全てを許せる人間なんて存在しない。だって人間には感情があってそれぞれ違うのだから。どんな我慢が出来る人間であってもいつかはその我慢が爆発する時が来るのは決まっていること。
もし、生れ落ちてから死ぬまでずっと怒らない人間がいたと言うならばそいつはもう人間じゃない。
聖十大魔導というのは表の世界で魔導士としての力量が認められた者。全員が魔導士の中でもTOP10に入るほどの実力者だ。だが、序列は確かにTOP10までしかない。だけど限られたものしか知らない……0位というものが存在する。
力は序列一位でも全然敵わなくて一人で世界を滅亡させる事もできるほどの力を有している。何百年の間、序列一位であったため「これはもう別ものとして考えるべきじゃないか」という話が出たために0位となった。最強すぎるが故にその存在を限られたものしか知らない
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ある部屋
この部屋には聖十大魔導が珍しく全員顔を揃えている。今回集まったのは僕を入れて11人。ここに来ると久しぶりに会うような奴もいるね。
僕は辺りを見渡しながら見ていると向かい側から一人の人物が近づいてきた。
「久しぶりですのう。アオ様」
この人物はマカロフ・ドレアー。聖十大魔導に所属する一人で彼が幼い頃からよく知っている。
「様なんて付けるほど僕は偉くないよ。只の長生きしている爺だよ」
もう自分でも何年生きているか覚えてないぐらいに生きている。
「何をおっしゃいますか?あなたほどの力を有している魔導士はいませんよ。人類最後の切り札…基、最強の男がアオ様なのですから」
そんな風に言われているけど…僕はそこまで凄い魔導士じゃないんだけどな。いつの間にか、『最強の男』『人類最後の切り札』と言われるようになってしまったけど、只僕は僕を上回る魔導士が来るのを待っている只の爺さんなのに。
「マカロフくんの方が凄いと僕は思うけどね」
「アオ様に比べたら私なんて」
「いや、マカロフくんは妖精の尻尾の三代目ギルドマスターをやりながら聖十大魔導としても活動するなんて僕には出来ないよ」
「アオ様は居るだけで私たちに力をくれます」
「そうかな。僕はもうここ百年近くまともな戦闘をしていないよ。評議員の人たちから「アオ様は絶対に闘わないでください!!」と言われているんだよね。本当にこのままじゃ体がなまっちゃうよ」
確かに僕が戦えば地図が変わってしまうのは避けられない事。いくら手加減をしたとしても限界がある。それに万が一、手加減の度合いを間違えてしまったら相手が死んでしまう可能性も大いにある。そんな事になってしまったら一生のトラウマになるかもしれない。
「それは仕方ありませんよ。アオ様の力は強すぎますので戦闘をさせるわけにはいきません。それにいずれアオ様の力を頼らなくてはならない時があるかもしれないのでその時までお待ちください」
まあ、僕が闘わなくて済むのならそれは一番良いのは確かなんだけどね。闘いたいけど……仕方ないね。
「そう言えば、赤い髪の子と白い髪の子は元気かな?」
「赤い……白い……あ、エルザとミラのことですか。元気ですぞ。アオ様はエルザとミラに修業を付けたことがあったんですな」
もう十年近く前の話になってしまうけど
「うん、一度だけだけどね。あっちは僕のことなんて覚えていないかもしれないけど…こっちは案外よく覚えているんだよね。弟子を一度も取った事がないし、人に教えるなんて初めてだったからこんな僕でも緊張しながら教えたんだよね」
「そうなんですか。エルザやミラはアオ様のご指導していただいた事を本当に感謝していました」
「そうか、それなら教えて良かったよ。いつか時間があったらまた会えたらいいなと伝えておいてね」