「おまえらっ! 文化してるかー!」
「うおおおぉぉぉ!」
「千葉の名物、踊りと──⁉︎」
「祭りいいいぃぃぃぃ!」
「同じ阿呆なら──⁉︎」
「シンガッソーー──!」
いつか見た光景に、俺は思わず胸を熱くさせていた。
俺の知る、めぐり先輩の最高にフェスティバっていて輝いている瞬間だ。俺は装着したヘッドセットのマイクがオフになっているのを確認し、拳を突き上げて絶叫していた。やはりめぐり先輩はエモ過ぎる。
「比企谷くん? 何をしているの?」
耳にしたイヤーピースの中からザッとノイズがのった後に、雪乃の冷静な声が鼓膜に届く。あー、見られてましたか。でも仕方ない。エモ中のエモを体感してしまったら、その情動に身を委ねるしかないではないか。
「なんでもない」
マイクのスイッチを一瞬だけ入れてそう答えると、俺はステージの上を見上げた。
総武高校の文化祭開催を告げる、オーニングセレモニー。
めぐり先輩のコールアンドレスポンスの後に続くのは、大音量のダンスミュージックと派手な衣装を身に纏った踊り子たち。あの頃の熱量と熱狂をそのままに、華々しくそれはスタートした。
「──PAです。間もなく曲あけます」
「──了解。相模委員長、スタンバイオーケーです」
雪乃からのインカムに、俺は口を引き結んだ。喋るのは自分ではないというのに、妙に緊張する。
あの時の相模は、本当にダメダメだった。カンペを落とすは、カンペ見ながらでもまともに喋れないわ、あれ以上に酷い挨拶を俺は知らない。
あの失敗の所為で相模はエンディングセレモニーをばっくれ、俺は校内中を走り回るハメになった。副産物的に雪乃たちのバンド演奏を聴くことが出来たのは、今となってはよかったと思う。
もしこの挨拶が上手くいったらだが、ステージの上で輝く彼女たちの姿が見れなくなる。それは少し寂しい気がしたが、俺は相模が失敗しないようにする為に、スケジュールの前倒し進行を推し進めてきたのだ。そんな個人的な願望は、そっとしまっておくべきだろう。
「それでは続いて、文化祭実行委員長よりご挨拶です」
司会進行を務めるめぐり先輩のアナウンスで、相模はステージへと歩みを進める。表情に余裕はなく、その目は真剣そのもの。しかしただの緊張とは違う、気迫めいたものを纏っているように見えた。
キラキラと過剰なまでに飾り付けられたステージの、その真ん中。
千人を越す生徒たちの視線を一身に受けて、ワイヤレスマイクを握る相模の手は震えている。
すっ、と息を吸い込む音までそのマイクは拾い、アンプリファイされてスピーカーから溢れ出た。
──頼むぞ、本当に。
俺は祈るような気持ちで、相模の姿を見詰め続ける。
「文化祭実行委員長の相模南です。今年のスローガンは──」
すらすらと喋り出したのを見て、俺は思わず「はぁーっ」と大きく息を吐いた。
なんだよ。やれば出来るんじゃねぇか。っていうか前がやってなさ過ぎなんだよ。
リハーサルのお陰で、喋り始めからハウリングさせるなんて初歩的ミスもない。雪乃が何度も繰り返し練習させていたから、ほとんど噛む事も詰まる事もなく挨拶は進んでいく。
「──挨拶、もう間も無く終了です。以降、オンタイムで進行します」
了解。
俺は安堵に胸を撫で下ろしながら、どこかで見ているだろう彼女に、唇の形だけでそう言った。
* * *
文化祭の一日目は、校内のみの開催だ。
二日目の一般公開日がメインだと捉えるなら、今日は本番環境での試運転日だと言える。
「君と俺は遊べないよ。俺は飼い慣らされていないから」
俺は教室の外に
いつかと同じで、俺がクラスの出し物に協力できるのは今日だけ。明日からはがっつり文実の仕事が待っている。突然やってきたにわかには、相変わらず受付ぐらいしか出来る事はない。
「おつかれっ」
耳に馴染んだ声が、頭上から降ってくる。俺が見上げると結衣は呼びかけたくせに目を逸らし、その手には何やら小さな包みを持っていた。
「おお、お疲れ」
結衣は俺の隣に置いてあったパイプ椅子に腰掛けると、トン、と静かにその包みを置いた。ちょうど俺と結衣の、真ん中のあたりに。
備品か何かだろうか。しかし今現在も海老名さん監修のミュージカルは進行中だし、机に置くというのも解せない。
「⋯⋯何これ」
「⋯⋯お弁当」
待っていても何も言ってくれないので俺がそう訊くと、結衣は
ほう⋯⋯お弁当⋯⋯。しかし俺の記憶にある限り、この場で振る舞われたのはハニートーストと称された生クリームオンザ食パンだったはずだ。そのクオリティが衝撃すぎて、よく覚えている。
「そうか」
「うん」
何とも中身のない会話だ。結衣がその包みを開けると、姿を現したのは弁当箱が二つ。
「これ、ヒッキーの分」
結衣はやはり俺とは目を合わさないまま、すっと机の上で弁当箱を滑らせてくる。
だから、気付いてしまった。
結衣の左手。親指と人差し指に貼られた、絆創膏の存在に。
「まだパン買ってないでしょ?」
「そうだけど⋯⋯。いいのか?」
「うん。食べて貰うために作ってきたんだし」
薄く頬を赤らめた結衣と、ようやく目があった。遠慮がちな視線がむず痒く、今度はこっちから目を逸らせてしまう。
「じゃあ、いただきます」
手を合わせて弁当箱の蓋を開けると、そこに広がっていたのは色鮮やかなキャンバスだった。卵焼き、ブロッコリー、プチトマト、ケチャップソースのかかったハンバーグの下には少し元気を無くしたレタスが敷かれている。
それぞれの料理は、弁当の定番中の定番だ。しかしそれぞれが手作りである事が、不揃いな見た目から分かる。昨日も遅くまで準備で残っていたはずなのに、これを早起きして作ってきてくれたのかと思うと、頭が下がる思いだった。
「⋯⋯すげぇな」
「い、いやー、あはは⋯⋯。結構ママに手伝って貰っちゃったけどね」
ばさばさと手を振ると、結衣はそう言って先に弁当を食べ始める。
俺もそれに続いて、まずはハンバーグを一口。流石に出来立てではないのでジューシーというわけにはいかないが、挽き肉に染み込んだ塩味とケチャップソースの酸味のバランスが絶妙だ。
「⋯⋯うまい」
「ほんと?」
唇に箸をつけたまま、下から覗き込んでくる仕草が実年齢以上に幼く見える。ぎゅっと心臓を掴まれるような感覚は、しかし違和感へと変貌していく。
何故結衣は、わざわざ弁当を作ってきてくれたのだろう。
多分、考えなくても分かることだ。俺はあの花火大会で、はっきりと「雪乃が好きだ」と彼女に伝えた。それでも結衣は、諦めないという事だろう。あの時と、同じように。
「で、誰が作ったんだ?」
「や、焼いたのあたしだからっ。っていうかその顔むかつく!」
薄っぺらな笑いを浮かべる俺に、結衣は肩をぶつけてくる。お陰でまるで恋人同士が
誰かに見られやしていないだろうかと周囲を見回してみるが、注視してくるような目はどこにもない。誰もが祭りの熱に浮かされて、廊下は喧騒に満ちている。
「⋯⋯ねえ」
僅かな沈黙の後に、結衣はくるりと表情を変えて訊いてくる。
「ゆきのんには、言った?」
「何を?」
完全に主語を捨て去った問いに、俺はプチトマトを弁当箱の角に避けながら応える。プチがつこうが、トマトはダメだ。
「その⋯⋯。告白、したのかなって」
余りに唐突で直裁な質問に、俺は思わず硬直してしまう。阿呆みたいにポカンと口を開けたまま、脳だけが賢明に働き続けていた。
「⋯⋯⋯⋯いや、してないけど」
「しないの?」
「今のところ、する予定はないな」
「なんで?」
「なんでって⋯⋯今言ったって、ダメだろ。多分だけど」
矢継ぎ早な結衣の質問にできるだけ真摯に答えながら、俺は雪乃の姿を思い浮かべた。
雪乃の俺に対する対応は、随分と柔らかくなったと思う。それこそこの時期にしては、俺の記憶にある時に比べてずっと良好だと言える。
けれど、それだけだ。
告白して付き合うだけではダメなのだ、きっと。
何故なら俺はまだ誰も、“救えていない”のだから。
「⋯⋯そっか」
俺の答えに、結衣はひっそりと安堵ともとれる息を吐いた。
その桃色の吐息の行先を、俺はまだ知らない。
* * *
文化祭二日目になると、校内の雰囲気はがらりと変わったように思える。
文化祭本番ともいえる今日は一般公開日という事で学外の人々の姿が数多く見え、その分ホストである生徒側のやる気も上がるというもの。昨日よりも熱量の増した呼び込みの声に、それぞれの教室から聞こえてくる歓声や叫び声。そうやって周囲が盛り上がれば盛り上がるだけ、俺は冷静になっていく。いつでも熱狂の中に、トラブルの火種はあるのだ。
「仕事の進捗はいかがかしら。記録係りくん」
背中に投げかけられたどこか
左腕に文化祭実行委員の腕章を巻いた雪乃は、腕組みの上でどこかおかしそうに笑みを浮かべていた。
「仕事なら概ね順調だ」
俺はそう言ってパシャリと、肩から下げたカメラで笑みの残る雪乃の顔を撮る。
よし、後でこっそりデータを持ち帰ろう。それで携帯の壁紙にしよう。⋯⋯ん? でもうっかり誰かに見られたら相当気持ち悪がられるな。よし、じゃあ現像だ。現像して部屋に飾っておこう。
「ちょっと⋯⋯勝手に撮るのはマナー違反じゃないかしら?」
「人の名前を覚えないやつに言われたくないな」
俺の皮肉に、やれやれとでも言うように雪乃はこめかみに手をやった。いいねその表情。もう一枚、いやあと百枚ぐらい撮りたい。データがいっぱいになるまで雪ノ下雪乃撮影会がしたい。なにそれ素敵。
「⋯⋯で、お前の仕事は?」
うっかり人差し指がまたシャッターボタンを押してしまう前に、俺は分かりきった事を問い掛ける。
「私は見回りよ」
そう言って歩き出した雪乃の隣を、いつかのように歩幅を合わせて歩く。その言葉の通りに、雪乃が教室を見る目はどこか優しいようでその奥には鋭さがあった。
「⋯⋯あのクラス、申請内容とやっている事が違うわ」
そう言って見上げたサインプレートには、三年B組の文字。恐らくクラス名を見ただけで実際の出し物と頭の中のデータベースを照合し、その不一致に気付いたのだろう。普通に常人離れした事をやってのけるうちの奥さんがちょっと怖い。
「トロッコロッコね⋯⋯」
見覚えのある看板を眺めていると、雪乃はすっと俺の横から離れて受付へと向かう。
「代表者の方はいらっしゃいますか。申請内容と異なっているようですが」
雪乃がそう言った瞬間、受付の女子生徒たちが「やっば」「文実じゃん」「ばれちゃった!」とざわつき出す。後は知っての通り。勢いで誤魔化す為に俺と雪乃を無理矢理にトロッコに乗せようとする。
「ちょっ、ちょっと」
雪乃は先輩方に両手を掴まれ背中を押され、助けを求めるように俺に視線を送ってくる。
もちろんこの展開を知っていれば回避できる⋯⋯のだが、あえてしない。理由は言わずもがなだ。
しかし知っているが故に、身体が変に構えてしまったのだろう。
「トロッコの旅へご案な〜い!」
「うおぉっ」
「きゃっ⋯⋯」
先輩方に押し込まれた瞬間に、俺は雪乃とぶつかり合うのは何とか避ける事はできたが、接触は回避できなかった。というか、触っていた。俺の手が、雪乃の太ももを。ともすれば鼠径部にまで到達せんと、俺の手は雪乃のスカートに中に入っていた。
「す、すまん⋯⋯」
咄嗟に手を引っ込め、深く首を下げて平謝り。別に初めて触るわけでもないのに、心臓は無秩序なまでに跳ねていた。
「⋯⋯⋯⋯っ」
対する雪乃はというと当然そんな部分を異性に触れられるのは初めてなわけで。顔を紅潮させ目は潤み、口はパクパクと動くだけで言葉が出ない様子だった。なんだこの反応クソ可愛いな。
「えー、本日はコロッコロッコにご乗車頂きまして誠にありがとうございます。それでは世界の深淵、神秘の地中世界を存分にお楽しみ下さい」
そんな俺たちの様子など知ってか知らずか、きな臭い口上の後にトロッコは動き始める。
コースは机や鉄板、トタンを組み合わせた簡素なもの。それを人力で転がすだけなのだから、下手なジェットコースターよりも怖い。トロッコを押す黒子たちのミス一つで、それほど高さはないとはいえ机の上から落ちる可能性だってある。
「雪ノし⋯⋯」
大丈夫かと問いかけようとした瞬間に、俺の手が温かい感触で包まれる。雪乃は前を見詰めたまま、縋るように俺の手を握ってきていた。
こんな事、俺の知る世界線であっただろうか。あれば絶対に覚えているはずだ。
「⋯⋯」
しかしまあ、そんな事はどうでもいい。
俺は我ながら姑息だと思いながらも、慰撫するようにそっとその手を握り込んだ。
「それでは追加で変更の申請を出して下さい。それから利用者には説明の徹底を」
「えー、はい、まあそのぐらいなら⋯⋯」
トロッコから降りると雪乃はおぼつかない足取りながら、しっかりと先輩方に釘を刺していた。その頬にはまだ赤みが差していて、いつもの有無を言わさぬような怜悧さが表情の影に隠れてしまっている。
三年B組の責任者の生返事を聞き届けると、俺たちは再び廊下を歩き始めた。俺たちの間に会話は無く、代わりに先ほどまでよりも半歩ほど空いてしまった
「⋯⋯その、すまん」
我ながらどの事を言っているのかよく分からない謝罪だ。対する雪乃は、こちらを見ようともしない。
「⋯⋯不可抗力による事故でしょう。謝る必要はないわ」
雪乃の頭の中にある事象は、脚を触ってしまった事であるらしい。俺でなければ気づかないほど僅かに上擦った声が、初々しい反応だ。
「⋯⋯それでも、すまん」
「⋯⋯気にしなくていいわ」
雪乃はそう言うが、嫁入り前の女の子の、しかも大事な部分にほど近い所を触ってしまったのだ。いくら将来的にお嫁さんになってもらうとは言え、いくら謝っても謝り足りない事案だろう。
「いやでも、本当申し訳ない⋯⋯」
「⋯⋯しつこい。謝らなくてもいいと言っているの」
思い出してきて恥ずかしくなって来たのか、その横顔にはまた赤さを取り戻してきている。
「その⋯⋯私も、触ってしまったし。⋯⋯ごめんなさい」
「ああ⋯⋯」
今度は手を握ってきた事を思い出しているのか、雪乃は俺の手を握り込んでいた左手を右手でさする。余りにもいじらしい仕草に、頭が沸騰しそうだった。
「それなら謝る必要ないぞ。別に嫌じゃなかったし」
前言撤回。頭沸いてた。
「それなら、私もよ」
しかしその発言に、俺の頭は沸いているどころか瞬時に蒸発した。驚愕の表情のまま、思わずじっと雪乃の顔を見てしまう。この子、言っている意味が分かっているんだろうか。
異性に身体を触られて、嫌じゃなかったと言ってるんだぞ? いつもみたいに両手で撫で回した上にペロペロくんかくんかしてもいいと、そう言っているんだぞ? いやそこまでは言ってねぇな。
「⋯⋯⋯⋯っ!」
脳内でめぐり先輩に「君、最低だね⋯⋯」と蔑まれながら雪乃の顔を見つめていると、ようやく彼女は自分の発言の意味に気付いたらしい。その頬の赤さたるや、トロッコに乗っていた時の比ではない。
「かっ、勘違いしないで欲しいのだけどっ。思っていたより嫌悪感がなかったというだけの話よ。変な意味でとらえないで貰えるかしら」
早口で言うけど、あんまり言ってる意味変わってないんだよなぁ⋯⋯。
一瞬俺を捉えた瞳は羞恥に揺れ、その相貌は常にないほど赤く染まったままだ。
「⋯⋯そろそろ行くか。地域賞とかの投票結果、もう分かってる頃だろ」
「そ、そうね⋯⋯」
そう言った俺と雪乃の間には、さっきから変わらない空間が空いたまま。
別にまあ今この時に限って言えば、こんな距離感もいいのかも知れない。
俺はポリポリと頬をかくと、こちらにまでうつってしまったらしい頬の熱さに気付かない振りをした。
* * *
体育館の舞台袖は、衣装や小道具、ギターやキーボードにと完全に楽屋状態だった。
そんな雑多な空間も、雪乃が一歩足を踏み入れると空気が変わる。その僅かな変化は、舞台袖で取り巻きたちと談笑していた相模にも分かったのだろう。ちらりと彼女は、視線で雪乃の存在を認めた。
「相模さん。エンディングセレモニーの打ち合わせをしたいのだけど」
「あ、うん」
声をかけられた相模は談笑の輪から片手を上げて外れると、雪乃の方に歩みを進めた。
「地域賞と優秀賞の結果はもう受け取った?」
「うん、ここに」
そう言って相模はブレザーのポケットに手を突っ込み、しかしそこからは何も出てこない。
「あれ?」
「どうしたの?」
実行委員長と副委員長の動きに気付いためぐり先輩がやってくると、相模にそう聞いた。相模はブレザーのポケットに何度も手を突っ込んだり中を開けて覗き込んだりしているが、そこに何もないのは明らかだった。
「その、地域賞と優秀賞の結果の紙をもらって、確かにここに⋯⋯」
段々と相模の顔から、色が失われていく。
⋯⋯マジかよこいつ。
自分が失踪しなくなったと思ったら、紙だけ失踪させやがった。
「では投票用紙は? まとめてあるのなら、数え直すだけで済むでしょう」
「それが⋯⋯集計が終わったので、もうゴミとしてまとめちゃってて⋯⋯」
何事かと集まって来たいた文実メンバーの一人が、申し訳なさそうにそう言った。事実が一つ明らかになる度に、状況は更に悪くなってきている。
「再集計にかかる時間は?」
「まず投票用紙の入ったゴミ袋を見つけ出して、それを分別しながらだから⋯⋯一時間以上は」
「それだと間に合わないわね⋯⋯」
沈痛な空気が流れ出し、誰もが口を噤む。
非常にまずい状況だ。これではいくら相模がいたところで、折角順調に運んでいた文化祭運営に汚点を残す結果になる。
「⋯⋯探すしかないな」
「そうね」
俺の呟きに頷きを返すと、雪乃は舞台袖の端にあったホワイトボードの前まで歩いていく。進行表の貼ってあったそれをひっくり返すと、簡単な校内マップを描いて俺たちを振り返る。
「相模さん。今日移動した範囲を教えてちょうだい」
「えっと⋯⋯」
相模が指差すところを、雪乃は赤のマーカーペンでチェックしていく。文化祭実行委員長として、色んな所を見て回っていたのだろう。結果として校舎内のほとんど全てが、捜索対象となっていた。
「ブロック分けして、それぞれ散るか」
「ええ」
俺が言い始めるのとほとんど同時に、雪乃は校内マップにアルファベットを割り振っていく。考える事は同じ、か。
めぐり先輩が舞台袖にいた文実メンバーと生徒会メンバーに声をかけると、関係者が全員集まる格好になる。集まったメンバーに雪乃がテキパキと指示を出す間、相模はずっと沈黙したままだった。
「では、割り振られた範囲の捜索が終わっていなくても十五分後に集合して下さい。それで見つからなければ、もう一度未捜索範囲の捜索を」
「待て。雪ノ下は残った方がいいだろ」
俺はホワイトボードに書かれたアルファベットと雪乃の名前を指差し、解散しそうな雰囲気を縫い留めた。
「⋯⋯何故? 私も探すわ」
「お前に体力がないからだよ。それに司令塔が残ってないと、いざ見つかった時や不測の事態が起きた時の判断者がいなくなる」
俺の指摘は雪乃の痛いところを突いたらしく、明らかにむっとした表情になる。しかし、反論もないらしい。
「⋯⋯分かったわ。では皆さん、宜しくお願いします」
雪乃の一言に、文実メンバーはそれぞれに散っていく。俺もそれに続きながら、舞台袖を去る間際に振り返った。雪乃は言外に「よろしく」と頷き、相模は拳を握ったまま床を見つめている。
──分かってる。
俺は目だけでそう言って、彼女たちに背を向けた。
あっという間の十五分が経ち、手書きの校内マップは無情な赤に染まっていた。つまりは捜索範囲の九割方を消化しても、結果の書かれた紙は見つけられていない。
「芳しい状況ではないわね⋯⋯」
ホワイトボードを見る雪乃の視線は鋭さを失い、諦念すら滲んできている。状況が状況だ。希望的観測から、現実路線で物事を考える必要がある。
「⋯⋯どうする?」
俺はあえて自分の意見は挟まず、雪乃にそう問いかける。雪乃はホワイトボードを見たまま、マーカーペンを走らせた。
「リミットはあと十分ね。見つけられれば予定通り。もし見つからなければ」
雪乃はホワイトボードにリミットの時刻を書き入れると、そこで相模を見た。最後は相模に決断させるつもりなのか、無言で彼女の答えを待つ。
しかし、それも難しい話だ。相模の顔からは生気が消え失せ、ろくに頭がまわっていない様子だった。
「最悪はお詫びを入れて賞の発表は後日、だろうな」
俺の提言に、相模の肩口が僅かに揺れた。いつかのように、賞をでっちあげるなんて提案はしない。この場合の責任を誰が取るかなんて、説明するまでもない話だ。
「それでいい? 相模さん」
「⋯⋯⋯⋯うん。うちももう一回、探す」
雪乃の問いかけに、相模は息を吹き返したみたいに、その瞳に意思を取り戻す。
エンディングセレモニーまであと少し。使える人員も限られている。結果の書かれた紙を見つけられる可能性の方が、低い。
それでも──僅かでも可能性があるなら、持てる手は尽くそう。相模もまだ諦めていない。であれば、大丈夫だ。根拠も何もなく、ただそう思う。
「じゃあ、十分後だな」
「ええ」
俺がそう言って雪乃を見ると、祈りを込めるような視線とぶつかる。
その目に込められた想いをぐっと手のひらに握りしめて、俺は再び舞台袖を後にした。
* * *
もう一度舞台袖に戻ってきた頃には、心拍数は上がり切っていた。
脇腹は痛いし、肺は悲鳴でも上げるかのように大きな声で鳴いている。やはりたったの十分で体育館と校舎の往復は、相当に辛い。
「あ、ヒッキー⋯⋯」
ホワイトボードの前には、雪乃の隣に結衣の姿もある。既に事情は聞いているのだろう。その目にはただ心配だけが浮かんでいた。
「どうだ?」
俺の問いかけに、雪ノ下は無言でふるふると首を振った。そして俺の捜索範囲を斜線で塗りつぶすと、手書きの校舎マップは赤で埋め尽くされた。これでもう、心当たりのところは全て探し尽くした事になる。
「比企谷くん、相模さんを見なかった?」
「いや⋯⋯」
そう言われて辺りを見回すが、当然その姿はない。
視界に入ってきた葉山たちは、エンディングセレモニー直前のバンド演奏の準備をしている。さっきまでステージでタクトを振っていたであろう陽乃さんは、壁を背に腕を組んで俺たちの様子を見ていた。
「副委員長。プログラムの変更申請をしたい。もう一曲追加でやらせて貰えないか」
葉山の提案に、雪乃はそんな事が可能なのかと問い返す。いつか見た、あの光景がリプレイされていく。
これじゃ余りにも、あの時のままだ。いや、相模とあの紙がバラバラに失踪している分、より状況は悪い。
「⋯⋯比企谷くん」
俺は黙り込んだまま、頷いて続きを促す。その先に続く台詞を、俺はもう知っている。
「あと十分、時間を作るわ。それで見つけられる?」
雪乃の覚悟の込もった視線を受けて、俺は言葉よりも前に表情の変化で返事をする。まだ肩で息をしているせいで、片頬を吊り上げるだけの、何とも不恰好な笑みになっているだろう。
「任せとけ。絶対に見つける」
その自信の根拠は、随分ずるいものだとは思う。紙の行方は皆目見当もつかないが、相模がどこにいるのかを、俺はもう知っている。
「⋯⋯時間稼ぎの方は、任せたからな」
「ええ、任せてちょうだい」
そうやって取り交わす勝ち気な笑みの、なんと心強い事か。俺は踵を返すと、舞台袖を出る。目指す場所は一つ。特別棟のその上、相模がいるであろう屋上だ。
体育館から校舎に続く通路を、人波に逆らって早足に進んで行く。
大一番とも言える最後のステージを見ようと、生徒たちの姿は次々体育館に吸い込まれていっていた。反面人気のなくなった校舎は、さながら伽藍堂。
段差を飛び越え、廊下を駆ける。階段を一段二段抜かしで駆け上がると、安心しかけていた心臓は再び尻を叩かれ早鐘を打ち出す。肺が軋むのも、額に浮かぶ汗も構わず真っ直ぐそこを目指した。
屋上へと続く階段は、文化祭の間は荷物置き場になっているらしい。俺の行く手を阻むように置かれた備品たちを押し除け、やっとの事で鍵の壊れた扉を前にする。
荒い呼吸を少しだけ整えて、その扉のノブに手をかけた。
扉を開く。吹き抜けるは
「⋯⋯いない?」
屋上に足を踏み入れ、辺りを見回す。相模どころか、人っ子一人いない。
どういう事だ?
背中に伝う汗に冷や汗が混じる。未だ息も思考も整わず、混乱だけがぽつねんとそこに在った。
いやしかし、相模が屋上にいないのであればここに留まる必要はない。俺は校舎の中に戻りながら、記憶の中の心当たりを探っていく。
あの時、俺はどうやって相模を見つけるに至ったのか。ヒントは材木座との会話だったが、もうその当ては外れている。だとすれば、何かきっかけがあるとすれば⋯⋯あそこしか残っていない。
乳酸に苦しむ大腿に鞭を打って、廊下を駆けていく。やがて到達する、二年F組の教室の前。
パイプ椅子に座るのは、青みがかった黒髪、ポニーテールの少女。川崎沙希はあの時と同じように、長い脚を組み窓越しの景色を眺めていた。
「川崎⋯⋯」
俺の問いかけに、はっと川崎は顔を上げる。
「え⋯⋯あんた、なにぜーはー言ってんの?」
「相模、見なかったか?」
川崎の質問には答えず、俺は不機嫌とも取れるほどぶっきらぼうにそう訊いた。もう残り時間は、それほど長くはない。
「いや、見てないけど⋯⋯」
「そうか⋯⋯」
落胆に落とした肩が、乱れきった呼吸に上下する。
これで、手詰まりなのか。
相模は見つからず、結果の書かれた紙すらも見つからない。このままいけば、次長である雪乃が全生徒の前で各賞の発表を先延ばしにする事を謝罪しなければいけなくなる。それだけは、絶対に──。
「あ、そうだ」
川崎の声に思考が中断される。ブレザーのポケットを漁った彼女の手の中にあるのは、頼りないほどよれよれになった一枚の紙。誰かに踏みつけられたのか、端の方には足跡までついている。
「これって、大事な物じゃないの?」
川崎から受け取った紙を見て、俺は膝から崩れ落ちそうになる。
──あった。
俺たちが探し求めていた、各賞の結果の書かれた、あの紙だ。
「⋯⋯これ、どこに?」
「分かんないけど。一般のお客さんがここに届けてくれて、本部に届けようと思ってたんだけど、当番があったから⋯⋯」
俺の表情から事の重要性を読み取ったのか、川崎はバツの悪そうな顔をする。何はともあれ、ありがたい。これで最悪の事態は回避できる。
「⋯⋯比企谷?」
黙り込んでしまった俺を怪訝に思ったのか、川崎が下から俺の顔を覗き込んでくる。しかし返事をするより先に、俺の脚は動き出していた。
「サンキュー川崎! 愛してるぜ!」
言い捨てて、また廊下を走り出す。
階段を駆け降り出す瞬間、もの凄い絶叫が聞こえた気がするが、俺は構わず走り続けた。
* * *
体育館に向けて走りながら、俺は一つの思い違いに気付いていた。
まったく俺は何故、相模が屋上にいるなどと盲信していたのだろう。
あの時とは、違う。
それは状況だけではなく、相模自身にも言える事だったのだ。俺はすっかりその事を取りこぼして、過去の経験を頼りにし過ぎていた。
相模は雪乃のサポートを得ながらも、確実に文化祭実行委員長としての責務を努め、オープニングセレモニーの挨拶だって成功と言っていい出来だった。
実行委員長として、自信と実感、責任感を持った相模は、今どこにいるか。自ずとその場所は限られてくる。
「────」
体育館の扉を開き、中に入る。途端に包まれるのは歓声と熱狂の渦。スポットライトに照らされたステージの上で、彼女たちは燦然と輝いていた。
腹の底をひっくり返すような重低音がリズミカルに鳴り響き、ディストーションの効いたギターサウンドと絡まり合う。跳ねそうになる結衣のメロディーラインを、雪乃は三度下の音で支えハーモニーを奏でる――。
できる事ならば、彼女たちのその姿を目に焼き付けるほどに、そのステージを観ていたかった。しかし今の俺はオーディエンスでもプレイヤーでもなく、単なるホスト。最高のフィナーレを飾る為に、その脚を止める事はできない。
壁際に立つ観客の前を、足早に横切っていく。やがて倉庫の前に立つと、俺はそっとその扉を開けて中に入った。
ひゅっ、と息を飲む音がする。外側に面した窓から溢れる光の中で、俺はついに最後の探しものを見つける事ができた。
「相模⋯⋯」
倉庫の扉を閉めると、煌びやかな音塊も狂騒に満ちた歓声もどこか遠くくぐもってしまう。俺に呼ばれた相模はマットの上で体育座りになったまま、目を見開いていた。
「⋯⋯なんで、ここに」
その問いの答えは、至ってシンプルだ。実行委員長として失敗してしまうかも知れないという絶望と逃避。そしてその結末だけは知りたいという中途半端な責任感。相模がエンディングセレモニー会場の近くにいるであろうという事は、半ば必定だったように思う。
「結果の紙、あったぞ」
俺は相模の問いには答えず、件の紙を差し出した。しかしそれを見た相模は、首を横に振って俯いてしまう。
「⋯⋯相模」
「⋯⋯うちに発表する資格なんてない。紙、無くして、みんなに迷惑かけて、逃げちゃった」
最低、と呟いた声は扉越しの歓声でかき消される。相模の言っている事は、半分事実で、半分は欺瞞だ。他でもない、自分に向けた大嘘だ。
「けど見つかったぞ。エンディングセレモニーにも間に合った」
「⋯⋯⋯⋯」
「聴こえてるだろ。雪ノ下たちが時間を稼いでくれてる。文化祭を、ちゃんと終わらせてくれ」
俺の言葉に、返ってくる声は無い。相模の肩は細かく震え、嗚咽混じりの吐息が時折り耳に届くだけ。
「⋯⋯相模」
呼びかけても、その姿勢に変化は無い。焦燥感と苛立ちが、嫌な音を立てながら忍び寄ってくる。
「頼む」
片膝をついて、紙を差し出す。しかし俯いたままの相模は、それに気付きもしない。
──ふざけるなよ。
この期に及んで逃げ続けるなんて、許さない。彼女たちの必死の努力を、真摯な想いを踏み躙ることなど、絶対に許しはしない。
「⋯⋯でも。うちにそんな資格⋯⋯」
あるんだよ、資格じゃなくて責任が。最後はお前がやらなきゃ、どうにもならないぐらいの責任が。
どうして人は、こんなに簡単に逃げるのか。できない、やれない、そんな資格がない。言い訳ばかり探して、被害者に擬態する。一番の加害者だというのに、声高に自分は被害者なのだと泣き咽ぶ。
俺はそんな甘えを、許容しない。
「⋯⋯相模、立ってくれ」
時間はもう、僅かばかりしか残されていない。立ち上がって手を差し出しても相模は見向きもせず、事態は一寸の進展もなかった。
「でも⋯⋯」
か細い、否定の声。まだ逃げるという、ただの甘ったれた宣言。
「いい加減にしろ!」
思わず俺は、叫ぶようにそう言っていた。
余りにも大きな声で、言った自分ですらキンと耳鳴りがする。相模はびくっと顔を上げて、見開かれた目を瞬かせた瞬間に一筋の雫が落ちた。
まったく、年端のいかない女の子に怒鳴るなんて大人気ないにも程があるし、その上泣かせるなんて非道の極みだ。善人ぶった悪人の有様に、我ながら嫌になる。
「分かってくれよ⋯⋯。雪ノ下たちが、どんな想いでお前を待ってるのか、考えてくれ」
続いて出てくるのは、懇願するような情けない声だった。差し出していた手を引っ込めて、固く握り込む。
「頼む⋯⋯。相模実行委員長」
その呼び方は以前彼女の覚悟を問い質した時と同じ。けれどその響きも意味も、今日は全て違う。
そしてゆっくりと、相模は立ち上がった。
すんとしゃくりあげ、真正面から俺を睨む。
「⋯⋯分かった」
そう言って相模は俺から結果の書かれた紙をひったくるように取ると、体育館へと続く扉へ向かい歩いていく。泥のような疲れと脱力で、全身が弛緩していく。
「⋯⋯ごめん」
相模がそう言って扉を閉めた瞬間、俺は膝を折りマットにへたり込んだ。
──何だよ、いい顔すんじゃねぇか。
ばたんとマットに倒れ、天井を見上げる。
扉の向こうからは、最後のコーラスを歌い上げる彼女たちの声。その声は自らの叫びに痺れていた鼓膜を慰めるように、いつまでも耳の中を木霊していた。
* * *
エンディングセレモニーのあと。
未だ片付けの終わらぬステージの前で、相模を中心とした輪を作った文実メンバーが時に笑い、時に泣きそうな表情を浮かべている。
「驚いたわ。あの短時間で、まさか両方とも見つけてくるなんて」
雪乃は腕を組み、輪の中心にいる相模を見詰めていた。相模は周囲のメンバーと握手や抱擁を交わしながら、目には薄っすらと涙を浮かべている。
その光景を映す目に母性すら滲ませて、雪乃はひたすらに柔らかく優しい視線を送っていた。
「うん⋯⋯。なんか、魔法でも使ったみたいだったね」
結衣は雪乃に寄り添いながらそう言うと、そうねと彼女は頷く。
事実、エンディングセレモニーでの相模の立ち振る舞いには目を見張るしかなかった。各賞の発表を情感豊かに終えると、その後の挨拶では感極まったのか最後の最後で零す涙。彼女を励ます声には、あの時よりも確かな熱量があったように思う。
⋯⋯まあ、あの涙は俺が焚き付けた結果、悔しがって泣かせただけなのかも知れないけど。
「なんか全部、すごいよかった。あたしもゆきのんとステージ立てて、めっちゃ緊張したけど楽しかったし。もう一回ぐらいなら、やってもいいかな」
「⋯⋯私はごめん被りたいわね」
結衣の提案に、雪乃は心底嫌そうな顔で肩をすくめた。まあこういうの苦手なのは知ってるけど、あんまりな反応じゃないですかね。
「⋯⋯俺はもう一回、見たいけどな」
俺がそう言うと、雪乃も結衣も時を同じくして固まってしまう。なんだろう。何か変な事を言っただろうか。
「ヒッキー⋯⋯」
「⋯⋯見ていたの?」
「まあ、少しだけな」
いやいや前も見てたんだしそんな驚かんでも⋯⋯とは口が裂けてもいないが、それにしたって驚き過ぎだろう。
雪乃も結衣も俺から視線を逸らすとそれぞれの赤さで頬を染める。
なんだこいつら⋯⋯。二人揃って可愛いの塊かよ。
「⋯⋯やっぱり、二度とごめんだわ」
「あたしも、やっぱ無理⋯⋯」
「えぇ⋯⋯」
雪乃はともかく、結衣まで嫌なのかよ。自分でやりたいって、言ったくせに。
でもまあ、それでもいいか。
余分にもう一回、ほんの少しでも見られただけ
「さ、片付けて早く帰ろうぜ」
できればもっと、青く温かい彼女たちを見ていたいなんて、そんな思いに後ろ髪を引かれながら。
俺はそう言い、歩き出す。今日は余りにも色々あり過ぎたし、走り回り過ぎた。
「あ⋯⋯ヒッキー、打ち上げは」
「いかん」
「答えるの早⁉︎ もうちょっと考えてよ!」
結衣の非難に、クスリと小さな笑い声が相槌を打つ。
このやり直しの文化祭が成功に終わったのか、否か。
それは彼女たちの表情だけが、知っている。
お読み下さりありがとうございました。
文化祭後編はいかがでしたでしょうか。今まで一番高いテンションの話になっていますし、書いていて非常に楽しいお話でした。
さて、この話からは週一ぐらいの更新になりそうです。ある程度先までは書いてストックしてあるのですが、投稿する前に何度も推敲した方が質は上がりますし、ストックがなくなると性格上次々早く書こうとしてミスが増えるので……。
前話ではたくさんの感想をありがとうございました。
今回も感想等反応を頂けると、嬉しいです。ではまた来週、修学旅行編でお会いしましょう!