Sheltered Girl   作:夏野 雪

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壱-唐丸籠

 かーごめ かごめ 籠の中の鳥は いーついつでやる

 

    夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だぁれ

 

 

 目が覚めたら知らない部屋の中に居た。

全く以って見たこともない薄暗い室内。自分の見える範囲内には誰も居らず、

机や装飾品などはなにも見当たらなかった。

ただ薄汚いコンクリートの壁と裸電球が一つだけ天井から吊るされているだけだった。

混乱する思考など構いもせずに情報は波のように押し寄せて来ていた。

私は椅子に縛られていた。小さな部屋の真ん中にある椅子に縛られ、手足も拘束されていた。

更に口はガムテープのようなもので塞がれていて、大声を出して助けを呼ぶことも出来ない

状態なのだった。

辛うじて私が自由に使えるのは()()()だけのようだ。

これから私は何をされるのか。

気持ちの悪い変質者に襲われてしまうのだろうか。

それとも...。

私の脳裏に最悪の単語が浮かび上がってきた。

 

殺される

 

私はこんな寂しいところで一人ぼっちで死んでいくのだろうか。

天井からぽつりとぶら下がっている裸電球が、まるで自分自身の分身の様に見えてきて、

私の混乱する心を悪戯に搔き乱していた。

次の瞬間だった。

何故今まで気付いていなかったのか、目の前の壁には一枚の液晶モニターのようなものが

埋め込まれていた。一見するとテレビのようなそのモニターにある文字が浮かび上がってきた。

黒い背景に白文字で浮かび上がってきた言葉によって、私の思考は更なる混沌の深みへと

沈んで行くことになった。

 

『今から貴女に幾つかの質問をします。それに正直に答え続ければ、生きて帰ることが出来ます。

ただし、一度でも嘘をついたなら、即座に貴女をこの場で殺します。』

 

 

-----

 

 

 かーごめ かごめ 籠の中の鳥は いーついつでやる

 

    夜明けの晩に 鶴と亀が滑った 後ろの正面だぁれ

 

 

 ここはどこなんだ。

目が覚めたはずなのに真っ暗だ。何も見えない。

「おーい! 誰かー! 」

出せる限りの全力の声を上げて叫んでみるも、反応は返ってこなかった。

自分の出した声が反響しているような気がした。

もしかしたら、かなり小さな部屋に閉じこめられているのだろうか。

何故、俺がこんな目にあっているにだろうか。心当たりなんて全くなかった。

今日の今日まで真面目に働き、法律も守り、模範的な人間であったはずだ。

もう一度、大きな声で誰かに呼び掛けてみるも、やはり自分の声が少しばかり

虚しく反響するだけだった。

気晴らし程度の深呼吸をして、自分の置かれている状況を整理してみることにした。

まず、この暗闇の原因は部屋が暗いわけではなかった。明らかに目隠しのようなものを

されているからだ。

そして、恐らく椅子にロープのようなもので縛られているようだ。

それに手と足も拘束されているので、全く身動きが取れなかった。

()()()以外の自由は奪われているということらしい。

この先には何が待ち受けているのだろうか。

それがわかったところで、文字通りに手も足も出ないのだったが...。

それは余りにも突然の出来事だった。思わず情けない短な悲鳴をあげてしまった。

何処からともなく声が聞こえてきたのだ。

その声は人のものなのだろうが、ボイスチェンジャーのようなもので加工されていた。

 

『今から貴方に幾つかの質問をします。それに正直に答え続ければ、生きて帰ることが出来ます。

ただし、一度でも嘘をついたなら、即座に貴方をこの場で殺します。』

 

「はっ? 」

その一言が俺に今出来る精一杯の抵抗だった。

 

 

 

 

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