ほのぼの鬼殺隊生活(完結)   作:愛しのえりまき

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急遽思いついて書いた柱たちによるクリスマス会。


第二十六話 柱たちのクリスマス~鬼滅の天使~

 

「クリスマスって言うんですよ。西洋では家族でお祝いしたりするんです」

「へええ。まあどちらにしても鬼殺隊には縁のねぇ話だなぁ」

道すがらの斗和の説明にあまり関心を示さず、不死川は生返事だ。

 

 

 今日は柱稽古や最終決戦に向けての報告、上弦や無惨に関する詳細な情報を柱の面々に伝える緊急柱合会議が招集されている。情報の出所は倫道と斗和の原作知識によるが、あくまで耀哉の超常的な能力と産屋敷家の情報網の力、ということにしてある。そして会議の後は、耀哉が柱たちの慰労会を開いてくれることになっていた。飾りつけやプレゼント交換などはもちろん無い慎ましさだが、丁度時期も時期、まさにクリスマスパーティーだ。

 

 斗和と不死川が連れだって本部にやってくると、既にメンバーがほぼ揃っていた。

 

 無惨と上弦に関する詳細な情報が伝えられ、今後の訓練に活かすため、みな一様に驚きと戦慄をもって真剣にそれに聞き入った。最終決戦は年明け間もなくとの予想が発表され、一同は気を引き締めて訓練に臨むことを誓った。

 

 会議後は耀哉の提案もあり、柱たちの日頃の苦労を労い、士気の高揚と柱同士の親睦を深めるため慰労会という名の飲み会が開かれることになっていた。斗和と倫道が加入してからはイベントが立て込んでいたため、柱同士が集まっての食事会などは行われていなかったこともあった。

 

「では、今日は私から感謝のしるしだ。わずかばかりだが酒肴も用意してあるから、日頃の苦労を忘れて、英気を養って欲しい」

耀哉は挨拶の後引っ込み、本部付きの隠たちが数人入って来て料理や酒などを座卓に並べ、パーティーが始まった。

 

「よう、お前ら本当に若夫婦みたいだな」

宇髄が不死川と斗和を茶化す。

「蓬萊も、以前のあのド田舎の芋娘の面影がねえくらいに垢抜けたじゃねえかよ。もう芋柱って呼び名も封印かねぇ。しかし変われば変わるモンだな」

宇髄は感心しきり、という調子でさらに続ける。

 

(この野郎!とうとうみんなの前でその呼び方をしたな!)

斗和はそれ以上言うなと宇髄を睨んだ。

 

「ちょっとその呼び方は止めてくださいよ派手柱様!」

斗和が負けじと反撃する。派手柱、とはもちろん宇髄のことだ。

 

「ほう、言うじゃねえかよ芋柱」

宇髄もにやにやしたまま応じた。斗和と宇髄の同期コンビがそんな鍔迫り合いを続けていると、

「でも本当にお似合いですよぉ。いつからなんですか?あの会議の時もみんなの前で堂々と宣言してましたもんね!」

伊黒とおしゃべりしていた甘露寺が、山盛りの取り皿を持ちながらうっとりとした様子で話に入ってくる。

 

(あれは違うのよ甘露寺さん!そんなつもりじゃくて……倫道ぉぉぉ!)

斗和は以前の柱合会議で、“不死川と夫婦に”と言ってしまったが、柱合会議の席でそんな暴露をする意図は全く無かった。柱たちの前で就任の挨拶をしなければならず、ド緊張の斗和に倫道がカンペを出してくれたが、助けてくれたと思っていたカンペの中に交際宣言をさせる内容があり、その悪戯ににまんまと嵌められただけだったのだ。

 

「なあ煉獄、芋娘が柱になったら芋柱だよな?」

宇髄が調子に乗って、杏寿郎を話に引き入れた。

「芋柱、と言うのは蓬萊のことか?宇髄!蓬萊は決して芋娘ではないぞ!それに芋柱では芋の呼吸になってしまうな!」

杏寿郎は斗和への想いはもう整理がついたのか、豪快に笑っている。

 

「壱ノ型 蒸かし芋!……って、止めてくださいよ煉獄さんまで!」

斗和が乗り突っ込みをすると、

「そうなると、弐ノ型は“焼き芋だな”!」

杏寿郎も面白がって続け、

「あ、じゃあ参ノ型は“大学芋”で!本郷の三河屋さんの大学芋食べたいわ!!もう、そんなこと言うからまたお腹空いてきちゃった!」

甘露寺も取り皿の料理を一気に口に入れながら言った。

「お前らただ調理法を言ってるだけだろ!!技でも何でもねえ!」

宇髄が突っ込むと一同は大笑いになり、下らなさに呆れていた伊黒までが、釣られて少し笑った。

 

 斗和の周りには人が集まり、みな賑やかに騒いでいる。不死川は宇髄の芋娘いじりを笑って聞き流していたが、宇髄が斗和を遊郭での任務に連れ出そうとしたと聞いてひと悶着起こった。だが杏寿郎と伊黒が抑えて事なきを得て、また笑いの渦に包まれる明るい雰囲気に戻った。

 

 一方。

「時透君はお酒ではないものにしましょう」

時透にお茶などを勧めながら、カナエ、しのぶ姉妹で悲鳴嶼とともに何やら話し込んでおり、こちらも和やかな雰囲気だった。

 決戦が迫る中、束の間の楽しい時間を過ごす柱たち。

 

 しかし座敷の隅っこでは、賑やかなざわめきから取り残され、倦怠期の夫婦のような二人。

 

 

 

 会議が終わり、宴の始まりの時に倫道はちょんちょんと肩を突かれた。

「水原さん、此方へ来てください!」

振り向くとカナエが花のような笑顔を浮かべ、倫道の手を引いてそのまま歩き出したのだ。

 

(ええええ!ちょっとカナエさん!何て大胆な!でも俺には、その、色々と)

嬉し恥ずかし、顔を赤らめて戸惑う倫道の手をぐいと引きながら、カナエはずんずん歩いてい行く。

 

「はい、水原さんの席はこちらです!では」

カナエは満面の笑顔で爽やかにそう言い残し、しのぶたちのいる卓に戻った。

 

「……あ」

倫道が視線を落とすと、そこに座っていたのは冨岡だった。

 

 

 

 

 

「ちょっと姉さん、あれ大丈夫かしら?あそこだけ空気が淀んでない?」

「大丈夫よ、もともと同門なんですもの。積もる話もあるでしょうし、水原さんなら上手くやるわよ。放っておけばいいのよ」

しのぶとカナエがチラチラと視線を送る先には、水柱二人、冨岡と倫道が黙って向かい合っていた。

 

「……」

「……」

「……」

「……」

(なんで俺が)

倫道はカナエに命じられ、ボッチの冨岡の相手をしているのだった。

 

「水原、お前も他のみなと話して来れば良い。俺は一人で食べているから構わないでくれ」

冨岡は表情も変えずに料理をもそもそと食べている。普段よりも幾分か表情が柔らかいのは、目の前の料理が大好物の鮭大根だからだ。

 

(そう言われちゃうと困るな。ここで離れたら何だか俺がひどいヤツみたいじゃないか)

倫道は困ったが、仕方なく共通の話題で何とか場を持たせようとした。

 

「そう言えば炭治郎君ですけど、冨岡さんがあの時見逃してくれたおかげでここまで成長できたんですよね。上弦の鬼と二戦二勝、しかも五体満足ですからね」

「そうか、お前は炭治郎の戦いぶりを見ているのか」

「見ましたよ。冨岡さんは、彼が“ヒノカミ神楽”という独特の呼吸を使うのを知っていますか?」

「噂程度には聞いている」

 

「あくまで俺の推測ですが、“ヒノカミ神楽”とはおそらく――」

倫道はもったいぶって、大層なことを言う雰囲気を醸し出しながら意味ありげに話を一旦打ち切った。

 

「何だ?」

冨岡は興味半分、嬉しそうに話す倫道に合わせてやる意図も半分で聞いてやった。原作を知っている倫道であったが、さも自分の推測であるかのように告げた。

 

「始まりの呼吸、日の呼吸ではないかと」

「!」

さすがに冨岡も驚いた。

 

「まあ、そうであったら良いなと。その程度の推測ですけど」

会話の糸口を掴んだ倫道に乗せられて、その後冨岡は何時になく色々と語り、時には笑い合うくらいに盛り上がった。ただそれは他の者から見ればぼそぼそと呟き合い、お互いに時々にやりとするだけ、という不気味な様子であったが、気付けば時間もそれなりに経過していた。

 

 倫道が周囲を見渡すと、宇髄と斗和、不死川を中心に盛り上がっていた一団はばらけ、伊黒と甘露寺、時透も既に帰っており、悲鳴嶼は耀哉と話があると言って中座していた。杏寿郎と宇髄はお互い勝手な事を言い合いながらガハハ、と大声で笑っていた。

 

 無謀にも飲み比べを挑んで潰されたのか、机に突っ伏して寝ている不死川の横で、斗和が一人杯を傾けていた。良く見るとアルコール度数のとても高そうな鹿児島の芋焼酎と日本酒を手元に置き、芋焼酎をぐいっと飲んだ後、口直しとばかりに日本酒を手酌で呷(あお)り、顔色も変えずにそれを繰り返しているのだ。

 

(うわあ!日本酒をチェイサーに芋焼酎飲んどる!!もう人間じゃない!)

酒に超弱い倫道が驚愕の表情を浮かべて恐る恐る眺めていると、斗和がふと顔を上げ、倫道と視線が合った。

 

「倫道君!ちょっとこっちに来なさい」

手招きする斗和、倫道は少し迷ってぐずぐずしていたが、それでも斗和は強く手招きを続けた。

(逃げ遅れた……)

仕方なく倫道は座卓を挟んで斗和の前までやって来た。

「何で立ってんの?座んなさいよ」

「えっ?い、いやあ、あのですね、俺はもう失礼しようかなと。お先にドロンで、なんちゃって……」

倫道がビビりながらごもごも言っていたが、

 

「座れ」

「はい」

斗和が命じると、倫道はすぐに正座した。

 

「ちょっと倫道君に言いたいことがあったのよ」

斗和は持っていた杯を座卓に置いて、倫道にひたと目を据えた。

 

「ひえっ、な、何でしょう?」

「あのさ、えっと、その。えーと……。いつも、あり――」

斗和が言いかけた時。

 

「こらぁ!水原!」

さらに酔った女の声が響き、正座した倫道の襟首を背後から掴んで引っ張る者がいた。どてんと後ろに転がった倫道が起き上がって振り向くと、しのぶがべろべろに酔っ払い、カナエが「止めなさい!」と懸命に静止していた。

(女性の柱は絡む人多いなあ。複数の酔っ払いに同時に絡まれるってもう地獄じゃん……早くお家に帰りたい……)

倫道は飲み会に参加したことを後悔していた。

 

「どうせ私は頸を斬れない中途半端な剣士よ!柱の資格なんて無い!あんたもそう思ってるでしょ!」

眼が据わったしのぶが怒鳴る。

「そんなことないですよ、しのぶさんは十分強いですよ」

倫道が慰めるが、しのぶはふと素面に戻ったような様子で、

「それでも体格や筋肉量はどうにもならないでしょう!男で上背もある貴方には分かりっこない!」

悲しそうに、悔しそうに呟くしのぶ。

 

(確かに戦闘においては体格差のハンディは大きいよな、体重別の競技じゃないんだから)

格闘技において、軽量級の選手が体重差のある重量級の選手に挑むのは並大抵のことではない。体重差による技の威力の差、リーチの差。それは勝敗を分ける重要なファクターであるのは紛れもない現実だ。

 絡まれて面倒くさいと思いながらも、鬼滅の原作の中で人一倍小柄なしのぶの苦悩を知っている倫道は切なくなった。

 

(何かおかしいな)

ブツブツと独り呟くしのぶを見つめていると、倫道はある疑念を抱いた。

 

(もしかしたら全然酔ってない?酔っぱらったふり、と言うか……そんな風にして吐き出したい思いがあるのかな?)

そう思った倫道は、あくまで酔っ払いの相手をさせられて困っている人を演じ続けた。

 

「しのぶには毒を作って鬼を倒す頭脳があるじゃないの!それに医術も、私よりずっと」

カナエが慰めるが、

「それもまだ全然だめなの!救えていないのよ!……私は剣士にも、天使にもなれない!」

しのぶは杯を机に乱暴に置くと自分で酒を注ぎ、また呷った。

 

 しのぶの言う天使、とは。

 倫道には思い当たることがあった。クリミア戦争において、従軍看護師として傷病者たちの看護、治療に精力的にあたり、その後様々な改革を行い現代看護学の基礎を築いたフローレンス・ナイチンゲールのことだろう。

 

「しのぶはまたそのことを言っているのね」

困ったものだ、とカナエは嘆息する。自分には力が足りない、居ても意味が無いのではないか、そんなことを口にするようになっていたからだ。

 

「いえ、しのぶさんも、そういう意味で言うなら蝶屋敷の人たちも天使です。――そう言えば、ナイチンゲールは確かにクリミアの天使と呼ばれていますが、彼女自身はそう呼ばれることを良く思っていなかったらしいですよ」

倫道はしのぶに声をかけた。

 

 

――「天使とは、美しい花をまき散らす者のことではない。苦悩する人のために戦う者のことだ」――。

ナイチンゲールの言葉を訳したとされるこのような文章が有名だが、倫道は原文を見て違和感を覚え、これは余りにも意訳が過ぎると考えていた。

 

 

「要するに、優しく美しいだけの存在ではないと言いたいのだと思います。お花を撒いて歩くなんて、そのような事ならやろうと思えば誰しもができるんです。でも本当に天使と呼ばれるべきは、健康を害し回復を妨げる事を取り除くために、“仕事”をやり抜く人だと言っているんですよ。仕事というのは直接患者を介護するだけでなく、例えば血液や排泄物で汚れた患者さんの体をきれいにするような、汚くてきつい仕事って意味です。そんなきつい仕事を誰にも感謝されることなくやり遂げる人が天使なのだと」

倫道は静かに、しかし懸命に語る。カナエは感心して聞き、いつの間にかしのぶもじっと聞き入っていた。

 

「俺も刀鍛冶の里での戦いの後、お世話になったから分かります。直接患者の目に触れないところでも、しのぶさんもカナエさんも、蝶屋敷のみなさんは全員が昼夜を分かたず一生懸命に治療に当たっておられた。本当に頭が下がります。だから、私たち患者から見ればみなさんは天使に他ならない」

倫道は感謝を込め、熱心に語った。それは偽らざる思いであり、心からの賛辞だった。

 

「二人を始めとする蝶屋敷の者たちの働きには、隊士たち全員が感謝と尊敬の念を持っている。私もそうだ。治療するのは、隊士を強くするのと同じくらい、いやそれ以上に尊いことだ」

耀哉との相談を終えた悲鳴嶼がやって来て状況を悟り、優しく声をかけた。自分の力が足りないと嘆くしのぶの姿は、あの時と重なって見えたのだ。悲鳴嶼はカナエ、しのぶの姉妹が自宅を訪ねて来た時のことを思い出していた。

 両親を鬼に殺され、悲鳴嶼に助けられた姉妹はその後「鬼を殺す方法を教えて欲しい」と悲鳴嶼の元を訪れた。姉のカナエは、自分たちのような悲しい思いをする人がないように、と鬼を倒す決意を固めていた。妹のしのぶはより幼く、鬼への強い復讐心に燃えていた。悲鳴嶼はまだ幼子の姉妹に対して鬼殺の道を諦めるように仕向けたが、二人は悲鳴嶼の課した課題を乗り越えて鬼殺隊士となり、今では二人ともに剣士の最高位である柱となった。あの時の子供たちが、殊に体も小さく、それ故に大柄な男性のような力は出せないはずのしのぶが必死に叩き上げ、柱として鬼殺隊を支えている。

 それだけでなく、姉妹が運営する“蝶屋敷”は鬼殺隊の医療体制を担い、多くの怪我や病気の隊士たちを救っている。その中心にいるのはカナエ、しのぶ姉妹だ。それを思うと悲鳴嶼は涙を禁じ得なかった。

 

「そうだぞ、お前ら。俺たちはいつも世話になってありがたいと思ってるんだ。何にも遠慮することはねえ、私たちのおかげで鬼殺隊は戦えるんだって堂々と言ってやれ」

「その通り!治療してくれて助かっている!君たちの尽力は尊敬に値する!もちろん医術だけでなく、剣士としてもだ!」

宇髄と杏寿郎も改めて日頃の感謝を述べ、胡蝶姉妹を認めているとはっきり口にした。少し離れて話を聞いていた冨岡も賛意を表すように頷いていた。

 

「でも宇髄さんは、うちの子たちを連れ出そうとしたんですよね、遊郭に!」

思わぬ賛辞の嵐を受け、しのぶは嬉しいやら恥ずかしいやらで酔ったふりも忘れ、宇髄に憎まれ口を利いたがその瞳には涙が光っていた。

 

「ほら、みんな分かっているんですよ。しのぶさんは立派な天使であり剣士です。もちろんしのぶさんだけじゃなく、カナエさんも」

倫道が熱く語る言葉を照れくさそうに聞いていたしのぶは眼を逸らし、そっぽを向いて顔を上げ、鼻をすすっていたが、

「姉さん、もう帰りましょう。まだまだ研究を続けないと――。みなさん、ありがとうございました」

しのぶはそう言って深々とお辞儀をし、カナエを引っ張り帰ろうとした。

「すみません、私たちはこれで失礼します。……ありがとうございます」

カナエも続いて一同に頭を下げ、手早く帰り支度を始めた。

 

「ナイチンゲールはこうも言っています。『自己犠牲なき献身こそ真の奉仕』。あまり自分自身で背負い込み過ぎないでくださいね」

二人に倫道がまた声をかけ、頭を下げた。

 

「水原さん、本当にありがとう」

帰り際、カナエは倫道に個別に礼を言い、しのぶを連れ帰って行った。

(水原さん、それは貴方にも当てはまるでしょう?それにしのぶが思い悩んだのは、貴方の手技を見たからでもあるのよ。でも今日の事でしのぶが少し楽になってくれると良いのだけれど)

カナエは心中密かに思っていた。

 

 

(感謝は言葉にしないと伝わらないよね。ちゃんと御礼を言っておかなくちゃ)

斗和は先ほど中断した感謝をもう一度倫道に伝えようとした。

 

「倫道君、あのさ」

「……えっ?」

斗和は倫道の背中に声をかけた。だが、振り向いた倫道はカナエに礼を言われたのが嬉しかったのか、デレデレした顔をしていたので斗和はちょっと引いてしまい、それ以上言葉をかけることができなかった。

 

「ではそろそろお開きにしよう。それぞれ決戦への備えは努(ゆめ)、怠らぬように……」

そこで悲鳴嶼が終了の宣言をして、会話は打ち切りとなった。寝ていた不死川も起き出し、すっかり寝ちまったぁ、と思い切り伸びをした。

 

 

(ああ、また言えなかったな、ありがとうって。でも戦いが終わったら改めてちゃんと言おう)

斗和は心に誓い、倫道含む他の柱たちと挨拶を交わし、まだフラフラしている不死川と一緒に本部を後にした。

 

 また明日からは厳しい鍛錬が待っている。最終決戦が迫る師走の夜空の下、束の間の平和な時を過ごした柱たちはそれぞれの思いを胸に帰って行った。

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