「ジョルノさん、遅れてごめんなさい!」
チノは駆け足でジョルノの元に来て何度も頭を下げた。
「顔を上げて、チノ僕も今来たところだよ」
ジョルノは読んでいた本を閉じると、チノの肩に手を置いた。
チノは恐る恐る顔を上げると白いハンカチが額に当たった。
「汗すごいかいてる、わざわざ走って来てくれたんですか?」
「は、はい…ありがとうございます」
ジョルノはチノにハンカチを貸すと冷たい水まで買ってくれた。
つい先日、二人は散歩しながら、
お互いの近況を報告し合ったり、他愛のない会話をした。
その際にジョルノが最近読んでいる本が映画化した事を聞き、
チノは映画館に行きたいとのことで今日会うことになったのだ。
「楽しみです」
「僕もだよチノ」
繋がれた手を前後に動かして楽しさを身体で、
表現するチノを見てジョルノは笑みをこぼした。
自分の読んでいる本に興味を持ってくれたこと、チノから誘っ
てくれたことが嬉しくて実は一時間も前からチノのことを待っていた。
「ジョルノさんと映画観るの楽しみすぎて、ばっちり予習してきました」
「それネタバレになっちゃいませんか?」
「大丈夫です!ジョルノさんと一緒に観る映画は全て初めてなのですから」
「初めてか…ふふっ」
「何笑ってるんですか?」
「いえ、なんでもありません。さぁはじまるので中に入りましょう」
「秘密ですか?」
「ええ」
自論を出すチノにジョルノはクスクス笑うとチノから不思議な目で見られた。
映画のシートに座る時には丁度照明が暗くなる頃だった。大迫力の映像と音に
チノはビックリしてジョルノの腕にしがみついた
「怖いんですか?」
「ち、違います!触りたくなったのです」
「そうですか」
数秒後、爆発音でチノは怖がったがジョルノはスクリーンをみて笑っていた。
チノも真似しようと歯を見せて笑おうとしたが、
ぎこちない笑顔になって最悪なことに、
その姿をジョルノに見られた。
「(み、見られた!?)」
もう一度見てないことを願って、横を向くとばっちり目が合う。
(終わった…嫌われたかも知れない)
心の中で泣くチノにジョルノは予想外にも、
チノの手のひらにキスをした。
「っ!?」
「チノが可愛すぎて、つい」
画面の僅かな光に反射して、ジョルノの表情がほんの少しだけ見える。
チノは大音量流れるシーンで良かったと心底思った。
なぜなら、煩い心臓の鼓動の音がジョルノに聞こえそうだったから。
映画が終わり、ジョルノは、チノが少しだけ泣いていたので、
ハンカチを渡した。
「あ、ありがとうございます…ジョルノさん」
「どういたしまして、チノ、大丈夫でしたか?」
「はい…」
「じゃあ、僕が、今日のお昼、奢りますよ?」
「ありがとうございます…」
「じゃあ、行きましょう」
こうして、ジョルノはチノにジェラードを、
奢るのだった。