「報告! 艦隊に接近する機体を感知、機数およそ20機」
「なに、どうせワイバーンだろう、対空魔光砲準備!」
「いえ飛行機械のようです。どうやらムーが一枚噛んでいるというのは本当の用ですな」
艦長は双眼鏡で迫る機影を確認する。
「しかしムーにしては精錬されすぎではないか?」
「てっきりモンキーモデルと思っていましたが、新型でしょうか? もしかしたら名前だけで実質ムーの可能性が」
「まぁ良い、いつかは衝突は免れんと思っていたんだ、主砲斉射用意!」
「主砲に魔力充填! 属性比率、雷93! 炎7! 砲弾の魔術回路起動!」
「魔術回路設定完了」
「魔術注入……70、80、90、100、充填完了!」
「レーダー結果より調整、発射準備完了!」
主砲から発射された砲弾は青白い光を放ちながら一番前にいた5機付近にて電撃が炸裂する。
電撃を間近で浴びたうちの一機がエンジンを停止させ落ちていくが、残った機体から爆撃が開始される。
「こんな落とし方では当たらんよ、次弾準備!」
「はっ! 魔力充填準備!」
ガレドウルフを覆うように立て続けに水柱が立ち上る。
「三機敵機低空! 3時方向より接近!」
「対空魔光砲用意!」
主砲の代わりに対空機銃が爆撃機の進路を阻む。
爆撃機は手前で爆弾を捨てるとそのままガレドウルフの上空を通り過ぎる。
「……何がしたい?」
「爆弾が落ちた所から何かやって来ます!」
「ッいかん! 避けろ! 面舵一杯!」
「‼……はッ! 面舵一杯ッ!!」
ガレドウルフはゆっくりと右方向に向かうこの時間が艦長は非常に長く思えたが、魚影は艦首前方をギリギリのところで回避に成功する。
「今のは……?!」
謎の魚影が向かう先には巡洋艦いたが、避けられそうにない。
ドァ!!
魚影が当たった所からいきなり爆発したかとも思うや、巡洋艦は見る間に海面へ呑まれていく。
「何という威力だ!」
「畜生! ムーの野郎、海魔爆弾を実用化していやがった!」
海魔爆弾
かつてミリシアルが研究していた兵器であり、文字道理調教した魚型海魔に爆弾を括り付けムーの機械式艦船に突っ込ませる手筈だったが、調教の時点で頓挫した所謂珍兵器である。
「どうすんですか! この場合は!」
「確か、この場合はな……各艦z航行を命じよ!」
「はッ!!」
ミリシアル艦隊はジグザグに動いて魚雷に備える。
航空隊は再装備する為アルタラスの基地に戻り始めたが、エストシラントに着く可能性が出てきた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「何! 航空隊は何をやっている! 帝都はすぐそこだぞ! 要塞砲の準備を急げ!」
南フィルアデス帝国 帝都防衛隊隊長 ルナ・バルコは電話機に怒鳴る。
「くそ! 科学製は使いにくい!」
ハンドルを回し、湾岸要塞砲に繋ぐ。
「用意はどうか!」
『ハッ! こちらは準備万端であります! いつでもいけます‼』
現状頼みの綱は今電話しているこのイタリア製の要塞砲1門
◇◆◇◆◇◆◇◆
海の向こうから魔導船特有の粒子の煌めきが目立ち始めた。
「ワイバーンロードを出せ! 焼き尽くしてしまえ!」
バルコはワイバーンロード隊に指示を出し、颯爽と飛び立つ。
双眼鏡で戦闘を眺めるが、ワイバーンロードの火炎を受け付けず対空砲火で一方的に絡め取られる様子しか見えなかった。
「畜生! 畜生! 畜生!」
そうこうしている内にミリシアル艦隊の艦砲射撃が始まった。
少なくとも偽装を行っている要塞砲は被害を免れていたが……
耐えきれず砲撃、未熟な帝国兵の弾はミリシアル艦のはるか手前に着弾。
「位置がばれたじゃん何やってんだよ!!」
バルコが叫ぶももう遅い、ミリシアル艦隊は重点的に要塞砲を狙い始めた。
既に向こうから揚陸艦が何隻も来ている、要塞には機関銃火点もあるので大丈夫だと自身に言い聞かせ要塞砲と連絡を取るが……
「なんで誰も出ねぇんだよ!」
逃げたか、やられたか。その後要塞砲は一切火を噴くことはなかった。*1
既にミリシアル兵の顔が分かるほど近づいているが、近代戦に慣れていない帝国兵たちは接近される前から砲撃を繰り返しており位置を知らせているだけで砲撃の餌食になった砲台も少なくない。
そして遂に少数の被害でミリシアル兵達がフィルアデス大陸の地に足を踏み入れた。
初手クライマックス
もしかして?ヘタリア〜ではありませんか?(ヤホー並感)