if後日談   作:おたふみ

1 / 4
アスカ編

僕は今日も駅に来ている。しばらく待てばマリがやってくる。そして、いつものように後ろから目隠しをしてくるのであろう。

 

いつものようにマリが来るまでは向かいのホームの一人女性を見ている。

 

…アスカ。

 

いつも、マリが来る少し前にケンスケが迎えに来ている。

この世界では、ケンスケと幸せにやっているのだろうか。

 

「だ~れだ?」

 

「胸の大きいいいおんな」

 

「んふふ~。正解♪たまには違う答えも欲しいかにゃ」

 

「わかった。眼鏡が似合ういいおんな」

 

「それも正解♪」

 

「じゃあ、行こうか」

 

彼女の手を取り歩き出す。

こんな世界も嫌いじゃない。

 

「ねぇシンジ。ホテル行こうか」

 

「まぁ、いいけど…」

 

急にマリがそんなこと言い出すなんて珍しい。今まで、そういう行為がない訳ではないが…。アスカを見てたのがバレたかな。

 

 

 

 

今日も駅で待ち合わせ。向かいのホームにはアスカは居ない。そういう日もあるだろう。

 

「あの…」

 

突然、声をかけられて驚いた。アスカだ。いつもは向かいのホームに居るのに…。

 

「なんでしょうか?」

 

平静を装い返事をした。

 

「どこかでお会いしたことありませんか?」

 

彼女には、エヴァに乗ったり使徒と戦ったり、ましてや僕と会った記憶はないはず。この記憶を持っているのは、僕とマリだけだ。

 

「えぇ、ありますよ。いつも線路を挟んでお見掛けしますから」

 

当たり障りのない答え。

 

「いえ、そうではなくて、以前どこかで…というか、一緒に居たというか…」

 

「き、気のせいですよ」

 

何故だ。記憶はないはずなのに。

 

「お待たせ。あら?貴女、私の彼になにかご用意?」

 

マリ…。正直、助かった。なんで答えればいいか困っていたところだ。

 

「い、いえ…」

 

「じゃあ、連れが来たので失礼しますね。貴女も彼氏?旦那さんかな?迎えに来るんじゃないですか?」

 

「あ、はい。すいませんでした」

 

彼女のもとを離れる。

 

「マリ、助かったよ」

 

「姫に話し掛けられて、嬉しかったんじゃないのかにゃ?」

 

「そんなことより、驚きしかないよ」

 

「ふ~ん。今夜は泊まっていっていい?」

 

「もちろんだよ」

 

食事も終え、ふたりでベッドに横たわる。

 

「マリ、あそこで待ち合わせするの、やめないか?」

 

「電車の都合もあるから便利なんだけとな。姫に会うと昔の感情が出てきそう?私にこんなことしておいて」

 

使い終わった避妊具を見せてくる。

 

「そうじゃないよ、アスカに『どこかで、会ったことないか?』って言われたんだ」

 

「う~ん、わかった。待ち合わせ場所変えよう」

 

 

 

待ち合わせ場所を変えて数週間たったころ。

その日、マリは友人と出かけているので、一人で喫茶店で時間を潰していた。

 

本を読みながらコーヒーをすすっていると、出会ってしまった。というか、見つけられた。

 

「やっと会えました」

 

アスカ…。

 

「ご一緒してもいいですか?」

 

「え、ええ、どうぞ」

 

断るのも不自然だと思い、了承する。

アスカが注文した飲み物が届き、一口飲むと話を始めた。

 

「よかった。ケガとか病気じゃなかったんですね」

 

「えぇ、まぁ」

 

会話が途切れる。気まずい雰囲気…。

沈黙を破ったのはアスカだった。

 

「私、夢を見るんです」

 

「夢?」

 

「はい。貴方を反対側のホームで見つけた日から…」

 

俯きながら、アスカは続ける。

 

「見たこともない制服を着た私と貴方が出てくるんです。たぶん中学生ぐらいだと思います」

 

「そう…」

 

うまく答えることが出来ない。

 

「貴方のことをバカにして突っかかったりして…」

 

アスカは苦笑いをする。

 

「一緒の部屋に住んでるなんて夢もありました。それに…貴方と…キスするなんてことも…」

 

「あはは…。大胆な夢だね」

 

「そうですね」

 

アスカの顔が赤くなるのがわかる。

 

「もっと、不思議な夢もあるんです。赤いツナギみたい服を着てロボットに乗って戦うんですよ。可笑しいですよね」

 

あはは、と笑ったかと思うと急に顔が暗くなった。

 

「貴方に会えなくなってからは、違う夢を見ました。みんなに認めてほしい、私を見てほしいって…。特に貴方に…」

 

背中に汗が流れるのがわかる。

 

「そして、昨日の夜に見た夢は、ボロボロになったツナギを着ている私に貴方は『好きだった』と言ってくれたんです」

 

手が震える。

 

「あ、もう、こんな時間!」

 

アスカが時計を見て叫んだ。僕も腕時計を見ると帰らなくてはならない時間になっていた。

 

「ぼ、僕もそろそろ帰らないと…」

 

伝票を取り会計を済ませて店の外へ出る。

 

「すいません。ご馳走になってしまって」

 

「いえ、このくらい。では…」

 

帰ろとすると…。

 

「アスカ!私、式波アスカっていいます」

 

「ぼ、僕は…」

 

名前を名乗ろうとすると、それを遮り言った。

 

「碇シンジさん。いいえ…」

 

そして、満面の笑みで…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バカシンジ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 













~~~~~~~~~~

アスカ派です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。