どうも、ワッタンです。
こちらも更新しました。
ちょっと本家様と違って、設定足しました。
それでは、どうぞ。
ふと、意識が覚醒する。
ゆっくりと目を開けていき、アタシの目に映ったのは、翔也の顔だった。
その顔はとても、気持ちよさそうに寝ている。
「ふふっ、可愛いな」
アタシはその体に抱き着いた。
翔也の体は、恐らく同年代の男の子に比べてとても細いと思う。
恐らくその理由は....。
そっと寝ている翔也の前髪をかきあげる。
そこには今はもう薄いが、何かの刃物で傷つけられた傷跡がある。
「この傷は.....親に傷つけられた傷だ」
そう翔也は教えてくれた。
前髪を戻し、髪を撫でる。
そして撫でながら、...寝てる翔也に話しかける。
「....翔也は落ちこぼれなんかじゃ無いよ。アタシ知ってるよ、翔也が誰よりも頑張って、何度でも立ち上がって、その度に裏切られて.....アタシがもっと早く知れてあげれたらなって、そんな風に思う時もあるけど...アタシは今の翔也がいるんだったらなんでも良い。だけど、翔也が傷つけられるのは嫌、だけどそれがあるから今の翔也がいる。だからね...」
寝ている翔也の鼻にそっと口づける。
「アタシは翔也が好き。これからもずっと....」
そう言うと抱きしめる力を強くしながら、アタシは瞼を閉じた。
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「ん....」
眩しい。
煩わしいように、その光から逸らそう....としたのだが体が動かない。
それに耳元から聞こえるこの寝息。
もしやと思い....ゆっくりと瞼を開ける。
目を開けた先に見えたのは、天使かと思うほどの可愛い寝顔だった。
一瞬、ドキリとする。
「あ、そっか、俺昨日....」
一緒に住まないかと言われた昨日、
あの後、俺はリサの部屋で寝ることとなった。
リサの両親曰く、まだ俺の部屋が用意できてないらしく、それまではリサの部屋で寝てくれないかと頼まれた。
その申し出に別に断ることなく了承した。
本当は、ずっとリサの部屋で過ごしたいと思ったのは内緒だ。
流石に、それはダメだとリサの両親は判断したらしい。
「.....」
そんなことはともかく、この体制は非常に辛い。
朝起きたら、最愛の人が俺に抱き着きながら、寝ているこの状況。
着ているパジャマは少し着崩れ、肌色がチラチラと見えている。
一介の男子高校生には目に毒だ。
引き剝がせば良いと思うだろう。
だけど....
「んっ.....」
こんな幸せそうに寝ている彼女を引き剝がすなんて出来るわけなどない。
そう決めた俺は、リサが起きるまでその寝顔をたっぷりと堪能することとした。
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「翔也、ネクタイ曲がってるよ、ちょっと待ってね」
中学は学ランだった為、ネクタイにはまだ慣れていない。
玄関の扉を開ける前に、リサに呼び止められ俺のネクタイに手を掛ける。
リサは慣れた手つきで俺のネクタイを直していく。
「これでヨシ、と」
「ありがとう、リサ....じゃあ、行こっか」
と言っても、一緒に投稿することは出来ない。
リサは直ぐに俺の姉さんを起こしに行くのだろう。
あの人はどこか抜けているそんな人だから。
「じゃあ、またね。 翔也」
「うん、また夕方な」
そう言うと、リサは俺の家の中へと入っていった。
俺はその後ろ姿を少しだけ名残惜しそうに見つめ、その場を後にした。
終業のチャイムが鳴る
学生達はある者は部活の為に、ある者は友達と連れたって遊びに行くために、教室を後にする。
俺はそのどちらでもない。
帰る準備をそそくさと済ませ、早めに家へと帰る。
と正門へを出た所でポケットに入れていたスマホが震える。
ポケットからスマホを取り出す。
俺がスマホに入れている連絡先なんて片手くらいなもんだ。
他人に関してはリサと、リサの両親、そして身内は、湊友希那その一人だけだ。
「誰だろ....ってリサか」
連絡してきたのは、リサからだった。
内容は、用事があるから遅くなるとのことだった。
とりあえず『分かった』と返しておく。
ということで、家に帰っても暇になってしまった。
さて、どうしたもんか....、とここで俺のお腹が鳴った。
放課後のこの時間はお腹が減る....あっ、そうだ。
「.....そうだ、なんか買って帰るかな。ついでにリサの分も」
ということで俺は急遽、帰り道を変更し、何か食べ物を買って帰るため、
商店街へと足を進めた。
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目の前の看板には
『やまぶきベーカリー』
そう書かれている
ということで、辿り着いたのは一軒のパン屋だった。
途中コロッケで迷ったが、匂いがきつそうだったのでそちらは却下した。
パン屋の扉を開く。
店の中は、パンのいい匂いが充満していた。
さて、何を買おうか。リサだったら....これとかかな。
そう思いながら、パンを吟味しているその瞬間、
厨房へと続いているであろう扉が開かれた。
反射的にそちらへと振り向く。
そこに居たのは、エプロンをつけた女の子だった。
「あっ、いらっしゃいませ....って、湊君?」
「あれ、山吹?」
そこに居たのは、俺と同じ学校、同じクラス、そして隣の席の山吹紗綾だった。
そう言えばこの店の名前もやまぶきって入ってる....とゆうことは、
「ここって、山吹の家だったんだな」
「うん、そうだよ。湊君はどうしてここに?」
「ああ、ちょっとお腹すいてな、パンを買って帰ろうかと。 なんかオススメある?」
「うーん、そうだね.....それなら、この辺りかな?」
と言いながら、山吹はおすすめのパンに指を指した。
そのパンは、チョココロネと、メロンパンだった。
「じゃあ、それ2個ずつ」
「はーい、...それにしてもいっぱい食べるね。けどパンの取り過ぎは太るよ?」
「いや、一人で食べないよ、家であげるんだよ」
「そうなんだ.....はい、どうぞ。 合計で八百円になります」
「じゃあ、千円で。」
財布から千円を取り出し、代わりに紙袋に包まれたパンを受け取る。
「はい、二百円ね。 じゃあ、湊君また明日ね」
「ああ、また明日」
そう言って店を出る。
湊君か.....。
未だにこの呼び方には慣れない。
どうしてもあの人の顔が浮かんでしまう、自分と比べられてしまうあの人の顔が。
....考えるのはよそう。
そう思い、帰路を急ぐ。
紙袋から漏れ出るパンの匂いと、紙袋越しの温かさが心地よかった。
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「おかえり、翔也....ってそのパンどうしたの?」
家へ帰ると、先にリサが帰っていた。
どうやら、用事は大したことなかったらしい。
「リサと一緒に食べようと思って」
「そうなんだ、ありがと。じゃあ、食べよっか」
すると、リサが自分の座ってる隣の空間を叩いた。
どうやら、隣で食べようということらしい。
素直に隣へと座りパンを取り出し、リサへと手渡した。
「「いただきます」」
そう言うと、パンを一緒に食べ始めた。
そしてあっという間に二人のパンはなくなる。
一言いうと、山吹の家のパンはすごく美味しかった。
これは、また食べたい。
また今度買ってこよ。
そう思わせるほどの味だった。
「美味しかったね、このパン。 何処で買ってきたの? 」
「うん、それは良かった。 商店街のパン屋さん、また今度買って帰るよ...所で今日は何で遅かったの?部活とか?」
「あー、うん.....それは.....」
「....?」
リサにそう尋ねるが、返ってきたのは歯切れの悪い返事だった。
そんなに言いにくいことだろうか?
と、そう思っていた矢先、リサが意を決したように口を開いた。
それは俺にとって、あまり聞きたくない言葉だった。
「実はね、バンドする事になったんだ」
「えっ?」
その言葉に体が固まる。
バンド。
それは、俺が全力をかけたもの。
そして.....俺が一番嫌悪するもの。
「....やるならベース?」
「うん、まだ使えるよ。翔也に選んでもらったベース」
「っ、そうなんだ....」
バンドには、ろくな思い出がない。
良い思い出もあるが、その思い出が押し潰される位に悪い思い出がある。
だから...正直、リサにはバンドをやって欲しくない。
だけど、
「....リサなら出来るよ、頑張って」
「うん、ありがと」
上手く笑顔で言えたか分からない。
でも、リサが決めたのだから俺はその道を全力で応援する。
それが、少なくともリサへの恩返しになることを信じて。
※キスってする場所によって意味が違うらしいですよ?