笑顔の君は俺を導く   作:ネク

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というわけで第二話です。では、どうぞ!!


はぐれ執事新しい職を見つける

「ここって…あの弦巻亭?」

「あの弦巻亭ってどういうことですか?」

「ああ、さっき話したように俺は元執事だからお金持ちや上流社会にも多少触れててね。」

 

 驚いた、まさかこころちゃんの名前を聞いた時あれ?とは思ったけどまさか本物だったとは…お嬢はやけにライバル視していたのも納得がいくかもな。

「こっちよ、ついてきて!!」

「「「「「お邪魔します」」」」」

 

 そう言って俺達は弦巻亭の中に入っていった。こころちゃん達はそのまま黒服さんに案内されたけど…って待って何で黒服さん?

「あの、貴方達は?」

「有栖川条ですね。」

「!!どうして俺の名前を!!」

「弦巻家と関係のあるものはすべてリストアップしてあります。何をしに来たのですか?」

「…なら知っているはずだが?俺はもう執事じゃないってこと。」

「いえ、そのような情報は入ってきておりません。」

 

 まじかよ、てっきりもう消してるのかと思った…なぜ消さないんだ、お嬢は?

「それでどのような用件で?」

「さっきも話した通り、俺は今無職でね。そのために職探ししているのさ。そしたらこころちゃんが家に来ないかって言われていな。」

 

 俺は嘘偽りなく事情を説明した。

「成程、そうですか。ではこちらに」

 

 そう言って俺はこころちゃんたちのいる部屋に案内された。だが、黒服さん達もその場に残るという形になった。まあ、元々敵側に近い人間がいきなり来たらそうするるわな。

「それで…俺について話せばいいのかな?」

「ええ!!聞きたいもの、条のこと」

「はぐみも聞きたい!!」

 

 という事で俺に何があったのかを話すことにした。

「俺の家族は生まれた時から必ず誰かの執事になることが決められている家庭だったんだ。」

「それって、家族で同じところにですか?」

「いいや、別々な時もある。だが今回はたまたま同じところに家族三人仕えていたわけさ。」

 

 美咲ちゃんが聞いてきた質問に俺は答える。といっても例外はないんだよな…

「でも執事をやめたって…」

「ああ。それなんだけど、仕えていたお嬢ではなく主様の方からこういわれてたのさ。」

「なんて言われていたのだい?」

「お嬢が中学卒業するまでは執事としていてほしい。高校以降はお前の自由にしろってな。」

「そうなんだ…普通そう言うのってずっとなのにね。」

 

 花音ちゃんのいう事はごもっともだ。ただうちが例外なだけなんだよな。

「それで一年間やってきたんだけど…流石に我慢の限界で抜け出してきちゃった。」

「そうなのか。だがそのお嬢様は心配しているのではないのかい?」

「いやいや、思いっきり喧嘩したんだからすっきりしたでしょ…多分。」

「多分って…」

「まあそんなことがあったから俺は今無職ってわけさ。黒服さんも分かってくれた?って黒服さん、何で泣いているんだ?」

 

 俺が黒服さんの方に降り返ると何故か泣いていた。なんかしたのかな?

「そうだったのですね…疑ってしまい申し訳なくて涙が…」

「気にしないでください。むしろ、黒服さん達のしたことは正しいことです!!だから胸張ってください。」

 

 そう言って黒服さんをなだめていた。サングラスから見えた涙に少しドキッっとしたのは内緒だ。それからバンドの話し合いにも少しだけ参加して夜になったので皆は家に帰っていった。そして俺はというと……

「……」

「……」

 

 こころちゃんのお父さんと一対一で話し合いをすることになったのだが、なんか怖い!!

「有栖川条といったか、お前、家のこころとはどういう関係だ!!」

「ちょっと待ってください!!いきなり何を言い出すんですか!!」

「お前はこころの婚約者か!!」

「違います!!俺はこころちゃんに元執事の話をしたら家に来ないかって言われてそれで…」

「そうなのか…すまない、先走ってしまった。」

 

 いきなり言われてびっくりしたけど、そりゃ一人娘がいきなり男を連れてきたらそう言われるわな…

「それで、お前は職を探していて住む場所もないと」

「はい…お金をご覧の通りすっからかんで。」

「分かった、特別だがお前をこころの執事にしよう。」

「本当ですか!?」

「ただし、こころに手を出したら分かっているだろうな……」

「は、はい!!」

 

 そうして俺は弦巻家でもう一度執事という職を手に入れた。余談だが、御父上はかなり娘大好きなのが今回話して分かった。

 

 

 一方元仕えていた家では…

「最近お嬢様元気がありませんね。」

「ええ、条君がいなくなってからずっと部屋でふさぎ込んでいる状態ですし…」

「あの時もでしたよ、条君が告白された時も。」

「でもあれは条君自身が断ったことですぐ解決しましたが…今回はかなり時間かかるかもしれませんね。」

「とにかく私たちも条君の情報を集めましょう!!!」

 

 メイドたちはすぐに情報集めを始めた。しかし、肝心のお嬢はというと……

「ジョーカー……ジョーカー……」

 

 誰もいないその空間の無機質な壁に、いなくなってしまった彼の幻影を見つめている。大量の写真と共に。

 




 以上第二話でした。ここで元お嬢の言うジョーカーとは条君のニックネーム的なものになります。まだお嬢の名前は判明していませんがいずれ絡んできます。

 感想、評価、誤字脱字の指摘お待ちしております。

 それではまた次回、お会いいたしましょう。
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