
みんな元気にしてるか!
ゴルシちゃんだぞ!
6月といえば北海道だよな。梅雨なし、台風なし。
カラッと乾いた空気はとっても過ごしやすいぜ。
海鮮丼も良いよな。ウニ、イクラ、サーモン、ジンギスカン。
私の心はいつでもあの大草原を蒼き狼と共に走ってるぜ。
次回、ウマ娘英雄伝説『羽休め』
ウマ娘の歴史にこのゴールドシップ様の名を刻めぇ!
日常回の次回予告はどの路線にするか
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いつものナレーター風
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ゴルシ