超高校級の希望と超高校級のゲーマーの輪廻転生先が魔法界だったら   作:グローサリー部

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遅れましたが書けました。忘れてました。ほんとすいません。
今回は短めですが、次回からは元の長さに戻る予定です。
投稿時間は相変わらず安定しません。


賢者の石─組み分け─

 ハリーにロン、カムクラと七海の4人は急いで汽車から降りた。結局残った大量のお菓子をバッグに詰めていたせいで危うく汽車に取り残されるところだった。そうならなかったのはハーマイオニーの忠告を聞いて早めに制服のローブに着替えていたからだ。

 暗いプラットホームには生徒たちが押し合いながらぎゅうぎゅう詰めになっていた。そのせいで僕と七海はハリーとロン達と離れ離れになってしまった。

 

「イッチ(1)年生!イッチ年生はこっち!」

 

 ハグリッドの声だった。人が多くて傍に寄れない。大きくて目立つ彼を見て圧倒された生徒たちは皆、後ずさりしたが、一人だけハグリッドに近づいた生徒がいた。

 「ハリー、元気か?」ハグリッドはハリーと再会のハグをした。

 

「さあ、ついてこいよ――あとイッチ年生はいないかな?足元に気をつけろ。いいか!イッチ年生、ついてこい!」

 

 足場が悪く、狭い小道をハグリッドに続いて降りた。七海はこれが相当堪えたようで、ホグワーツ校舎が見えたころには息を切らしていた。

 

「うぉー!」

 

 一斉に歓声が湧き起った。

 狭い道が開け、夜空を写した湖のほとりに出た生徒たちはみんな釘付けになっていた。向こう岸の高い山のてっぺんにそびえ立つ、壮大な城だった。大小さまざま塔が立ち並び、ロウソクの灯りが窓からうかがえる。とても堅牢に見える。

 

「4人づつボートに乗って!」

 

 ハグリッドに案内され、岸辺につながれた小舟のところまで来た。近い順からハグリッドが生徒たちを乗せていった。ハリーとロンはハーマイオニーと、あと知らない生徒で乗っていた。七海も別の3人とハグリッドに案内されて、行ってしまった。七海は少しだけ不安そうだったが、七海自身のことではなく僕に対するものだと直感した。

 

「さ、次はお前さんだぞ、イズル」

「はい」

「千秋と一緒にできなんですまんな。まあでも心配はいらねえ。またすぐ会えるよ」

「……それで、僕の乗る船はどこですか?」

「おお、そうだな。それと、一緒に乗るのは……お前さんらだ」

 

 ハグリッドに言われて来たのは、『マダム・マルキンの洋装店』で出会ったあの少年だった。あの時とは違って両隣に太った男の子たちを侍らせていた。

 

「……まさか、僕と一緒に乗るのがマグル育ちの君とはね」

「奇遇ですね。それでは」

「なっ!待ちなよ。君、そういう態度は失礼なんじゃないか?」

「…くだらない」

「……なんだって?」

「さっさと乗ってしまいましょう。あなたは組み分けが楽しみなんでしょう?」

「…ふん」

 

 小舟に乗り、ハグリッドの合図で一斉に発進した。ホグワーツ地下の船着き場まで僕と少年は何の会話も無かった。

 

 七海と合流し、ハグリッドに連れられて階段を上ると大きな扉の前にマクゴナガル先生が立っていた。僕たちの家に訪問しに来た時と違い、エメラルド色のローブを着ていて、更に魔女らしい。

 

「マクゴナガル教授、イッチ年生の皆さんです」ハグリッドが報告した。

「ご苦労様ですハグリッド。ここからは私が預かります」

 

 「皆さん。すぐ戻ります、騒がないで待っていてくださいね」マクゴナガル先生は僕たちを扉の前に留まらせた。

 

「……本当なんだ。ハリーポッターが今年ホグワーツに入学したって」

 

 またあの少年だった。

 彼はハリーと1度会って話しても、ハリーとは気付いていなかった。だからこれは鎌をかけているんだろう。

 「ハリー」その名を聞いた途端生徒たちはざわめきだした。当のハリーはあの少年に対する反抗心が芽生えたようだ。

 

「ああ、そうさ。僕がハリーさ」

「…へえ」

 

 少年は少し意外そうな顔をしながらハリーの正面まで来た。

 

「君だったとはね。僕はマルフォイ。ドラコ・マルフォイだ」

 

 その名を聞いた途端、ロンが鼻で笑った。

 

「僕の名前がおかしいか?君の名前は聞くまでもないね。赤毛に、お下がりのローブ。ウィーズリー家の子だろう?」

 

 ハリーもロンもほかの生徒たちも黙って聞いている。

 

「あの野蛮人に、マグル育ちの兄弟に、ウィーズリー……魔法使いには、相応しい教育を受けた者とそうで無い者がいる。友達は選んだほうがいいよ。僕が教えてあげよう」

 

 ドラコ・マルフォイが差し出した手をハリーは見もしなかった。

 

「いいよ、友達なら自分で選べる」

「あなたたち、何をしているのですか?」

 

 マクゴナガル先生が戻って来た。ドラコ・マルフォイも渋々後を引いた。

 

「それではみな…」

「トレバー!」

 

 ハリー達と一緒に小舟に乗っていた男の子だった。マクゴナガル先生の足元にいたヒキガエルを捕まえて嬉しそうになったのもつかの間、ハッとマクゴナガル先生を見て後ずさりした。

 

「…それではみなさん、ついてきてください」

 

 扉が開いてまず目に入ったのは大きなホールだった。何本もの柱にはゴウゴウと燃える松明が備え付けられている。何人もの生徒たちが座っていた縦に並ぶテーブルはいくつもあり、その全てに沢山の料理が置かれていた。天井を見れば空につながっているように見え、火の灯されたロウソクが浮いていた。

 

「空じゃなくて天井よ。魔法でそう見えてるだけ。『ホグワーツの歴史』という本に書いてあったわ」

 

 誰が聞いたわけでもないが、ハーマイオニーがその知識をひけらかにしていた。

 講堂の中央に向かう途中ハリーとロンが近づいてきた。

 

「イズル、千秋、一体どうやって寮を決めるんだと思う?」

 

 「試験みたいなもんのはずだよ。フレッドとジョージがすごく痛いとも言ってたけど、きっと冗談さ」僕たちよりも早くロンが答えた。

 

「……誰のこと?」

「ああ、僕の兄貴たちさ。双子だから、キングズ・クロス駅で見たの覚えてないかい?」

 

 たしかに赤毛の兄弟の中で一際ノッポのそっくりな2人がいたのを覚えている。僕たちは頷いた。

 

「昔からみんなをからかって遊ぶのさ、でもいい兄貴たちだよ。本人には言いたかないけどね」

 

 そこまで話して生徒らの進行が止まった。

 

 「あらためて、ホグワーツ入学おめでとう」マクゴナガル先生が挨拶をした。

 

「新入生歓迎会が間もなく始まります。ですがそのまえに、みなさんの寮を決めなくてはなりません」

「待ってました!」

 

 先輩の生徒たちも喚起を挙げた。

 

「…いいですか。寮の組み分けはとても大事な儀式です。ホグワーツにいる間は寮があなたたちの家であり、同じ寮生はいわば家族となります。共に勉強し、同じ時間を過ごし、自由時間は同じ寮で過ごし、そして互いに切磋琢磨していくのです。

 寮は4つあります。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、そしてスリザリン。どの寮にも輝かしい歴史があり、これまでに多くの偉大な魔女や魔法使いが卒業しました。

 ホグワーツにいる間、皆さんの行いは、自分の属する寮の得点に入れられます。善い行いをすれば加点され、悪い行いをすれば当然減点され、しかるべき罰が与えられます。学年末には、最高得点の寮に大変名誉ある寮杯が与えられます。どの寮に入るにしても、皆さん1人1人が寮にとって誇りとなるでしょう」

 

 生徒たちはみなマクゴナガル先生の言葉を騒ぎ立てることなく聞いていた。

 

「それでは組み分けの儀式を始めます」

 

 マクゴナガル先生は1年生の前に4本足のスツールを置き、その上にボロボロの薄汚いとんがり帽子を置いた。みんなが帽子をじっと見つめていると、おもむろに帽子がピクリと動き出し、つばのヘリが口のように開いて、歌いだした。

 

 

 勇気ある者はグリフィンドール

 誠実な者はハッフルパフ

 賢き者はレイブンクロー

 狡猾な者はスリザリン

 

 

 あまりセンスのない歌であったが、要約すると伝えたいことが見えてくる。要は診断だ。帽子を被れば自分の入るべき寮を決めてくれるらしい。

 歌が終わると広間にいた全員が拍手喝采をした。

 

「フレッドもジョージも覚えとけよ!僕たちはただ帽子を被るだけでいいんだ!」

 

 マクゴナガル先生が羊皮紙の巻物を手に前に出てきた。

 

「ABC順に名前を呼ばれたら、帽子を被って椅子に座り、組み分けを受けてください」

「アボット・ハンナ!」

 

 ピンク色の頬をした、金髪のおさげの女の子がオドオドしながら前に出てきた。帽子を被り、腰かけた。瞬間だった……

 「ハッフルパフ!」帽子が叫んだ。

 右側のテーブルから歓声と拍手が上がり、ハンナ・アボットは嬉しそうにそこに向かった。

 そのあとも組み分けは続いた。不思議なことに、各寮に配分される人数にばらつきがなく、かといって帽子に不公平さは見て取れなかった。

 

「千秋・七海(Chiaki・Nanami)!」

「あ、私の番らしいね」

「あ、えっと、頑張ってね」

 

 ハリーが横を通り過ぎる七海にどもりながら何とも言えない声掛けをした。

 

「…うん。頑張る」

 

 七海もまた帽子を被って座る。すると帽子はそれまでと違って悩み始めた。七海はポカンと帽子に目を向けていたが、やがて微笑みかけていた。

 

「……決まりじゃな。グリフィンドール!」

 

 グリフィンドール生たちの歓声と拍手に迎えられながら七海はテーブルに向かった。途中チラリと僕と目が合った。

 

「千秋はグリフィンドールか、兄貴たちもそこなんだ。うちの家族はみんなグリフィンドール……」

「ドラコ・マルフォイ!」

 

 ドラコ・マルフォイは名前を呼ばれるとふんぞり返って前に出てきた。帽子が彼の頭に触れるより先に「スリザリン!」と叫んだ。

 「悪の道に落ちた者はみんなスリザリンだった!」ロンが特にハリーに向けて言った。

 

「グレンジャー・ハーマイオニー!」

 

 「大丈夫…深呼吸……心配ないわ」ハーマイオニー・グレンジャーは緊張して自分を鼓舞していた。

 

「……変な奴だよな」

「グリフィンドール!」

 

 ハーマイオニー・グレンジャーの儀式は5分ほどかかった。

 

「イズル・カムクラ!」

 

 とうとう僕の番が来た。前に出て、帽子を被る。すると帽子の声が聞こえてきたが、周りには聞こえてないものだと気づいた。

 

「ふーむ。ぐぬぬ……これは、うーむ、なんとも、いや……あーでも、悩ましい…実に悩ましい。君は()()というものを重んじている。そしてそれは、この魔法界において尽きることはないだろう、今のところはな。

 どの寮においても君は遺憾なくその才能を発揮できるだろう。……だからこそ、悩ましい!これほどの才能、いいや可能性!」

「……急かすつもりはありませんが。…そうですね、先ほど、マクゴナガル先生がホグワーツ生は多くの時間を同じ寮生と過ごすことになると言っていました」

「ふむ、このイメージは……先ほどの七海千秋という子だね?この子も少し悩んだよ。なにせ魔法よりゲームを重んじているみたいでね、ただ勇敢な心を持っていたから、わしの判断は間違っとらんはずだよ」

「七海は僕の義妹です。当然、両親も同じです」

「……なるほど、義兄として、家族としては近くにいたいということか。しかしいいのかね?この組み分けは君の一生を左右することになる。それは間違いない」

「問題ありません、それに、妙な言い方ですが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……否定はできんよ。その才能だ、ふむ。それならば……」

 

 心の中での会話から意識が元に戻った。

 

「……それならば、グリフィンドール!

 

 歓声と拍手に迎えられながら七海の隣まで向かった。

 

「同じ寮だね。カムクラくん」

「はい。あらためて、これからよろしくお願いします」

「うん。それにしても組み分け、すごくかかってたね」

「…僕にはとても短く感じていましたが。どれくらいかかっていましたか?」

 

 「君!何者なんだい?」七海ではなく、その隣の背の高い赤毛の青年男子が話しかけてきた。

 

「あ、彼はパーシー・ウィーズリー。グリフィンドールの監督生さんなんだって」

「…よろしくお願いします」

「ありがとう千秋。確かイズルくんだったね。君の組み分け、20分もかかったんだ。先生たちもどよめいていたし、ダンブルドア校長先生も…あ、ほらあそこの白いひげもじゃの方だよ。前に乗り出しててさ!」

 

 カエルチョコレートの特典カードで見た人だった。見ると一瞬目が合ってウインクを返された。

 

「…あんな感じで変わってるとこもあるけど、偉大なお方さ。でもほんとう、君は何者なんだい?」

「……僕のことよりももっと驚く人物がいますよ。そろそろ……」

「ポッター・ハリー!」

「え……」

 

 広間が一斉に静まり返り、組み分け帽子を被るハリーに視線が集中した。

 ハリーは帽子になにか祈るようにしている。心の中で会話しているのだろう。しばらく待った。

 

「ふむ。それならば、むしろ、グリフィンドール!」

 

 それまでよりもさらに一段と大きな大歓声が響いた。同じテーブルの双子のウィーズリー兄弟なんかは「ポッターを取った!ポッターを取った!」と歓声を上げている。

 照れくさそうにしながらハリーが七海の向かいの席に座った。

 

「ハリーも同じ寮だね」

「うん、僕、帽子に祈ったんだ。スリザリンは嫌だって」

「スリザリンの適正もあったんですね」

「…うん。いらないけどね。みんなと一緒がいいしさ」

 

 「ロナルド・ウィーズリー!」マクゴナガル先生が呼んだ。

 「グリフィンドール!」帽子はあらかじめ決まっていたかのように、すぐに判断したようだった。

 

 ロンもやってきてホグワーツ特急で出会った4人全員が同じ寮になった。

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