エイリアンだって、ゲームしたい! 作:緑スライム
「テスト王国」は、今日もお祭り騒ぎである。
なんと、今日は夢実現社の宇宙船がお目見えなのだ。
「こ、れは……」
「木ですね」
「木だな」
「すげー!」
「なるほど、エコの局地だな!」
直接見たいという事と、機材の搬入で生身で来ているアメリカ人、及び日本人技術者である。なお、危険なのでゴーレム達は来られないよう設定しているため、プレイヤーたちは遠目で見るしかない。それでも、興奮して語り合っている。
「さて、と。ちゃんと動くかな」
造里が木に触れると、招き入れるかのように木に穴が空いた。
木から漏れ出ているのは、、以外にも清涼な空気だった。
「問題はないな」
そして、案内する造里に技術者たちがついていく。
壁は光る苔がびっしりと生えていて、歩くのには困らない。
「まずは食料・薬品庫を見るかな」
最初に行ったのは森だった。太陽を模したらしい明かりが灯っている。
「これは……!」
未知の植物・動物に目を輝かせる植物・動物学者達。
「うむ。なかなか良さそうだ。ここはそのまま使う事をお勧めする」
次に案内されたのは、広いがらんどうの畑だ。中央には池がある。
「ここは予備の食料庫だ。ちょうど2つある。適当に動植物を運ぶと良い」
次に、砂浜を模したプール設備。
「ここの水は常に浄化されている。泳いでも大丈夫だ」
他に、貯水庫や調理室、個々の部屋を案内される。
驚いたことに、降下艇もあった。
大きな胡桃のようなものが十個、天空屋敷が一つ。
「簡単な降下は木の実形を使う。こちらの天空屋敷は土台の石に浮遊石を使っていて飛べる他、ある程度施設もある。航空母船のようなものだな。天空屋敷は移動できるが、降下は基本、テレポートで行う。最後はお待ちかねのコントロールルームだ」
『マスター!! ご帰還をお待ちしておりました!』
「おお、ジュジュ。この宇宙船の買い手が決まったものでな。譲渡するための精霊を一体生み出してくれ。お前は私付きに戻ってもらう」
『はい、マスター! ありがとうございます!』
嬉しそうに笑う長髪の半透明の女性は精霊らしい。
その後も、操作説明を色々と受ける。
要するに全部精霊任せである。確かにこれは技術体系が違う。
色々機材を載せてもいいらしく、そのあたりで話し合いがされた。
「私達にも売って下さい!!」
興味津々のロドニス艦長に、造里は鷹揚に頷いた。ついでだ。我社用にも作って、五本同時作業で行くか。最近ダイナミックな魔法を使っていなかったからな。たまには様々な魔法を使わねば、腕が鈍ってしまう。三年といったが、半年で仕上げてみせようか。造里の野望は大きい。
造里が忙しく働いている間にも、その秘書、律は頑張っていたようだ。
造里が帰ってそっと資料室を覗いてみると、まだ明かりがついていて、大勢の気配がした。
よしよし、頑張れよ、律くん。造里はニコニコと部屋へと戻った。
そして一週間後。
造里は書き上がった仕様書と改造オプションを提出し、各政府はフルオプション+αを決めて、夢実現社は潤いに潤った。
そして、ついに律くん企画のプログラム、「テスト王国」シーズン2が始まった。
『おお、勇者よ! 魔王より秘宝を取り戻してくれたら、先着20名様に他惑星訪問チケットをプレゼントしよう!』
わあああああああああああああ!!
大盛りあがりに盛り上がっているようだ。
律くんが用意したのは、アームズシステム。
武器にゴーレムコアとAIを採用し、成長する武器を演出するというものだ。
一週間で考えたにしては中々である。敵役のゴーレムも中々デザイン性に優れている。
プレイヤーキャラだって、エイリアンのデザインを選べるようにしている。
用意されたダンジョンも豊富で、とってもよい。
エイリアンも、プレイヤーも皆笑顔。
私は大いに満足していた。
そして、矢のように日々が過ぎ、半年後。ついに出立の日が訪れる事になる。