ナランチャは、今日も勉強を始めるのだった。
最近は、特に数学や理系の勉強をする事が多い、
ココアがいてくれるからだろうか?
「よーし、勉強始めるぞ!」
「私も宿題しようかな、分からなかったら聞いてね!
ナランチャくん」
「おう!ありがとうな!!」
「えっへん!」
ナランチャの元気な姿にココアのモチベーションは上がっていく。
いつ質問してくるかなと、
足をぶらぶらさせて待っていたが、一向に質問してこない、
ナランチャにココアは書きこんでいるノートを、
チラ見して五行目辺りを指さした。
「あーまたナランチャくん間違えてる」
「ぇえ!?」
「ほらここ、先に掛け算してから次足し算するんだよ」
「さっき教えてもらったところじゃあないか」
髪をかきあげて悔しがるナランチャに、
ココアは優しく声を掛ける。
「もう一回解いてみよ?」
「次は正解すっぞ!」
「フレッフレッ!ナランチャくん!!」
「おっしゃー!力湧き上がってきたぞおおお」
ナランチャに勉強を教えるココアはナランチャ曰く、
天使のように優しく、
間違えてもフォークで手を刺されることは無いことから、
ナランチャはココアに勉強を教えて貰いたく時々頼んでいる。
「悪ぃなココアちゃん、学校終わりなのに」
「放課後暇だったし大丈夫だよ」
「お!そっか!!」
ラビットハウスの制服を着ているナランチャに、
ココアは女子校の制服を着ている。
ココアは着替えようと思ったけどナランチャくんを待たせてはいけない
と思い、ロングスカートの制服のまま教えている。
ナランチャはココアの制服姿が好きで、
学校がある日に来ているのは本人には内緒。
「あー!俺もココアちゃんみたく頭が良かったらいいのに!」
「ナランチャくんは運動神経いいでしょ、この前、
私がコーヒーこぼしちゃった
時なんかコーヒーカップ空中でキャッチしてたじゃない。」
「あれ、そうだっけか」
「うん!何だかお互いを補うって素敵ね~」
ココアは机に肘をついて両頬に手を添えた。
ナランチャはココアの言っていることが
理解できなかったのか、
指でペンを回しながら頭の上にハテナが付いていた。
「ふぁ、何だか眠くなってきた」
「ココアちゃん?」
「……」
ラビットハウスはコーヒーのいい匂いがするのでとても落ち着く居場所になっ
ている。ココアはいつの間にか寝てしまって、瞼を擦り目を覚ますと肩には
ブランケットが掛けられていた。
隣を見るとナランチャもぐっすり寝ていて、
自分に掛けられたブランケットをそっとナランチャに掛けた。
優しい眼差しでみるココアにナランチャは
熟睡して気づかなかった。