Fateシリーズの岡田以蔵がメンヘラ女子大生を更正させる話 作:河内三比呂
「なるほど。それが『聖杯戦争』なんですね……。ユリア、頑張りますね!」
以蔵から説明を受けたユリアは、気合いを入れたように言う。そんな様子を見て、以蔵は、
「待て待て待て! おまんは戦線に出んじゃなか! わしが敵サーヴァントを斬っちゃるきに!」
そう制止すると、またしても無理矢理話題を切り替える。
「と、とにかく酒じゃ! 酒呑むぜよ!」
「あ、はい! ユリアの行きつけに行きましょう!」
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ユリア行きつけの店に着いた二人は、早速お酒を呑み始めた。そのお店は小洒落たバーだった。
「どうです? オシャレでしょう? ここ、『たっくん』もよく来るんですよ!」
「そうか。んで? おまんらはどこまで進んでるがか?」
酒が呑める事に気が緩み、うっかり訊いてしまった以蔵は、すぐに後悔するハメになるのだった。
「え!? どこまでって……以蔵さんったら……ユリア達は魂で繋がってるんですよ! ほら、二人で写ったこの画像とか!」
そう言って見せられたスマホ画面には、明らかに盗撮した画像が。
「……」
思わず言葉を失ってしまった。なんとなく気づいていたが……。
(これ……所謂『ストーカー』って奴じゃないがか?)
……以蔵は考えることを止めた。というか、怖すぎて引いた。
「? 以蔵さん、顔色悪いですよ?」
「……気の所為じゃろ。それより、酒はまだかのう!」
またしても無理矢理切り替えると、以蔵は酒を浴びるように呑むのだった。
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「ううう……おえぇぇ!!」
「もう、以蔵さん大丈夫ですか? まぁ、これも練習ですよね!」
深酒して気持ち悪くなっている以蔵を介抱しながら、ユリアがそんな事を言うので、思わず訊き返してしまった。
「練習ってなんのじゃ……? うぇぇ……」
「何って、『たっくん』が深酒した時ようのですよ!」
(訊かなきゃよかったのう……)
以蔵は酔った頭で後悔しながら、フラフラと歩く。
その後を追うユリアが、ふと慌てて以蔵の後ろに隠れた。
「ん? どうしたマスター?」
「『たっくん』が……!!」
頬を赤らめながら言うと、確かに視認出来る距離にあの写真の男が、親しそうに綺麗な女と歩いていた。
「……待てぃ。あの男……女がおるがか?」
以蔵に訊かれ、ユリアはあっさりと言う。
「あの雌豚なら、一応たっくんの婚約者とかふざけた位置にいましてね? ホント、ウザイです! 確かに出会ったのも付き合いもあの雌豚の方が先ですけど、愛はユリアの方が上ですからね!」
どこか誇らしさすら含みながら言うユリアに、以蔵は冷や汗をかく。
(つまり……片想い? どころか下手したら認識すらされとらんのでは?)
自身のマスターの狂気に早くも気づいてしまった以蔵は、早く聖杯を手に入れて座に帰りたいと切に思うのだった。