目を開けたら光の中に立っていたなんて経験のある人はいるだろうか。
俺の場合、まさに今だ。
『あ、君死んだから。別に神の手違いとかじゃなく、単純に老朽化して崩れた天井に潰されたよ。』
『嘘だと思うなら死体見る?』
どこからともなく、声が聞こえる。
1人にも複数人にも聞こえるし、男にも女にも、老人にも子供にも聞こえる不思議な声だ。
言われてみれば、自宅の部屋で上から大きな音がしたところまでは記憶があるので、おそらく天井が落ちてきたのも嘘ではない。
出来れば自分の死体なんて見たくはないが声がでない。
『あぁ、無理に喋らなくても大丈夫だよ。』
『あまり綺麗な死体じゃないから僕としても見るのはあんまりオススメしない。』
『それでね僕は今暇だし、面白そうだから君を転生させてみようかと思ってね。』
『嫌なら無理にとは言わないけど、どうせ死んでるんだし、受けてくれるなら定番のおまけも1つなら付けてあげよう。チート転生ってやつだね。』
『転生だからね、記憶は残すけど容姿は今とは変えさせて貰うよ。文字通り生まれ変わりだ。』
『ただし、どんな世界に行くかは秘密だ』
『まぁ、なにも伝えないのもアレだから5
つまでその世界についての質問には答えるよ』
『さぁ?どうだい?』
……わかった受ける。
もともと、漫画とかアニメも好きだし、こういう展開でワクワクしないと言えば嘘になる。
『そうか、よかった。』
『さて、じゃあ何が聞きたい?どんな質問でも嘘はつかないと誓おう。』
『その質問のあとにどんなチートが欲しいか決めていいよ。』
『ただし、直接その世界の核心をつくようなことは答えられないかな。面白くないし。』
質問は5つまでか……
チートも貰えるならできるだけ
そうだ、これから転生する世界は原作のある世界か?それとも原作のないオリジナルの世界か?
『原作のある世界だよ』
『アニメに漫画、ゲームもあるね。』
『特別に大ヒント、漫画の出版社は集○社だ。』
集○社……ONE PIECEとか北斗の拳とか比較的戦闘系多くないか?
下手な戦闘チートを貰ってもドラゴンボールとかだと手も足も出ない気がする。
逆にスポーツ系とかラブコメ系なら戦闘チートはいらないかもしれない。
いや、To LOVEるとか考えてみると結構戦闘あるな。
ニセコイですら、関わり方によってはヤクザとマフィアに目をつけられそうだし…
それに、ゲームまであるってことは結構人気の原作だな…
うーん、もう少し原作を絞りたいな。
2つ目の質問は、その世界は今の現実世界に存在しない生命体は出てくるか?で。
『あまり詳しく言うとそれだけで世界がわかっちゃうかも知れないね。』
『出てくる、とだけ言っておくよ。』
これで普通のスポーツものじゃないのは確定か。
身体能力チートで黒子のバスケとかちょっと楽しそうだったのにな。
でも、北斗の拳とかじゃなさそうなのは安心だな。
でかいババアとかは一応人間扱いだろうし…
うーん、ちょっとギリギリの質問かもしれないけどその生命体は一般人が闘ったら倒せる位の強さなのか?
『無理だね』
『色々条件が整えば可能かもしれないけど、基本的にはまず間違いなく勝てないよ。』
あ、失敗したかな。
2つ目の質問の現実に存在しない生命体にビビってよく考えないで聞いたけど、これ現実に存在しない大型犬的なのでも一般人じゃ勝てないよな…
うーん、候補から外れてないのは有名所だとONE PIECEとかドラゴンボール、鬼滅の刃、HUNTER×HUNTER、BLEACH、NARUTOとかかな…
最近だと灼熱のニライカナイとか、破壊神マグちゃんも候補だけど、こうなってくると物理的にはドラゴンボールを基準にしたチート、特殊能力ならBLEACH辺りを基準にしたチートにしておけばある程度はなんとかなる気もするな。
ん?もしかしてだけど変に漫画のキャラクターの能力を貰わないで、その世界の人形生命体で最強の身体能力とかってチートはできるのか?
『それは世界とは関係のない質問だから質問数は消費しなくていいよ。』
『答えはできるだね。』
お、それならちょっと戦闘のあるコメディに孫悟空の身体能力みたいな酷すぎる差で冷めるようなチート持っていくこともなさそうだな。
そうなるとあとは、特殊能力か身体能力かかな。
超能力とか魔法とかの闘いはあるか?
『ないよ』
『物語での勝負は基本的に全て身体能力で決着がつくね。』
よし。それなら持っていくチートは[その世界の人形生命体で1番の身体能力]で頼む。
質問枠が1つ余ってるのはどうしようか。
使わないのももったいないしけど、ここまできたらあとはどんな世界なのかワクワクしながら転生したくなってきたしな。
『それならほんのちょっとだけサービスしようか?』
『転生で記憶とチート以外ランダムのつもりだったけど、種族と性別くらいなら質問の代わりに選んでいいよ。』
『チートも下手に他作品のチートにしたいって言われるより楽だから、こちらの負担も少ないしね。』
もしかして、このまま転生していたら人間ですらなかったのだろうか。
確かに人間に転生とは言ってなかったし、性別も言及はなかったな。
危ないところだった。
種族はその世界の普通の人間で、性別は男で頼む。
記憶がそのままだから女になっても普通に中身が男のままだしな。
『了解。』
『じゃあ、お別れだ。』
『もう会うことも関わることもないだろう。』
『どうか、面白い人生を送って僕を楽しませておくれ。』
その声を聞くと俺の意識は遠退いていった。
嘘は言ってない。
嘘は!言ってない!………はず!!