ゆーえーいちごーぜろぜろありがとうございます。
「壁の破片が飛んで行った先に家が!母さんが!」
エレンの言葉と同時にミカサが走り出す。3人のうちの一人。アルミン・アルレルトは過呼吸と手の震えが止まらない。
「もう…駄目なんだ…この街は…もう…」
絶望の顔を浮かべて言葉を続ける。
「無数の巨人に…占領される…」
足が…動かなかった…。
ーーー
(うちに当たっている訳がない…とっくに逃げたに決まってる…)
走っていく道中には壁の破片で上半身を潰された人間や巨人から逃げ惑う人が何人もいる。皆顔に浮かべてるのは恐怖、絶望。あちらこちらで悲鳴が聞こえる。
(あそこの角を曲がれば…いつもの家が…)
頭に浮かべるのはもう何年も見てきた自分の家。家族で過ごしたあの時。しかし現実は非情。この世界は残酷だ。
「母さん!」
目に映るのは壁の破片でぐしゃぐしゃに潰された家。母さんを必死で探すと瓦礫の間に挟まっていた。
「ミカサ!そっちを持て!この柱をどかすぞ!」
掛け声を掛けて必死に持ち上げるがびくともしない。近くでは巨人の足音がする。
「エレン!ミカサを連れて逃げなさい!母さんの足は潰されてここから出られたとしても走れない…わかるだろ?」
「俺が担いで走るよ!」
「どうしていつも母さんの言うことを聞かないの!最後くらい言うこと聞いてよ!」
何度も言うが世界は残酷だ。壁が破られた今、残された時間は僅かしかない。
足音がどんどん近づいてくる。もう時間は、ない。
「ハンネスさん!」
駐屯兵団の服を着た男がブレードを抜き、巨人に向かって走っていく。
「待って!戦ってはダメ!」
その言葉に驚いた様子を見せるが直ぐに立て直す。
「見くびってもらっちゃ困るぜカルラ!俺はこの巨人をぶっ殺してきっちり3人とも助ける!」
両手にブレードを持ち、振り返らずに走る。
(確実に2人だけは助かる方を取るか…、巨人と戦って全員助ける賭けに出るか…)
(…カルラの願いに答えるか…、俺の恩返しを通すか!)
ブレードを強く握り直す。勇気は決めた。
(オレは!)
巨人の顔を見上げる。その瞬間、勇気なんてものは粉々に砕け散った。本能が言っている、勝てない,
手に持つブレードが震える。
(オレは…)
巨人に背を向け、エレンとミカサを抱えて走り出す。選んだのはカルラの願い。
「ありがとう…」
聞こえないような声でそう言う。
「エレン!ミカサ!生き延びるのよ…!」
その瞬間。頭に家族で過ごしたあの日々が浮かんでくる。家族4人での何気ない食事の風景。
「…い…行かないで…」
口を抑えてそう言う。この願いはもう誰にも届きはしない。巨人の手が家を漁る。死が迫ってきている。足掻くことは出来ない。世界は残酷だ。
「やめろおおおおおおおおおおおおおお!」
その瞬間。轟音と共に何かが墜落した。隣の家は墜落したものによって崩れた。耳にキーンという音のなる方向へ目を向けた。巨人の動きが止まっていた。
「な…何が起きたんだ…」
エレンがそう言葉を発すると同時に、巨人はその体を地に沈めた。カルラもその影響で地面に落ちる。
「ハンネスさん…巨人が…急に…」
「倒れた…。死んだのか…?」
3人でカルラに急いで駆け寄る。足は潰れており、とても歩けるような状況ではない。だが命に別状は無いようだった。その事に3人は涙を浮かべながら喜んだ。
「母さん…良かった…!」
その表情にカルラは笑顔を浮かべる。
「ハンネスさん、担いでってくれるか?」
「わかった」
ハンネスがカルラを担ぎ、ウォールマリアの方向へと走る。ふと、潰れた家の方を見るとそこから何か出てきた。翼から赤いエネルギーのようなものを放ち銀色の鱗に身を守った生物がそこにはいた。
「あいつは…」
エレンがその生物を見つめていると急にそれは手を上げてこっちに振った。その行動にエレンは驚き目を開く。ミカサやハンネスは気づいていないようだった。
「お前が…助けてくれたのか…?知能があるのか…?お前は…」
その質問に答えることは無く、翼から赤いエネルギーを出してそれは飛び立って行ってしまった。
「エレン、行くよ」
「あぁ…わかった!」
ミカサに声を掛けられてウォールマリアへと足を進める。空では赤い生物が空を飛び回っている。
(あんな生き物は初めて見た。翼があったから外の世界も見た事があるんじゃないか?)
走りながらエレンはそう考える。上を見上げると赤い物体がさっきのように地面に衝突していた。さっきとは違って直ぐに上に戻っていた。
自分の知らないことは沢山ある。炎の水、砂の雪原、氷の大地。これらは全て外の世界にあるものだ。
(俺もいつか…あいつみたいに…外の世界を見に行きたい…)
そのために必要なことはただ1つ。
「調査兵団に…」
少年の目はシガンシナ区の絶望の風景とは裏腹に、希望と喜びで満ち溢れていた。
ーーー
その後ウォールマリアは破られた。その結果、人類の活動領域はウォールローゼまで後退した。その為たくさんの失業者が出来てしまい、その失業者は開拓地で過ごす事になった。
だが全ての失業者を政府が抱えきれる訳がなかった。
846年。ウォールマリア奪還作成という名の口減らしが行われた。数え切れない程の人が死に、そのおかげで残った人類は壁の中で暮らすことが出来た。
そして847年…
「だから…見たことあるって…」
「本当か!?どのくらい大きいんだ!?」
エレン達3人は訓練兵になった。現在はシガンシナ区での出来事を見たエレンは質問攻めにあっていた。
「顔から首を出すぐらいだ…」
「どんな顔だったの?」
「皮膚がほとんどなくて口がデカかったな」
「ウォールマリアを破った鎧の巨人は!?」
「そう呼ばれているけど俺の目には普通の巨人に見えたな」
あの日の出来事を思い出すかのように淡々と語っていく。エレンが言葉を話す事におぉと声が上がる。皆知りたかったのだ、あの日何があったのかを。
「じゃ、じゃあ…普通の巨人は!?」
「…普通の巨人…」
記憶を巡る。思い浮かんできたのは母さんが巨人に掴まれたあの瞬間。そしてその巨人を蹴散らしたあの銀色の生物。あれを見たあとだと全てが弱者でちっぽけに見えてきてしまう。あの超大型巨人や鎧の巨人も倒せてしまうだろう。
「…普通の巨人はほんとに大したこと無いぞ。俺たちが立体機動装置を扱えるようになったらあんなの敵じゃない!」
「そ、そうか…」
ちょっと感情が籠ってしまった。
「じゃあバルファルクは?」
「…バルファルクってなんだ?」
聞いたこともなかった。
「それってどういう巨人なんだ?俺はそんなの見た事はなかったんだか…」
「バルファルクは巨人じゃないよ?今分かってることは何故か巨人だけを殺すって事と赤いって事だけだね」
あの生物はバルファルクって言うのか。エレンは何となく強そうな名前してるなって思った。
「…俺はそいつに母さんを助けられたんだ…、でも赤いのは飛んでるだけで普通は銀色だぞ?」
エレンの言葉に周りがざわつく。マジかよだとかちくわ大明神だとか皆が言っている。んっいまのは…。
その後は自分が調査兵団に行きたいということや巨人を駆逐するという目標を話した。途中馬が来たり信頼の拭ったりしたがそれはまた別のお話。
安定の見直し無し。あんけ