Fateシリーズの岡田以蔵がメンヘラ女子大生を更正させる話   作:河内三比呂

3 / 6
第3話 『人斬り』とメンヘラ

「なるほど。それが『聖杯戦争』なんですね……。ユリア、頑張りますね!」

 

 以蔵から説明を受けたユリアは、気合いを入れたように言う。そんな様子を見て、以蔵は、

 

「待て待て待て! おまんは戦線に出んじゃなか! わしが敵サーヴァントを斬っちゃるきに!」

 

 そう制止すると、またしても無理矢理話題を切り替える。

 

「と、とにかく酒じゃ! 酒呑むぜよ!」

 

「あ、はい! ユリアの行きつけに行きましょう!」

 

****

 

 ユリア行きつけの店に着いた二人は、早速お酒を呑み始めた。そのお店は小洒落たバーだった。

 

「どうです? オシャレでしょう? ここ、『たっくん』もよく来るんですよ!」

 

「そうか。んで? おまんらはどこまで進んでるがか?」

 

 酒が呑める事に気が緩み、うっかり訊いてしまった以蔵は、すぐに後悔するハメになるのだった。

 

「え!? どこまでって……以蔵さんったら……ユリア達は魂で繋がってるんですよ! ほら、二人で写ったこの画像とか!」

 

 そう言って見せられたスマホ画面には、明らかに盗撮した画像が。

 

「……」

 

 思わず言葉を失ってしまった。なんとなく気づいていたが……。

 

(これ……所謂『ストーカー』って奴じゃないがか?)

 

……以蔵は考えることを止めた。というか、怖すぎて引いた。

 

「? 以蔵さん、顔色悪いですよ?」

 

「……気の所為じゃろ。それより、酒はまだかのう!」

 

 またしても無理矢理切り替えると、以蔵は酒を浴びるように呑むのだった。

 

****

 

「ううう……おえぇぇ!!」

 

「もう、以蔵さん大丈夫ですか? まぁ、これも練習ですよね!」

 

 深酒して気持ち悪くなっている以蔵を介抱しながら、ユリアがそんな事を言うので、思わず訊き返してしまった。

 

「練習ってなんのじゃ……? うぇぇ……」

 

「何って、『たっくん』が深酒した時ようのですよ!」

 

(訊かなきゃよかったのう……)

 

 以蔵は酔った頭で後悔しながら、フラフラと歩く。

その後を追うユリアが、ふと慌てて以蔵の後ろに隠れた。

 

「ん? どうしたマスター?」

 

「『たっくん』が……!!」

 

 頬を赤らめながら言うと、確かに視認出来る距離にあの写真の男が、親しそうに綺麗な女と歩いていた。

 

「……待てぃ。あの男……女がおるがか?」

 

 以蔵に訊かれ、ユリアはあっさりと言う。

 

「あの雌豚なら、一応たっくんの婚約者とかふざけた位置にいましてね? ホント、ウザイです! 確かに出会ったのも付き合いもあの雌豚の方が先ですけど、愛はユリアの方が上ですからね!」

 

 どこか誇らしさすら含みながら言うユリアに、以蔵は冷や汗をかく。

 

(つまり……片想い? どころか下手したら認識すらされとらんのでは?)

 

 自身のマスターの狂気に早くも気づいてしまった以蔵は、早く聖杯を手に入れて座に帰りたいと切に思うのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。