個性『タイムブースター』   作:スネーカー

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お久しぶりです。



家族会議、但し僕を除いて

 

 僕が、お笑い芸人と勘違いした人達は何と!この国で一番のヒーローとその相棒そしてその師匠だった。

 そして、その№1ヒーロー御一行と僕達一家は一旦、僕の家に帰る事になった。

 それから、そう時を経たず祖父である刻早広重が家にやって来た。

 

 家に帰ったら事情聴取の時間だった。

 現役警官の伯父と祖父、そして現役トップヒーローであるらしい一行に起こった事を包み隠さず全て語った。

 

 「あのロリコン変態ヴィラン、速く捕まえてよね!」

 

 「ロリコン……oh……」

 

 あの人、いつも膝を着いているけど本当にナンバー1ヒーローなのだろうか?

 キラリと輝く目元の雫は気のせいだと思いたい。

 

 「(クソ!なんで俺が、アイツの仇のフォローなんざしなきゃならんのだ)あのなお嬢ちゃん、あのヴィランはこの国で最悪のヴィランで、多くのヒーロー達が戦いそしてそのヒーローを退けてきた、そんなヴィランなんだぞ。そんなヴィランを指してそのな……」

 

 「え、あのロリコンそんなに凄いヴィランだったんですか!あぁ、変態が強いとか創作だけにして下さいよぉ」

 

 「違うよ、ちーちゃん!対象がちーちゃんだとロリコンじゃなくてペドフィリアでもっと危ない奴だよ」

 

 「おいこら!」

 

 「この馬鹿者が!」

 

 グラントリノというおじさんヒーローが僕の認識を改める為に、あのヴィランについて説明している所にお母さんがちゃちゃを入れ伯父さんと祖父が 叱りつける様を横目に、更に追撃を受けショックを受けているオールマイト、それを必死に慰めている相棒のサー・ナイトアイの図に、取り合えず無視をする事にして、グラントリノの言葉を反芻して考えて返答する。

 

 「わかりました。グラントリノさん、皆さんや他のヒーローの前で奴の事をロリコン変態ヴィランって言うのは止めておきます」

 

 「お、おうそうしてくれると助かる(後ろのアレは無視かよ)」

 

 「でも、ですよ。奴の事はこれから何があろうと、私の中では永久にロリコン変態ヴィランなんです。よく考えて下さい。児童である私に、腕を触手にしてフフフと嗤いながらジリジリと迫って来る背広大男の図を!」

 

 「………………………………………………………………………………………確かにその通りだな」

 

 「グラントリノ!」

 

 オールマイトの悲痛な声が無情にも響く、その声が涙声なのはきっと気のせいだ。

 

 「あー、千尋や、まずは良くアイツから無事逃げ切った、疲れただろう。ここからは儂等で話しとくからリビングなり自分の部屋で休んでなさい」

 

 祖父が露骨な軌道修正をした、多分これから子供向きの話では無い、血生臭い話をするから僕を離したいのだろう。

 

 「うん、わかったリビングでTVでも見てるよ」

 

 子供の僕が居ても話しづらい話題だろうから、賢い僕は空気を読んで退散退散。

 

 「「「ほっ」」」

 

 おい!何で安堵のため息をつくんだ!

 

 

 ☆

 

 

 リビングでドラ〇もんを見てて思う、ジ〇ジ〇もそうだ、なんであいつ等止まった時間の中で自由に動けるんだ?ずるくない?こちとら空気抵抗やら水の硬化やらで行動が阻害されるし、すぐに燃料切れで使用不可になるのに!

 一番近い創作の能力だと、仮面ライダーカブトのクロックアップになるのかな?でも、仮面ライダーにわかの僕でも知ってるけど、ライダー達って普通にパンチ力とかキック力がt単位で化物なんだよなぁ、そりゃ物理法則とかもあったもんじゃないよなぁ。お母さんもライダー並みかどうかは解らないけど素の身体能力おかしいし、やっぱりこの個性を使いこなすにはまずは身体を鍛えるしか無いのかなぁ。

 まぁ、普通に生活するんならこんな能力邪魔なだけなんだけど……

 

 今日初めてヴィランに襲われて初めて理解した。

 あんなのがこの国では、平然と闊歩している社会なんて……

 安心して子供が外で遊べないじゃないか、そんな社会って健全な社会と言えるのだろうか。

 僕はそんなに気にして無かったけど、前世の世界って本当に平和だったんだなぁ。

 だからこそ言える、あんな事をする奴が平然と現れる社会なんて世も末じゃないかと!

 まだ子供の僕だけど、僕が知る平和をこの世界の子供達にも教えたい。

 ロリコンやショタコンに怯えず子供達が外で遊べる社会、そんな当たり前の事ができるように世界に……するにはどうしたらいいのだろうか?

 

 生憎と僕はこの世界に転生してから、10年も満たないから前世の常識の方が当然、当たり前だと考えてしまう。

 まぁ、子供達が気兼ねなく外で遊べるような社会という考えじたい、前世の常識に影響されてると言われてしまうとその通りなのだけど。でも、その方がよくない?

 この世界の秩序の基盤は警察では無くヒーローが担っている、警察は警官が個性を使いだすと統率がとれないからという前世の常識を持つ僕からしたら、良く分からない理由で個性を使わないという。(ヒーロー同士が、即興でチーム組んだ場合は警察以上に統率が取れないのでは?)

 やはり、文化が違う!

 僕も最早この世界の住人!

 この世界独特の文化である、『ヒーロー』を知らなければならない!

 でなければ、この世界の事を理解できない。

 僕の知る平和をこの世界の人々に伝える為にも、まずはこの世界を理解しなければ。

 理解するには、やはりヒーローに成るのが手っ取り早いだろう。

 

 

 ☆

 

 

 大人組の話し合いが終わり、ゾロゾロと応接室から出てくるのが見えた。

 善は急げとも言うが、まずは筋を通す。

 オールマイトの姿を見つけて、言うべき事をいう。

 

 「あの、オールマイトさん。初対面の方に、筋肉モリモリマッチョマンの変態って言ってごめんなさい!ああ、でも。いきなり貴方のような巨漢が、触手生やした巨漢に追われている子供に突然現れて、大きな声を上げるのはおすすめしません。普通に怖いです」

 

 僕がそう言うと、オールマイトの近くに居た青年が叫んだ。

 

 「それは!オールマイトが人々を安心させる為に……」

 

 「安心させる為に?ええ、まぁ。TVや野次馬で見ている人達からしたらそうでしょう。でも……」

 

 「こら千尋。お前の言葉は現代人にはナイフなんだから、発言の前に一旦考えてから発言しなさい。御三方も、この娘は良識はあるが常識は無いから話は振るなと先程話をしたでしょう」

 

 酷い言われようだけど、確かに僕にこの世界の常識はあまり無いと言ってもいいだろう、何せニュースとか見ないしね。

 しかし何だろう、何故オールマイト一行は僕の顔をチラチラと覗いてヒソヒソ話をするのだろう?

 確かに、僕の無知で無礼な事をしてしまったかも知れないけど、僕みたいな幼女の言葉に一々目くじらを立てるなんて、器の大きさが知れてしまうよ?

 

 「ちーちゃん、これから私達はちょっと出てくるから、少しの間伯父ちゃんとお留守番しててね」

 

 「ふーん。あのアフォ関連?さっさと解決して来てね?」

 

 「まっかせなさーい」

 

 「「「「「……はぁ(疲れて、もうリアクション取りたくない)」」」」」

 

 この人達って、人の話聞いてため息つくって凄く失礼だよね?僕の事どうこう言えないのでは?

 

 「じゃあ千尋、今日は伯父さんが腕によりを掛けて美味しい夕飯作ってやるから、一緒にスーパーにでも行くか」

 

 「ああ、伯父さんスーパー行くんだったら、ちゃんと冷蔵庫の中身確認しなきゃ、余ってる食材結構有るから、作る物決めてからにしないとダメだよ」

 

 「はーい!ちーちゃん、だったらお母さんポトフがいいでーす。帰って来てから、温めるだけで食べられるのが最高だよね」

 

 「洋風?和風?」

 

 周囲が和風ポトフとは何ぞや?って顔をしているけど、ただのおでんなんだよなぁ。

 前世でどういう訳か、おでんを和風ポトフと周囲が言い出したから、僕もそれに釣られておでんを和風ポトフって言うようになった。

 

 「普通のポトフ」

 

 「ハイハイ、洋風ね。ソーセージ無いから買わないと、あと手羽先か手羽元もいるね」

 

 何だろう、また周囲の視線がおかしくなった気がする、今の会話におかしい点が有っただろうか?

 何故か祖父は怒って、母を外に引っ張って行き、オールマイト一行もそれに続いた。

 

 「千尋がいつも料理をしているのか?」

 

 「え?うん。お母さん、ちょっと味に無頓着だから、僕が料理してるんだ」

 

 「そうか、凄いな千尋。うん、あのバカ妹見捨てて、親父や俺と一緒に暮らさないか?」

 

 「何が言いたいかは分かるよ、あの人は戦い方とか個性の使い方を教えるのは上手いけど、子育ては全然ダメ。例えば、食事とか放っておくと砂糖と塩と油を適量混ぜ込んだ物で三食済ませようとするしね、洗濯とか掃除も必要最低限、人間が生活できるレベルだよ。倫理観とかもどうして貴女ヴィランやって無いの?って思うレベルだから、キチンと僕が近くで見て無いと……っていうか、僕よりお母さんが伯父さんと御祖父ちゃんと暮らして欲しいよ」

 

 「……なんか……すまん」

 

 アラサーの男性が、小学生の女児にガチですまなそうに謝る絵面って凄いね。あと、お母さん引き取って(意訳)ていう冗談に反応して欲しかったよ。

 

 「……………………」

 

 「……………………」

 

 いや、なんだこの空気!?

 いつまで、伯父さんは申し訳なさそうな表情を浮かべているんだ。

 そ、そうだ。

 

 「伯父さん、僕ヒーローに成ろうって思うんだ。だから、強く成りたい!あんな危険人物が平然と闊歩している世の中を変えたいんだ。伯父さんは、警察の特殊部隊で個性を使わずにヴィランを捕まえれるんでしょ?こう、捕縛術とか格闘技とか凄いって聞いているよ、だから教えて欲しいんだその技術を!」

 

 「……………………」

 

 え!え!何かリアクションが欲しいよ!?

 

 




次回は入試かな?
続きの投稿速度は、気分しだいかな。
今回も9割がた完成したの数か月前なのに、こんな事になってるし期待しないで待っていてね!
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