GⅠの大舞台で輝きたい   作:ひひん

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初トレーニングの様子とマヤノペトリュースの先輩の登場です。


トレーニングと先輩

 トレーナーとマヤノペトリュースは練習場でトレーニングを始める。

 

「まずは準備運動も兼ねて軽くダートコースを数本走ろう」

 

「分かりました」

 

 マヤノペトリュースは軽快な動きでダートコースを駆けていく。

 

(やっぱり走りに力強さがあるよな〜。怪我さえしない様に注意すれば絶対重賞を取れる……! その為にもしっかり見ててあげないと)

 

 走りを見て改めてそう思っているとマヤノペトリュースが戻ってくる。

 

 

「ふぅ……終わりました。次は?」

 

 

「次は芝800mを三本、5秒位のインターバルで3セットやってみよう」

 

「なるほど……行ってきます」

 

 告げれられたトレーニングメニューをこなしていく。

 

「っ……はぁはぁ。……ふぅ」

 

「流石に疲れた? 一度休憩挟もうか」

 

「いえ、まだまだ大丈夫です。続けましょう」

 

 そう言って再び走り出す。

 

「おーい! ペトー!」

 

 その様子を見ていると、こちらに声をかけながら誰かが近づいてくる。

 

「ん? もしかしてあなたが新しくペトのトレーナーになった方かな?」

 

 そうだと応えると彼女は嬉しそうに

 

「遂にペトにもトレーナーがついたんだね……

 真面目で良いやつだから宜しく頼みます」

 

「はぁはぁ……トレーナーさん、次のメニューは……ってホークさん! いらしてたんですね」

 

 マヤノペトリュースから「ホーク」と呼ばれたウマ娘。言いぶりから知り合いなのかと少し疑問に思っていると

 

「あぁ、申し遅れましたね。私の名前はスダホーク。ペトとは寮で同室なんだ。可愛い後輩でしてね、ついつい顔を見にきてしまうんです」

 

「も、もう! ホークさん! そんな恥ずかしいことをキッパリと言わないでくださいよ!」

 

「事実だろう? 美人だしスタイルも良い。誠実で謙虚。悪いところが見当たらない。さらに言えば……」

 

「始まってしまいました……私の事になると何故かベタ褒めしてくださるんです……その、止まらないほどに。こう見えても重賞を勝っている凄いウマ娘なのですけど」

 

 マヤノペトリュースが苦笑いしながらもどこか嬉しそうに話す。

 

「さっきスタミナの話の時に言った気がするんですけどホークさんはスタミナがすごくって、3000mも余裕で走れるんですよ! それに走るフォームもかっこいいですしトップスピードも決して遅いわけじゃなくてどちらかと言えば速いですし、さらには……」

 

 先輩が先輩なら後輩も後輩だなと内心思い言いそうになるトレーナーだったが、嬉しそうに話すペトを見てグッと堪える。

 

「京都記念を勝った時なんかは最高でしたし……はっ! す、すいません! 少し熱くなってしまいました、お恥ずかしい……」

 

「ふふっ。ペトはスダホークの事尊敬してるんだね」

 

「えぇ、それはもう。憧れの先輩です。色々お世話になっていますし」

 

「可愛い後輩にそう言ってもらえると嬉しいことこの上ないね!」

 

「ひゃあ!」

 

 熱く語っていたスダホークが急に話に入って来たためマヤノペトリュースは驚く。

 

「……こほん。そういえばホークさんは何かご用があってこちらに来られたんですか? ……まさか本当に私の顔を見に来て頂いただけ……?」

 

 落ち着いたマヤノペトリュースが質問をする。

 

「もちろんそれもあるが、一緒に練習をしようかなと思って探していたんだ。しかしトレーナーとの練習が始まっているなら今日は失礼させてもらおうかな」

 

 そう言って帰ろうとするスダホークに声をかける。

 

「全然大丈夫。重賞を取るウマ娘の走りも見てみたいしむしろこちらからお願いしたいくらいだよ」

 

「そうか! なら喜んで参加するとしよう。ペトも問題ないか?」

 

「もちろんです! よろしくお願いします」

 

 こうして予定を変更しマヤノペトリュースとスダホークの合同練習が始まった。

 

「スダホークは少しウォーミングアップする? 来たばかりだから」

 

「いや、問題ないよ。少し身体を動かしてからきたからね」

 

「そっか。じゃあさっそく、芝2000mでの模擬レースをやってほしいんだ」

 

「ふむ。了解だ」

 

「分かりました」

 

 二人はそれぞれスタート位置へ向かう。

 

「それじゃあ……スタート!」

 

 トレーナーの少し急な合図で二人は走り出す。

 

「今日はこそ負けませんよホークさん……!」

 

「ふふっ。望むところ!」

 

 スダホークが3バ身程前に出てレースが進む。

 

(ペトが言ってた通り綺麗なフォームだ。それに力強さもある)

 

 スダホークの走りにトレーナーは感心していた。

 

「やはりホークさんは速い……でも簡単には負けられない! ……」

 

 最終コーナー直前でマヤノペトリュースがスパートをかける。

 

「ほう? もうスパートをかけるのか! 思い切ったなペト!」

 

 直線に入る頃にはその差は1バ身程に縮まっていた。

 

「このまま抜き去る……!」

 

「そう簡単にはいかないよ?」

 

 マヤノペトリュースが並びかけたところでスダホークが一気に速度を上げて差を広げる。

 

(速い! ペトもトップスピードに入ってるはずなのに少しずつだけど差が開いてきてる。これがシニア級の重賞ウマ娘……!)

 

 

「全然縮まらない! 流石にまだ届かないか……」

 

 模擬レースはスダホークの完勝に終わる。

 

「二人ともお疲れさま。良いレースだったね」

 

「まだまだ実力不足です。改めて思い知りました。

 

「ペトもだいぶ速くなっているね、あそこでスパートをかけて最後までスピードが落ちないとは思わなかったよ!」

 

 模擬レースを終えてトレーナーは提案する。

 

「今日はここまでにしよう。あまりやりすぎても逆効果だしね。部屋とかでやってほしいメニューもあるから渡しておくね」

 

「部屋で……? わかりました。目を通しておきます。ありがとうございました」

 

「じゃあ寮に戻ろうか! ペトのトレーナーもまた会おう」

 

「失礼します」

 

 

 二人は一緒に寮へ戻っていく。トレーナーも今日の振り返りをするためトレーナー室に向かう事にした……。




スダホーク
・史実では重賞を4勝している。G1勝ちは無いものの、ダービーと菊花賞でも二着に入っている実力馬。芦毛。



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